ほほえましい光景

　『上級で学ぶ』に大統領が公園でジョギングをするのを日本人は「ほほえましいニュース」として受け止めたという内容が出てくるんですが、「ほほえましい」というのがどういう意味なのか、わかりにくいようです。そこで、最近、私が「ほほえましい」と思った、「心温まる」出来事を紹介したいと思います。

　実家から京都へ帰る電車の中での出来事です。紅葉のシーズンということもあり、電車はずっと込んでいました。私は電車の始発駅なので座ることができました。寝ていたのでいつからか気がつかなかったのですが、母親と５歳ぐらいの男の子が通路を挟んだ隣の一つの席に座っていました。男の子は（といってもまあまあ大きい）母親と向かい合わせの状態で抱っこされ、ぐっすりと寝ていました。多分、たくさん遊んで疲れていたのでしょう。

　大阪で多くの乗客の入れ替えが起こります。人が降りている間に、車両にいる人が席を埋めます。私の隣の席も空きました。詰めようかと思ったのですが、私は京都で降りるので、奥に詰めるのは面倒だなと思いながら、辺りを見回しました。すると、私の斜め後ろに、端正な顔立ちをした７歳か８歳か９歳かわかりませんが、小学生の男の子がずっと立っていたのに気が付きました。よく見ると、母親に抱っこされている男の子と同じジャンバーを着ています。兄弟だとすぐにわかりました。

　私が詰めれば、その子は隣の席（通路は挟むけれど）に座れるので、「座る？」と聞くと、その子はにっこりと笑いました。とてもかわいい笑顔でした。

　しかも、同じ京都で降りたのですが、その子は私にちゃんと挨拶をしてくれたのです。まだ小学生なのに！！きれいな顔をしていて、礼儀も正しい。しかも、弟思い！なんて素晴らしい子なんだ～。私が彼と同じクラスにいたら、絶対に好きになっているなと思いました。

　自分も疲れているのに、弟に席と母親を譲り、ちょっと横に詰めてくれただけのおばさんに、きちんと挨拶をする、きれいな顔立ちをした男の子、またどこかで会いたいものです＾＾

　お兄ちゃんが弟に席を譲って、ずっと立っているなんて、なんともほほえましい光景でした＾＾