JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「死刑弁護人」

2017-02-25 | 映画(DVD)
「第6回死刑映画週間 生きるという権利」

「死刑弁護人」2012年 東海テレビ 監督:斉藤潤一

オウム真理教事件の麻原彰晃、和歌山毒カレー事件の林眞須美など、死刑判決が下された事件の数々を担当してきた弁護士・安田好弘氏のドキュメンタリー。凶悪事件を起こした者たちの弁護人を務めることから激しいバッシングにさらされるにもかかわらず、彼らのために奔走するのはなぜなのか? これまで手掛けてきた事件を安田本人の言葉と共に振り返りながら、その原動力、司法のあり方、凶悪犯罪が生まれる背景などを浮き彫りにする。



東海テレビ・ドキュメント面白れえ!
人は失敗を経験して成長する。極悪犯罪者も安田弁護士も・・・
特に丸山博文、木村修治の事例が面白い。
~にしても安田弁護士の若い頃「新宿西口バス放火事件」での失敗はお粗末すぎる。なんでそんな簡単な事が解らないんでしょうか。
死刑囚の犯した失敗はあまりにも大きいけれど、なかにはそれで人間のステージが上がってる例もあるでしょう。
凶悪犯罪も犯さず、周囲にちっぽけな迷惑をかけながら生きてるクズよりよほど高いステージにたどり着くんでしょうね。クズで充分だけどね。

死刑廃止論に関してはその人の死生観が大きく影響するわけで・・・
死後の世界を誰も経験していないうえであーだこーだ言ってもという気はする。
死は当人にとって罰では無くご褒美と思えてならない。勿論ケースバイケースだけれど反省していようがいまいが死んでしまった方が楽に思える。
どうしても被害者側の感情で物事を考えてしまうけれど、憎き死刑囚への罰は、宣告から執行までの苦しみのみ。ところがそれも信仰とか失敗を元にした悟りによって案外和らいだりするとしたら面白くない。
村田藤吉の刑が理想なんだけどね。あれはコストがかかるからなぁ。
早い処執行してしまった方がコストはかからないんでしょうけど。

安田のおっさんはその仕事ぶりや自身の学生運動に関する言及を見ていると、正義感とか使命感という印象が薄くて、単に真実の追求に突き動かされているように見えるところがとても良い。
好きな事をどんどん極めていく男の姿として見ると、こちらの方もワクワクしてくる。
これは「首」の正木弁護士にも通ずるところですね。
途中、この人は日本の死刑制度が廃止になったらここまで執念をみせられるのかしら?とも思ったけれど、とてもシンプルなので大丈夫そうですね。



死刑廃止論と冤罪の問題は密接だけれど別物。
冤罪がいかにして起きてしまうのか。安田弁護士自らの不当逮捕で見えてくる仕組みの一端を現実(ドキュメント)で見せてくる面白さもある。

ボケな頭ながら観賞中にいろんな事に考え、思いを巡らす事になるドキュメントは良質な作品の証。


林眞須美の真実は確かに知りたい。





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