JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「黒い下着の女 雷魚」

2024-10-29 | 映画(DVD)

「黒い下着の女 雷魚」1997年 国映 新東宝 監督:瀬々敬久 脚本:井土紀州、 瀬々敬久

それぞれに暗い過去を背負い、生きながら死んでいるかのような人生を送っている男女がたどる苛酷な運命を描いた愛憎ドラマ。
人妻の紀子(佐倉萌)は、椎間板ヘルニアと慢性膵炎で入院中の病院から抜け出し、不倫相手の田辺が住む利根川沿いのある地方都市へ出かけた。ところが、田辺と会うことができなかった紀子は、テレクラに電話をかけ、そこで知り合った裕幸(鈴木卓爾)とモーテルで肌を重ねる。紀子はふとした感情から彼を刺し殺してしまった。

女優佐倉萌のデビュー作。
過去に傷持つ人の業を佐倉萌と伊藤猛が静かに迫りくる熱演。

監督はピンク映画の枠を外しての瀬々敬久でエロやバイオレンスシーン以外の部分での回りくどい撮り方は嫌いじゃない。ロケ地である神栖町の工業地帯や小見川の何も無い感じ。利根水郷。舗装されてない道、舗装道路の穴に咲く雑草。さらにまだ90年代だからピンク電話とか電話ボックス、テレクラのチラシ、今観てこそ味わい深い。

赤いタイルのラブホ、バスルーム。
さらに子供服や不愛想な店員。

佐倉萌は黒い下着とコルセットを付けているヘルニアと膵炎のため入退院を繰り返している事もあり亭主とも不倫相手とも上手く行ってない。この女優さんは歳を重ねるごとにカッコ良くなるイメージ。身長へのコンプレックスを持っているが美乳と大きな眼球に太腿が眩しい。
病院を抜け出し電話ボックスで不倫相手に袖にされ、そのままテレクラ。地元のチャラい男と知り合う。結婚指輪を捨てる所、ホテルで2万円もらう所、赤いタイルのバスルームで凶行に及ぶ。病院に戻っての看護婦(吉行由実)に対する態度。新人の頃から片鱗はみえるのだな。

回りくどいなと思ってしまった数々の描写を逆転で好きになっちゃうのは、右手に流れる炎上の小舟と左手にはける川の中の伊藤猛の映画的ショット。

 

 

伊藤猛は冴えないGS店員で店長と援交の若い娘にオッサン呼ばわりで疎まれてる。
殺人の容疑者として尋問される佐倉萌を面通しで別人と証言しひとまず釈放された萌に近づく。「ひとを殺すってどんな気持ちだ」彼には子供を焼き殺された過去があった。

堕胎させられる女の心情からラストでは醜女の恋にまで発展させて、え?どゆこと?ってぐらいなかなかに盛り沢山。








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2024年9月


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