goo blog サービス終了のお知らせ 

JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

笹原宏之 「日本の漢字」

2006-02-23 | BOOK
書店で見つけて迷わずレジに直行!大正解!

これはとっても興味深く面白かった。
第1章から第7章、それぞれに面白く、ワクワクしながら読みきってしまった。
日本語の漢字について学者の方が書いた本ですが、先入観で勝手に年配の学者を想像していましたが、著書は1965年生まれ、まだまだこれからの若い方だったのも嬉しい。

日本サッカーリーグの殿堂(?)西が丘サッカー場の近くにあった国立国語研究所(現在は立川に移転してしまったようだ)に勤務して活躍されていたそうです。この方の地道な研究活動、ちょっとマニアックでおたくっぽいのだけど、こういう活動をされている方が居るのだなぁ。本当に好きでなければできないけれど、学者というのは面白い職業ですね。

JIS漢字とかISO10646なんていう存在も知りませんでした。

第2章の「圓」から「円」へ
では、当然落語家の名前にまで言及されます。
私も落語記録の際に「圓生」「圓楽」と当代の「圓歌」等は「圓」、先代の呼び出し電話の「円歌」は「円」と使い分けをしていました。月の家円鏡から橘家圓蔵・・・

妛(やまいちおんな)の話等も興味深い。早速IMEパッド手書きを使ってみたら、出てきました。JIS漢字恐るべし。その文字の使われている地を訪ねれる話も楽しい。

他にも「解体新書」の翻訳時に作られた文字の話とか。

著書がその気になれば、それぞれ独立した面白い読み物が出来そう。

また、藤原正彦教授と小川洋子さんのような出会いがあれば、楽しい小説だって生まれるかも。

「おわりに」に書かれている著者の少年時代の漢字との関わりとか辞書を使って調べた(これはもう遊び)事などでも1冊書いて欲しい。

「漢字ブーム」というが漢字のイメージ偏重への危惧。
活字離れや手書きの機会減少の中、漢字を丸暗記やパズルなどの遊びだけの対象にする事は、漢字の特質である表意性さえも忘れさせかねない。まったくその通りでは無いでしょうか。

お願いだからこれ以上ひらがなの市町村名を増やすのはやめていただきたい。

Hero-Nのお友だちの名を聞くと、親が愛情を持ってベストと思う名前を子につけるのだから、とやかく言うのは間違っているとは思うものの、流行とはいえあまりに表意性を無視した名前の増加や呼び名から音で見つけてきた漢字を当てているとしか思えない名の多さにはどうなのかと思う。





コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 岩井志麻子 「ぼっけえ、き... | トップ | 同級生 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます (rainer)
2006-02-23 22:36:53
こんにちは。

この本は読んでみたら本当におもしろかったですね。

くどくない書き方も心地よいものでした。市町村名や子供の名前についてのご意見には賛成です。

今後ともよろしくお願いします。
返信する
よろしく (imapon)
2006-02-25 00:18:49
rainerさん。こちらこそよろしく。

漢字ブームとかって喜んでいるだけじゃなく深く考えたくなりますよね。



まぁ、不真面目に本の紹介とかしていますので、また来てください。

返信する

コメントを投稿

BOOK」カテゴリの最新記事