精神病は脳の病気なのでしょうか?
実はここに科学的根拠は全くありません。
そして、「脳の病気だから」という理由で、一生病院で過ごさなければならない理由も釈然としません。
「①患者を退院させなくても精神病院は利益が出る診療報酬システム」
「②家族が退院拒否するため、患者の退院先がないこと」
です。
①に対しては、診療報酬を締め付ければ病院は経営上、長期入院患者を退院させます。
②については、病院以外の福祉施設や自立支援施設を国や自治体が設置すれば、退院先の問題は解消します。
①②の問題を阻止したのは、民間の精神病院でした。
そして、どのように阻止したのかとうと、「精神病と犯罪を結び付けるような世論誘導をした」のです。
実際に、民間精神病院経営者の団体である、日本精神病院協会の会長、山崎学氏は以下のように発言しています。
(山崎)「精神科医療は、医療だけでなく、社会の秩序を担保しているんですよ」
(山崎)「人権、人権と言って、精神病院に入院してい患者を退院させたら、社会で何をしでかすかわからないよ?困るのは警察や保健所じゃないの?それでもいいの?」
というスタンスを2022年現在も持っています。
これでは、何も知らない一般人は、「精神科病院に入院している人達は危険だから、世の中のためにも入院していてもらうことが必要悪だよね?」という考えを持ってしまいます。
確かに、犯罪者は、怒りや欲望をコントロールできず、重大な違法行為を起こします。
ですから、「犯行時、感情や理性のコントロールができなかった」と言えば、一過性の精神異常だと言えるでしょう。
一方、精神病院に入院している人達は、犯罪も何もしていません。
病名や理由も分からずに、家庭や地域社会での不和を起こし、行き場がなく、精神科病院を生活の場として過ごしているのです。
精神科医療が脳の異常を治療した結果、入院患者の「考え方」や「性格」を修正できればよいでしょう。しかし、実際は治すことができず、長期入院化しています。
そして、そもそも犯罪者でも何でもない人たちに「考え」「価値観」を社会に合わせさせるのが目的なら、日本国憲法の「思想・信条の自由」違反にあたります。
そして日本の精神科医療の実態は、家族の同意を担保に、強制入院させ、行動制限して閉じ込めているだけです。
そして、一度入院してしまうと、全ての行動に何らかの行動制限が課され、単調な生活に慣れ、年齢を重ねて行くうちに、退院したいという意欲が削がれていってしまうのです。
入院医療が、人間の持つ、自律性や自由意志を奪っていくのです。
このシステムを戦後から「医療」と認め、健康保険診療を認めていたのは厚労省です。
となると、長期入院、社会的入院の原因は「厚労省の不作為」なのです。
精神病の原因は、「外因性、内因性、心因性」に分類されますが、どれもはっきりしません。
「脳の病気、脳機能の異常によって、行動障害が引き起こされている可能性がある」という曖昧なものです。
頭部CTやMRI、PETなどを行っても、確定診断ができないためです。
つまり、人類は脳神経外科分野においては、脳出血や脳梗塞といった現象を画像や検査で捉え、病状と結びつけることはできましたが、脳神経内科の分野において、ほとんどわかっていないのが現状なのです。
異常行動や発言の定義は、その人の住む国や文化、宗教によって違います。
ですから、精神科医療は科学ではありません。
私が臨床の場で見てきた精神病院入院患者は
「若くして、社会参加に怯え、引きこもり、働かず子供のまま成人してしまう、また家庭内で暴れた結果、家族から見放された人たち」ばかりでした。
ちょっとしたことで発狂して大暴れする人はいません。
トラブルや暴言があっても、そこに、健常者と変わらない、正当な理由がありました。
そして、長期入院患者は、人間性をどんどん削がれていった結果、「動物園の檻の中で飼育されている、野生を失った動物」のようにも思えました。
これからの日本は、そうした人たちを、精神科病院という塀の中に隔離収容するのではなく、家族、親族以外に、社会が受け入れることが求められて生きます。
このように時代の価値観が転換し始めたのは理由があります。
真実を知りたい方は、是非ラプトブログを一読ください。
今回の記事の参考としたニュースを転載します。
(参考ニュース)
『精神医療国賠訴訟 「病院には戻らない」 原告尋問、6月に結審 2024/
精神科病院の入院期間が38年に及び、地域で生きる権利を奪われたのは国の不作為が原因だとして、統合失調症の伊藤時男さん(73、群馬県)が国家賠償を求めた裁判の第15回口頭弁論が2024年2月27日、東京地裁で開かれた。
伊藤さんは弁護団からの主尋問、被告(国)からの反対尋問に答え、「もう病院には戻りたくない。社会的入院の人を少しでも減らしたい」と訴えた。次回期日は6月18日で、同日で結審する見通し。精神科病院での長期入院をめぐる初めての国賠訴訟は最終局面を迎えた。
争点の一つが医療保護入院(非自発的入院)の違法性だ。同日の尋問では、入院中の伊藤さんの治療や生活環境の事実関係を中心に、原告代理人、国が伊藤さんに確認した。
伊藤さんは退院を願い出たものの病院に聞き入れられず、徐々に退院意欲を失っていったと陳述。アパート暮らしをする今の生活から、病院に戻ることは考えられないとした。
提訴は2020年9月30日。訴状によると、伊藤さんは福島県内の精神科病院に1973年から38年間入院し、そのうち30年間は父親の同意による医療保護入院だった。
60年代以降、国際社会から改善を求められ、国は長期入院を解消する義務があったにもかかわらず放置したとして、伊藤さんは慰謝料など計3300万円を求めた。
国は、原告の主張は国賠法上の請求に当たらないと反論し、長期入院是正の不作為についても争っている。
3年半に及ぶ裁判の経過は精神医療国家賠償請求訴訟研究会(代表=古屋龍太・日本社会事業大名誉教授)のホームページや伊藤さんの近著『かごの鳥』(やどかり出版)に記載されている。
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