木曜日だけど休日。しっかり休養に充てようと朝寝・・・昼寝・・・
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本日は「建国記念の日」でありましたか。
建国をしのび、国を愛する心を養う日です・・・
建国記念の日
そんでもって、ちょっと前に読了したのがこちら。
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今、新書で売れてますね。
内田樹氏の書いたものは初めてです。
まず「はじめに」を読んで、これは失敗したかな、と思ってしまった。
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何だろうこの弁解がましい文章。批判に対しての極度な予防線。これはろくなもんじゃないのでは・・・
しかし、本論に入って、それは杞憂であることがすぐ解った。
これ、メチャクチャ、オモロかった。下手なエンタテイメント小説を読むよりエキサイティング。
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理念を持って建国されたわけではない日本。日本人の日本人としてのアイデンティティ探し。
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日本人ほど日本文化論を気にする民族は無いというのは良く言われていることで、日本文化論は大量に書かれてきました。そんな中、内田さんは自分のこの本には新味が無いとおっしゃっています。確かに日本文化論に類する本は次から次へと出ているでしょうし、それらが出る度に深い関心を示すわけですが関心を示すだけでほとんど読んでいないこちとらとしては、この本は実に刺激的なんであります。
日本人特有の精神行動特性を
ここではないどこか、外部のどこかに、世界の中心たる「絶対的価値体」がある。それにどうすれば近づけるか、どうすれば遠のくのか、専らその距離の意識に基づいて思考と行動が決定されている「辺境人」として説いていく。
論考は日本文化論を読んでいない勉強不足の私にとっても、なるほど、どこかで読んだ事(聞いた事)がある、一種の既視感のようなものを感じながら読み進みます。これはやはり辺境人としてのDNAがそう感じさせるのでしょうか。
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内田さんは「辺境人」である宿命を開き直って活用しようという論考なのもありますが、何かしら劣っていると感じるコンプレックスやマイナス面も含めて、やっぱり日本人って良いよなぁと思えるわけです。
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唯一の被爆国である日本が何故その経験を活かして、独自の基準を世界に示さないのか?これも日本辺境論によれば、当たり前の事でなんですね。説得力あるなぁ辺境論。
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話は辺境人の学びの効率性、日本語の特殊性に及び、傍線引っ張りたくなる箇所の多いこと。
時に話が難しくなったりもしますがその部分は耐えて読み進みました。
とにかく読み出したら止まらない面白さ、これはちょっと珍しく2読、3読したくなる本。付箋と鉛筆を用意して2読目に入りたいと思います。
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これ、売れてますもんね。
「日本人が集団で何かを決定するとき、その決定に最も強く関与するのは提案の論理性でも、基礎づけの明証性でもなく、その場の空気である」(これは山本さんという方の引用らしいけど)なんて、思わず笑っちゃいます。