オチノツボ

日々起こる出来事について雑感をただだらだらたらたら述べております。

コミュニケーションブレイクダウン

2005-02-08 | 日々の雑感
2月8日

 今日は日帰り出張。なので、早起きして大阪駅へ向かう。で、自動券売機で新幹線の切符を買っていたら、横から何か聞こえてくる。


 ん?


 横を見ると外人さん。僕のほうを見て「マイバラ、マイバラ」と言っている。どうやら券売機の買い方がわからないので、僕に聞いてきたみたいだ。これは助けてやらねば。

 「米原に行きたいのですか?」

 「そうです。」

 「新幹線で?」

 「そう。」

 「すぐ乗りますか?」

 「日本語わかりません。」


 えっ?!今まで普通に会話成立してたやん。何やねん。しゃあない。ここはしゃべれやん英語しかない。

 「フェン ドゥー ユー ウォント トゥー マイバラ?」

 全然意味がわからない顔をしてる。発音があかんのかな。もっかい聞くか。

 「フェン…?」

 「9時です。」

 って、意味通ってるやん。しかも、返事、日本語やん。俺、からかわれてるんかな。まあ、ええか。ともかく通じたし。相手も切符買えて喜んでるし、うんうん。って、ふと時計を見ると、僕が遅れてしまいそう。こりゃ、ダッシュやな。
どうにか新幹線に間に合った僕は尾道で商談をつつがなく終え、愛媛へ。

 商談を終え、さあ大阪へ帰ろうと駅に着いたら、ガッカリする事が待っていた。電車が行ったばっかりで、次に来るのは一時間後...田舎はこの一発があるから怖い。ちょっと、駅の周りを歩いてみる。20分くらい歩いただろうか。見事なまでに何も無い。結局、駅に戻って電車を待つことに。

 ようやく来た電車に乗って大阪に着いたら、六時を回ってた。ちょっと寄り道する事にする。っていっても駅の本屋に入るだけなんやけど。別に何を買うという訳でもなかったのだが、前から読みたいのが売っていたので、即購入する。

 その本は、こうの史代「夕凪の街 桜の国」

 ヒロシマをテーマにした少女漫画だ。ヒロシマの漫画といえば「はだしのゲン」。原爆が落ちた時の描写が強烈な作品だ。初めて見た時の衝撃は今でも忘れない。「夕凪の街 桜の国」にはそういうシーンはほとんど無い。だが、そんな描写を用いなくとも、しっかり伝わってくるものがこの作品には確かにある。いつのまにか心の中に出来ていた想い。平和を当たり前のものとし、戦争なんか海の向こうの事だろという想い。そんな想いをすっかり溶かす作品だった。

 朝からバタバタしたり、電車をずーっと待ったりで、何かちぐはぐやったけど、この本を読めたからいい一日やったなと思う。