室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

《ボレロ》生チェレスタ

2009-06-09 22:02:14 | Weblog
The ファンタジー オブ クラシックPart 3・リポート続き・・。

今まで、シンセザイザーでは数えきれないほど“チェレスタモドキ”の音を出して演奏して来ましたが、今回の《ボレロ》には、本物のチェレスタが用意されました。
学校(桐朋学園)の打楽器部屋にあったチェレスタをこっそり触って以来です。

この写真がチェレスタです。ドが5つ。4オクターヴです。下から2つ目のドが真ん中のドでした。学校にあったチェレスタはメーカーも覚えていませんが、外国製でした。それよりも、このヤマハ製は、鍵盤が安定しており、アクションはお布団のようにフワフワだけど、微妙なタッチの違いに応えてくれました。

演奏が始まって3分過ぎた頃に、なにしろたった17小節ですからね・・。あっという間です。
主音で始まるAメロ、セブンスの音で始まるBメロの2つが、AABB をワンセットに様々な楽器や、その組み合わせで4セット繰り返し、5回目はAB 1回ずつで、その間ひたすらクレッシェンドして、エンディングの大クライマックスに到達するのです。構成はシンプルなのですが、雰囲気はかなり官能的。

個々のソロの中では、ソプラノ・サックスのオネーチャン(申し訳ない、お名前がわからないので)のBメロが最も官能的だったように思います。その直後が、私の出番。フルート、ピッコロ、ホルンと一緒にAメロをやる訳ですが、フルート陣のハモリのせいで、トンチンカンな響きになるのが印象的な箇所。ド・ソロではないので分かりにくいのですが、そこにチェレスタが使われているのです。面白い響きです。あっという間です。

この日のゲネプロまでは、ゆったりしたテンポでやっていたのですが、本番では前向き傾向になっていました。
恐らく、舘野さんの演奏を聴いて、オケが引き締まった感じになったんじゃないかな、と思いました。

演奏が終わって、楽屋に戻って来た時の雰囲気で、その日の演奏の出来がわかるものです。
この日は、充実感からくる上気した熱気の中に笑顔が多く見られました。みんな、とっても正直です。