室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

オーケストラ・コンサート

2011-01-13 21:52:03 | Weblog
近々の予定です。


来週(なんと来週!)3日間続けてオーケストラの本番が続きます。


1月21日(金) 池袋の東京芸術劇場で《東京室内管弦楽団コンサート》19時開演、指揮・橘直貴さん


             



長年お世話になっているオーケストラです。1992年に故・いわくぼささを氏の長年の夢であった『100 ストリングス』を初めて実現したのも、芸術劇場でした。この年以来のお付き合いなので、かれこれ20年ちかい・・?

そのいわくぼさんが他界されたのが1998 年だから、その後の方が2倍になっていたとは!


今回は、オルガン奏者のゲストもいらっしゃるという事で、バッハの有名な『トッカータとフーガ』のオーケストラ版にオルガンを加えた形で演奏することになっています。

オリジナルはオルガンの曲。ショックな事が起きた時などによく「チャララ~ン 」と言うでしょう? アレです。「チャララ~ン、チャララララ、ラ~」最も絶望的な響きで始まる、人類史上に燦然と輝く、強烈な、あの曲です。

大ピアニストであったリストの超絶技巧的なピアノ用編曲や、ストコフスキーのオーケストラ版なども大変有名ですが、東京室内管弦楽団は、いわくぼささを編を演奏します。これと、オルガンをどう合わせるか・・? 

オルガンは独奏ではなく、あくまでもオーケストラの中での響きとして頂く。でも埋もれてしまっては意味がない。つまり、ブレンド役以上、協奏曲未満の役割となります。その目盛りも、巾がある中のどこに置くか・・。

それを考えるべく、オーケストラ・スコア、オルガン・オリジナル譜、オーケストラ内のピアノ・パート譜、いわくぼさんの書かれたキーボード・オルガン・パート譜が送られてきました。


まず、オーケストラ・スコアを全部、パソコンに打ち込んでみました。これは、けっこう時間がかかる作業ですが、スコアをじっくり読むのと同じことです。ピアノ・パートも全部確認して、オーケストラ・スコアには書かれていない、オルガン・パート譜も入れてみました。


改めて、いわくぼ編『トッカータとフーガ』はスゴイです。隅々まで、「こうあれかし・・」と書かれている事がよく分かりました。
オーケストラに精通したとの自負をお持ちだった、いわくぼさんの面影が蘇ってきました。

隙の無い、出来上がったオーケストラ編曲に、音を足したり、抜いたりは出来ません。コンセプトがくずれてしまうからです。あとは、オルガンをどう重ねるか・・。


オルガンのオリジナル曲とは、発想が違う、オーケストラならではのスケール感から来るスコアなので、拍子、拍節も書き方が違います。

一方、いわくぼさんのキーボード・オルガン・パート譜は、良い効果を狙って書かれているものの、パイプオルガン用ではないので、オルガニストが手を加えて下さる余地を考慮しつつ、オリジナル譜とすり合わせて、今回のコンサート用の譜面を作りました。

実際に、ホール内での響きを試してみないと分からない部分もあるのですが、いわくぼ編『トッカータとフーガ』のコンセプトに合わせてオルガニストに調整して頂きたいと思っています。



コンサートは、第1部がオーケストラ中心のプログラムで、『魔笛』序曲、カルメン幻想曲、トッカータとフーガ、ジェルソミーナ『道』、タイタニック・セレクション等。第2部はメインゲストの藤沢ノリマサ=ポップスオペラの世界、です。また、開場から開演までのひと時、オルガンによるウェルカム演奏があり、そちらも素敵な企画だと思います。

チケットは、チケットぴあ、としまみらいセンター等で発売中ですが、私にご一報あれば、友の会料金です。




えー、続いて1月22日(土) は、大宮ソニックシティで、《みぬま福祉会支援コンサート》ゲストは素晴らしいチェロ奏者・溝口肇さん。


そして1月23日(日) は、つくばのノバホールで、《みのり幼稚園コンサート》カバレフスキーの『道化師』、ローエングリン第3幕への前奏曲、ヨハン・シュトラウス、『新世界より』などの名曲の他、お子さんたちが歌う『唱歌メドレー2011』があります。まだ、譜面作ってます・・。



それが無事終われば・・、えーと、あと保育園の歌の作曲が、何とか今月中に・・。



コンサートのご案内のつもりが、”つなわたり” の打ち明け話になってしまいました。