筒井先生の新作は「中毒必死の乱調小説」って事で、ソフトカバーなので久し振りに単行本で購入。
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筒井康隆というえどもあまりに実験小説すぎると鼻に付く時もあるんですが、単に実験小説に留まらない名作を幾つも作ってきてくれた。
これも御多分に漏れずめちゃくちゃ楽しめる筒井テースト満載の傑作でした。
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こういうのはなかなか他の人がやると返って嫌らしさを感じちゃうのに、まぁ、筒井先生専売といったところなんでしょう。
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まず思い浮かぶのは初期の短編「シャックリ」ですよね。
しかしこのリフレインのどーどーめぐり!時を経て原稿用紙からパソコンに変りコピペを活用した作品となって狂気の度合いも緻密。
くどいようですが、実験小説は発想やアイデアだけでは鼻に付くんですよね。
長年培われた筒井康隆ワールドと巧妙な筆致が中毒症を誘発し、気持ちよ~いエクスタシーを味わえるんです。
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車中での読書は時に気が散ってしまい、目が文字だけを追ってストーリーから迷子になってしまう事もあります。そんな時、数ページ遡って読み返す場合と、いづれ読み進むうちに元の道にたどり着けるだろうと、無視して読み飛ばす場合があります。私の場合は割合として後者が多い。そんな人にも心配御無用。とにかく執こいくらい繰り返してくれますから・・・
「このくらい繰り返せば解るだろう、こうなりゃ、物量で勝負だ!」あ、これは談志の黄金餅でした・・・
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「匍匐前進」も良いけれど、私の好きなフレーズは
「今でもやや過剰に持っているおれへの尊敬の念は変らず、何か頼み事をするとちょこまかとよく動いてくれるちょっと得がたい男でもあるのだ。」という見るからに業界人というタイプの鼻下にちょび髭を蓄えた剽軽な男、籾山の描写。
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当然、他のキャラも狂っていて功刀さんや妹、かぶりを振る妻、川崎秀麿・・・
何でも映画化の時代、勇気ある人誰か映画化してください(河崎実以外ね)
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実は筒井康隆以前にも、同様の試み(?)をした大作家が居るという噂を聞きました。
なんと、ハードボイルドの神様、大藪春彦。晩年の作「暴力租界」このリフがまた凄まじいらしい。しかし、大藪先生の場合、大作家も耄碌してしまってアルツハイマー小説と言われてしまっているという。
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真相は如何に、って事で是非一読してみたい。
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