「忘れるに限ります？」ホイールリムの傷！

昨夜　テレビで「永平寺・禅の世界」という番組を見ました。
越前にある古刹で　道元禅師が開かれた曹洞宗永平寺派の大本山です。
若いお坊さんが厳しい修行をされることで有名で
私も二度ほど観光・参拝をさせていただきました。

その時　門前で買い求めた風鈴が　
今でもタイヤ専門店イマージンで軽やかな音色を響かせてくれています。





仏道をならふといふは、自己をならふなり。
自己をならふといふは、自己をわするるなり。
自己をわするるといふは、万法に証せられるなり。
万法に証せられるといふは、自己の身心
および他己の身心をして脱落（とうらく）せしむるなり。
　　　　　　
　　　道元「正法眼蔵」「現成公案」


深遠なことは判りませんが　
「我欲を捨てなさい　欲を捨てるには後悔する自分を忘れること」と　思えるケースがありました。


それは一昨日　長年のお客様Ｍ様が
愛車のクラウンでコンビニに入ろうとされた時
後続車を気にして早めにハンドルを切り過ぎて　縁石にヒットして
タイヤサイドが裂けて　ホイールのリムに擦り傷が付きました。
車を大事になさるＭ様は　即刻新品タイヤを購入のために来店いただきました。

新車で購入されたクラウンは車歴１年のピカピカです、
いつもキレイにされているので　タイヤは新品になりましたが
ホイールリムに付いた長さ６ミリの傷が気になられます、
ディラーで純正新品ホイールを買うと５５０００円するそうです。


その時に私が言った言葉は
「安全面では問題ありません　あとはご自身が忘れちゃえば問題ありません。」
迷言でした。

心に「傷」がひっかるから　
ホイールも交換しようとなさるわけで　
ああでもないこうでもないと思われるのですから
今夜お酒でも飲んで忘れてしまいましょう。


あとはＭ様次第ということです。
新品にしても良し、そのままでも良しどっちも大正解です。




そして道元禅師の言葉「自己をわするるなり」　
事故を忘れるのではなく　「傷ついたホイールリム」を掴んでいる心＝自己・我欲を忘れましょう。


こういう教えなのかは判りませんが
その番組を見ていて　そう思えてきました。


深いですね～。




私たちは　まだ来ない未来に対してあれこれ心配をします、これ取り越し苦労です。
そしてやってしまった事にあれこれ考えます　これ後悔です。
取り越し苦労と後悔を無くしてしまえば
残るのは「今」の一瞬です。


小さくても会社の経営を預かると
月末の支払いはできるかなと　取り越し苦労。
商談をしただけで帰って行かれたお客様には　きっと他の店で買われるのかな？と後悔
あらゆることが気にかかります。
しかし
そんなこと気にしていたら　何もできません。
なるようになると開き直らねば　会社の経営は超窮屈です。
会社経営こそあけっぴろげでいかねば　息が詰まります。・・・・・実感です。


そんな日常を数限りなく繰り返していますので
「自己をわするるなり」は　
心配事を無くしなさいと聞こえてくる　心地よい言葉に響きがありました。
未熟者は　真似することにおいては少し長けています、
ありがたいことに道元禅師のマネもしてみましょう。




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