JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「秘花」

2008-03-30 | 映画(DVD)
シネマヴェーラ 「若松孝ニ 大レトロスペクティブ」より

「秘花」1971年 監督:若松孝ニ
心中に失敗し生き残った女(立原流海)と、死を覚悟して遠くの町までやってきた若い男女(吉沢健、横山リエ)が、廃船の横たわる海辺で出会う。

これは今まで観た今回の特集の中で一番正しくピンク映画している作品でした。
とはいえ若松ピンクですから欲情をそそる事もなく見れちゃうんですけど。
音楽もとってもメロでドラマの陳腐さとの相乗効果が良いです。

冬の荒れた海を見つめて佇む喪服の年増(立原流海)がモノクロの絵として映えます。この年増さん、ややもするとブサイクが入ってくるので尚良いのです。
喪服の下は何故だか貞操帯。

でも、それよりその年増の「喪服をひん剥いてやってしまいなさいよ」と男をけしかける横山リエがなんともチャーミング。化粧ッ気無く眉毛も半ば消失していますが、横顔が良い。この人確か「天使の恍惚」の「金曜日」でしたね。

「生きている意味がないから死ぬんだ」という男と
「生きている意味がなくても生きてきたから死ぬには意味が必要」という女・・・

「全共闘以後の挫折、空虚、倦怠感を見事にフィルムへと定着させ、足立正生『15歳の売春婦』とともに、70年代的映画の可能性を切り開いた。」 だなんて・・・
若松作品はどうしてもこういう読み方が付き纏うのね。確かに一瞬全共闘イメージは出てきますが・・・


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