6月5日なかのゼロ・大ホールで、《東京室内管弦楽団・演奏会》が行われました。
梅雨の走りか、生憎の雨でしたが、インフル騒ぎも当初ほどは心配いらなくなって、沢山のお客様で客席は埋まりました。いらして下さった皆さま、ありがとうございました。
写真は、ゲネプロ(本番前リハーサル)でみんなが“運命”を弾いているところです。
中野ゼロは、響きのある・・つまり長めの残響のあるホールです。二階席では、まろやかに包まれる感じが心地よいです。二階席は、前の方の頭が邪魔になる事もないので、見晴らしが良く、私としてはお勧めです。
一階席は、舞台からの音が直に聞こえるので、確かに臨場感はより強いです。弦楽器一人一人の弓の摩擦音が聞こえてきます。
演奏者は、舞台上で自分たちが聴いている響きと、客席に聞こえる響きとに違いがあるかどうかが、とても気になるので、演奏出番がなくて客席で聴いている(降り番)メンバーに「どお?」と尋ねます。今回は、舘野泉さんがお弾きになる《左手のためのピアノ協奏曲》があるので、殊更、指揮者の橘さんに「バランス聴いてて下さいね。甚だしくピアノが聞こえない箇所があったら教えて下さい」と言われていました。
中間部のオケがメロディでピアノが細かいアルペジオの箇所が、ややピアノの粒がくぐもって聞こえていました。しかし、フォルティッシモで70人のオケが鳴っている時でも、充分にピアノが存在感で上まっていたので、舘野さんは流石だなーと思いました。
さて、本番。私は出番が最後の《ボレロ》だけですから前半は二階席の隅っこへ聴かせてもらいに行きました。客席はこれから始まる演奏への期待で埋まっています。皆さん、パンフレットの私が書いたプログラムノートを読んで下さっているかなー? 気になるところですが、それより、客席が暑くて、ウチワ代わりになっているようでした。
《ルスランとリュドミラ序曲》なかなか良いテンポで快調なスタートです。
《運命》ゲネプロの合間に橘さんに「都会的で現代的な運命のイメージなんでしょう?」「そうでもないんですけど・・」なんて会話をしていたのですが、本番では、よりずっしり、どっしりした《運命》が聞こえた印象でした。
後半は、舞台そでへ。舘野さんは、カッコイイ白のマオ・スーツ姿。
質問したい事があったけれど、本番前は控えます。マネージャーの伊東さんとじっと耳をそばだてる。
ゲネプロでやや聞こえにくかった細かいアルペジオのパッセージが表に聞こえていて、伊東さんと「聞こえてますね」「調律のお陰」と付きっきりでいらっしゃっる専属調律師の鶴田さんを褒め称える。
《左手~》がバッチリ済んで、舘野さんのアンコール。
「カッチーニかなー? やっぱりカッチーニだ!」その様子で、伊東さんが誰よりも一番の舘野ファンであることが、今回良くわかりました。
《カッチーニのアヴェ・マリア》最高でした。あそこの域にまで到達した音楽。人間の域を超えている、と思いました。舘野泉さん=特別な存在、です。
ステージからピアノを片づけている間に、少し舘野さんとお話できました。あれだけのテンションの高い《左手~》と、深い精神性の《カッチーニ》の直後でも、全く興奮した雰囲気はなく、普段と変わらない自然体です。「《左手~》は以前から弾いていらしたんですか?」「うううん、40年間やりたいって言い続けてたのに、一回も実現しなかった。だけど、右手が使えなくなってからは、イヤでねー」「そう、おっしゃってましたねー」
長くなったので、《ボレロ》はつづく・・。
梅雨の走りか、生憎の雨でしたが、インフル騒ぎも当初ほどは心配いらなくなって、沢山のお客様で客席は埋まりました。いらして下さった皆さま、ありがとうございました。
写真は、ゲネプロ(本番前リハーサル)でみんなが“運命”を弾いているところです。
中野ゼロは、響きのある・・つまり長めの残響のあるホールです。二階席では、まろやかに包まれる感じが心地よいです。二階席は、前の方の頭が邪魔になる事もないので、見晴らしが良く、私としてはお勧めです。
一階席は、舞台からの音が直に聞こえるので、確かに臨場感はより強いです。弦楽器一人一人の弓の摩擦音が聞こえてきます。
演奏者は、舞台上で自分たちが聴いている響きと、客席に聞こえる響きとに違いがあるかどうかが、とても気になるので、演奏出番がなくて客席で聴いている(降り番)メンバーに「どお?」と尋ねます。今回は、舘野泉さんがお弾きになる《左手のためのピアノ協奏曲》があるので、殊更、指揮者の橘さんに「バランス聴いてて下さいね。甚だしくピアノが聞こえない箇所があったら教えて下さい」と言われていました。
中間部のオケがメロディでピアノが細かいアルペジオの箇所が、ややピアノの粒がくぐもって聞こえていました。しかし、フォルティッシモで70人のオケが鳴っている時でも、充分にピアノが存在感で上まっていたので、舘野さんは流石だなーと思いました。
さて、本番。私は出番が最後の《ボレロ》だけですから前半は二階席の隅っこへ聴かせてもらいに行きました。客席はこれから始まる演奏への期待で埋まっています。皆さん、パンフレットの私が書いたプログラムノートを読んで下さっているかなー? 気になるところですが、それより、客席が暑くて、ウチワ代わりになっているようでした。
《ルスランとリュドミラ序曲》なかなか良いテンポで快調なスタートです。
《運命》ゲネプロの合間に橘さんに「都会的で現代的な運命のイメージなんでしょう?」「そうでもないんですけど・・」なんて会話をしていたのですが、本番では、よりずっしり、どっしりした《運命》が聞こえた印象でした。
後半は、舞台そでへ。舘野さんは、カッコイイ白のマオ・スーツ姿。
質問したい事があったけれど、本番前は控えます。マネージャーの伊東さんとじっと耳をそばだてる。
ゲネプロでやや聞こえにくかった細かいアルペジオのパッセージが表に聞こえていて、伊東さんと「聞こえてますね」「調律のお陰」と付きっきりでいらっしゃっる専属調律師の鶴田さんを褒め称える。
《左手~》がバッチリ済んで、舘野さんのアンコール。
「カッチーニかなー? やっぱりカッチーニだ!」その様子で、伊東さんが誰よりも一番の舘野ファンであることが、今回良くわかりました。
《カッチーニのアヴェ・マリア》最高でした。あそこの域にまで到達した音楽。人間の域を超えている、と思いました。舘野泉さん=特別な存在、です。
ステージからピアノを片づけている間に、少し舘野さんとお話できました。あれだけのテンションの高い《左手~》と、深い精神性の《カッチーニ》の直後でも、全く興奮した雰囲気はなく、普段と変わらない自然体です。「《左手~》は以前から弾いていらしたんですか?」「うううん、40年間やりたいって言い続けてたのに、一回も実現しなかった。だけど、右手が使えなくなってからは、イヤでねー」「そう、おっしゃってましたねー」
長くなったので、《ボレロ》はつづく・・。