森喜朗元首相が小沢一郎前幹事長に和解を持ちかけ、小沢政権樹立に向けての動きが活発化

2010年07月12日 14時29分17秒 | 政治
◆以前にも引用したが、西郷隆盛の言葉を収録した「南洲翁遺訓」(財団法人荘内南洲会刊)を再度引用しよう。「十三 租税を薄くして民を裕にするは、即ち国力を養成する也。故に国家多端にして財用の足らざるを苦しむとも、租税の定制を確守し、上を損して下を虐(しい)たげぬもの也。能く古今の事せきを見よ」
 為政者たる者は、経済景気政策により国民生活を裕にしなくてはならない。国家財政が苦しいからと言って、安易に国民に重税をかけてはならない。それよりも、国会議員をはじめ国家公務員が、俸給などを減らして、財政の健全化を図る必要があるという戒めである。明治4年ごろ、荘内藩士が西郷隆盛に直接会って教示された言葉である。民主党が今回の参院選挙で大敗したのは、最高権力者がである菅直人首相が、西郷隆盛の説くような基本的な戒めに反した行為をしたのが、最大の元凶となったということである。菅首相、仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長、玄葉光一郎政策調査会長(公務員制度改革担当相)らは、実に迂闊であり、幼稚だった。
◆さて、「衆参ねじれ現象」という菅首相にとって由々しき事態に陥っているなかで、菅首相から「しばらく静かにしておいて欲しい」と言われている小沢一郎前幹事長は、何をしているのであろうか。最新の取材結果を紹介しておこう。
 まず、自民党の森喜朗元首相が、小沢前幹事長に「昔からの仲間だから仲良くやろうや」と和解を持ちかけてきたという。小沢前幹事長は、参院選挙最終盤、北陸地方にいた。ところが、投票日に雲隠れしていたが、夜遅く東京に帰ってきた。石川県は、森元首相のお膝元である。
◆小沢前幹事長は、選挙結果を見て、菅首相、仙谷由人官房長官、前原誠司国土交通相、枝野幸男幹事長、玄葉光一郎政策調査会長(公務員制度改革担当相)ら「反小沢グループ」を見限り上機嫌、いよいよ水面下で次の一手を打ち始めている。民主党内で小沢前幹事長と行動を共にすることが確実な国会議員は、衆参合わせて180人といい、この180人が民主党を離党したら、菅政権はその瞬間に瓦解する。小沢前幹事長が180人を引き連れて、自民党に合流する。小沢前幹事長にとっては、もはや「大連立」という政党同士の利害を超えて、元の鞘に納まることになり、単純明快な復党である。自民党側は、何が何でも権力の座に返り咲きたいので、大歓迎し、小沢前幹事長を新総裁に選び、国会で新首相に指名する、という筋書きという。「政権を安定させて、国民生活を裕にする」という大義名分により大同団結するのである。
◆渡辺喜美代表の「みんなの党」は、森元首相の別働隊と言われており、自民党に復党する。もちろん、「国民新党」「たちあがれ日本」も揃って自民党に帰る。「たちあがれ日本」の与謝野馨元財務相は、再び財務相に就任する。「新党改革」の舛添要一代表も、この企てに参加させて欲しいと小沢前幹事長に申し込んできているという情報もある。
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民主党大敗北、菅直人首相と枝野幸男幹事長の2人は、責任追及され、小沢一郎前幹事長の大逆襲開始へ

2010年07月11日 22時19分52秒 | 政治
◆参院選挙は、予想通りの結果になった。私も、何度も指摘してきたように、菅直人首相の不用意な「消費税アップ発言」が災いした。せっかく、菅内閣支持率が60%を得ていたのに、自ら台無しにしてしまった。この責任は、菅首相と枝野幸男幹事長の2人が取らなくてはならない。当たり前のことである。
◆一難去ってまた一難が、菅首相を待ち構えている。沖縄県米軍普天間飛行場の辺野古への移設をいよいよ実行に移すのに工法などを8月末までに決めていく段になれば、菅政権は、失敗する危険がある。鳩山由紀夫前首相が難渋していたときに、副総理の立場にありながら「私は関与していない」とうそぶいていたその報いを受けることになるだろう。
◆次の主戦場は、9月末の代表選挙である。お盆時期にもかかわらず、小沢一郎前幹事長の大逆襲が始まり、民主党内での多数派工作が激化していく。小沢前幹事長は、自ら代表選挙に立候補しない場合、身代りに田中眞紀子元外相を担ぎ上げてくる可能性が大である。
◆田中眞紀子政権からさらに自民党の一部との大連立へと一気に向かうことも考えられる。そう言えば、田中眞紀子元外相は、色気十分であり、以前から「政界再編」を口走っていたのが思い出される。小沢前幹事長は、石川県に選挙応援に行ってから、プッツリと音沙汰がなく、雲隠れしているといい、いまごろは、石川県のどこかの温泉で次の策を練っているのかも知れない。
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ラジオ出演のお知らせ  (bayfm78.0 7月12日AM7:25頃)

2010年07月11日 09時22分13秒 | お知らせ
明日7月12日月曜日、千葉FMラジオ局ベイエフエムの朝の番組「POWER BAY MORNING」(5:00~8:51)に出演いたします。
お時間は、AM7:25頃から。

本日の参院選の結果と今後の政局について、ズバリ解説させていただきます。
そして「今日の注目記事」もお話しいたします。

板垣英憲マスコミ事務所

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野党党首根性の菅直人首相の下で、「イラ菅状態」に陥っている国民は「最大の不幸」

2010年07月10日 15時19分55秒 | 政治
◆「日本には、偉大な政治家はいないのか」と参院選挙の投開票日(7月7日)を控えて、短命政権を嘆いている人が少なくない。私は9日、東京・上野公園の文化会館会議室で開かれた国家と世界百年の計を推進する「竹の会」(大野正会長=元東京都立高校校長、河合喜久男最高顧問=元毎日新聞取締役)の月例会に講師として招かれ、「民主党政変 政界大再編~小沢一郎の大逆襲」(ごま書房新社刊の拙著と同名)との演題でお話をしてきた。
 「竹の会」は昭和56年に経団連の土光敏夫会長が自ら旗振りをして、併せて行動に踏み出して設立されたという。社会的・国際的に信頼される人材育成と会員相互の親睦を図ることを目的としている。初代会長・竹俣高敏(株式会社トキコ相談役)、二代会長・安藤富三(安藤コンサルタント)、三代会長・宮沢二郎(トッパンムーア会長)、四代会長・松代格三(元特許庁)、五代会長・河合喜久男(元毎日新聞取締役)の各氏が務めている。また、外交官の法眼晋作、元関東軍参謀の瀬島龍三、三井不動産社長の江戸英雄、ブリヂストンの石井公一郎、元衆院議員の岩国哲人ら各氏が講演している。
◆講演の後、出席者のなかから、「日本には、偉大な政治家はいないのか」との質問があり、
私は、「残念ながら、いません」とキッパリ応えた。その理由は「宰相の資質も能力もないのに、欲望だけで宰相になっているから」である。日本国民の最大の不幸は、日本には中曽根康弘首相を最後に大型の政治家が一人も育っていないところにある。また国民が大型政治家を育ててこなかったのも大きな理由の一つである。大型政治家の養成機関として期待された「松下政経塾」は、パナソニックの社員のようなどこから切っても同じ、金太郎飴のような小型の政治家しか輩出できていない。おそらくは、今世紀いっぱいは、絶望的な状況が続くであろう。
◆ともかく、菅首相が最大の不出来なのは、宰相の地位にありながら、依然として「野党党首」の域を出ていない。失言がよほど、怖いらしく、番記者を極力遠ざけようとしているのは、いただけない。最低の宰相である。イライラのイラ菅に戻っているのは、国民の精神衛生上、最悪の事態である。子供の精神状態が、親のそれに影響されることがよくあるように、いまの日本国民は、落ち着きがなく「イラ菅状態」なのである。国家最高権力者は、泰然自若としていなくてはならない。この意味で、菅首相は、「浩然の気」が少しも感じられず、国内に精神不安を撒き散らしている。これで「合格点」とはおこがましい。「空き缶」が軽いのは当然だから、「空き菅」が軽いのは仕方がないにしても、「君主、重からざれば威なし」(孔子)という言葉があるように、いつまでもアジテーターのままでは、国民が最大の不幸を背負うことになる。
◆もはや政治家には、大きな期待を寄せられないとすれば、国民一人一人が国家と世界百年の計を推進して行くしかない。「竹の会」は、志のある人は、だれでも参加できるそうである。「竹の会」事務局(小出哲也事務局長)の連絡先は、東京都杉並区高円寺南5-18-12 電話03(3312)7386 FAX03(5378)7150
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菅直人首相が、自己採点「十分合格点」とは、違和感がある

2010年07月09日 23時37分56秒 | 政治
◆「政権1か月 首相『十分合格点』-『日米』『口蹄疫』対応自賛」と読売新聞7月9日朝刊は、報じている。どこをどうとらえれば、合格点となるのかは、はっきりしない。菅首相も、相当にヤキが回ったというのは、確からしい。
◆菅直人首相は、就任以来、国民のために何か役立つことを行ってきたと問えば、何も思いもあたらない。それどころか、多くの紺民に犠牲を強いてきた。沖縄普天間基地移設問題にしても、菅首相には、未解決な要素が強い。それどころか、沖縄県民には、不確定要素が強すぎる。外交問題に躓けば、一巻の終わりである。
◆どこにも成果があがっていないのに合格と思うというのは、違和感がある。しかも、消費税アップは道理に合わない。
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岸信介元首相は「国家の興亡を己の任」とし「韓国、台湾の巻き添えになることは困る」と懸念していた

2010年07月08日 14時51分51秒 | 政治
◆外務省が7月7日、1960年の日米安全保障条約改定に関する外交文書などを公開した。このなかで、最も意外であり、感動的だったのは、岸元首相が「日本としては、米国と共に渦中に投ぜられることは覚悟しなければならないが、韓国、台湾の巻き添えになることは困る」と懸念を示していたという文書である。改定安保条約反対を叫ぶデモ隊が国会周辺に押しかけ、東大教養学部の学生だった樺美智子さんが、死亡するという惨事まで起きていた状況下で、当時の岸首相が、「米国の戦争に巻き込まれる」と叫んでいた学生たちと同じような気持ちを持っていたという証拠でもある。近年の歴代首相が、何かと「対米追従」の姿勢で日米外交を続けてきているのと比較すれば、格段の差がある。菅直人首相にしても、アメリカの顔色をうかがい、しかも、情けないことに、アメリカ最大の財閥であるデイビッド・ロックフェラーの強い求めに応じて、「消費税アップ」を国民に押し付けようとしているのである。
◆岸元首相は、「アメリカの傀儡「昭和の妖怪」などとさんざん悪口を言われてきたけれど、実は、財団法人協和協会が基本精神に掲げている岸元首相の書「以国家興亡為己任 置個人生死於度外」(国家の興亡を以って己の任と為し個人の生死を度外に置く)が如実に示しているように、岸元首相の国を思う心情が、外交文書にもあふれている。
岸信介元首相が設立した財団法人協和協会が主催している月例講話会に講師として招かれ、「民主党政変 政界大再編」というテーマでお話し、その際、岸元首相の偉大さを再認識していた矢先、外務省が外交文書などを公開した。これには個人的ながら、ある意味の因縁のようなものを感じさせられる。
◆というのは、岸元首相の長女洋子さんの夫・安倍晋太郎元外相(元官房長官、元通産相)は、毎日新聞社政治部出身で、最有力の首相候補者と目されて、竹下登と首相の座を争っていた。私は、安倍さんの官房長官番記者を担当し、安倍さんが通産相に就任していたときは、経済部から通産省虎ノ門クラブに配置された。当時の政治部長から「安倍さんは毎日新聞にとって大事な人だから、しっかり担当するように」と命じられていた。そのことを大臣室の安倍さんに打ち明けたところ、神妙な表情で聞いておられた。つい先日のことのように記憶している。
◆安倍さんはその後、外相に就任して、「全方位外交」を政策の機軸にして、精力的に海外出張していた。おそらくは、義父・岸元首相と同じような気概を持って外交を展開しようとされたに違いない。さらに安倍政権樹立に向けて、経済政策にも力を注ぎ、野村総研の協力を獲て「ニューグロウス」と題する「新経済成長戦略」まで準備していた。しかし、残念ながらリクルート疑獄事件に巻き込まれ、すい臓がんにも祟られて、志半ばにしてあえなく他界してしまった。その父の遺志を受け継いだのが、安倍晋三首相であった。ブッシュ米大統領に脅されて、神経質になり、もともと弱い胃腸がダメージを受けて、政権を途中で投げ出さざるを得なかった。これもまた残念なことであった。
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民主党大敗北を予想して、野田佳彦財務相が小沢チルドレン引き抜き工作を密かに進めているという

2010年07月07日 20時34分24秒 | 政治
◆共同通信社が7月4~6日の3日間に行った参院選挙についての電話世論調査の結果を配信された地方各紙が7日付け朝刊で報道している。取材も加味した終盤情勢は、以下の通りである。「与党の過半数に必要な56議席を得るのは厳しい状況となった。これに対し、自民党は、46議席ほどを確保しそうだという。第3勢力のみんなの党は、ゼロから9議席ほどに伸びる」
◆選挙結果は、フタを開けてみないとわからない。だが、この報道は、菅直人首相、枝野幸男幹事長ら民主党主流派に大きな衝撃を与えているようである。とくに「イラ菅」が本当にイラついてきているといい、菅首相がカリカリしているらしい。それは、民主党敗北後の対応に、早くも苦慮しているからとも言える。
◆菅首相のカリカリを知った野田佳彦財務相が、先手を打って、小沢チルドレン引き抜き工作を密かに進めているという。すなわち、小沢一郎前幹事長の「大逆襲」を想定して、小沢派議員(衆院130人、参院37人)に対する「切り崩し工作」を進めていると言われている。小沢前幹事長の行くところ、どこへでもついて行く小沢親衛隊(一新会=衆院19人、参院23人)を切り崩すのは至難の業としても、昨年夏の総選挙で初当選してきた新人110人は、小沢前幹事長に対する忠誠心は堅くないとみて、引き抜き易いと判断しているのであろう。ただし、野田財務相が、新人たちをからめ捕らえることができても、次期総選挙に向けて、物心ともにどこまで面倒を見ることができるかとなると、はなはだ心もとないところは、最大の弱みである。小沢派の新人たちの大半が、当選するまでの間、小沢前幹事長から「餓死させない」として生活面で相当面倒を見てもらい、選挙運動の具体的仕方まで教育を受けてきているので、これらの「師弟関係」を突き崩すのは、これまた至難の業である。しかも、小沢派だけに限らず、羽田孜元首相の「羽田派」や横路孝弘衆院議長の「横路派」などの他派閥が、小沢前幹事長に従う可能性が大である。そればかりか、小沢前幹事長が、すでに主流派に手を突っ込み、多数派工作に着手していると見られており、民主党内は、参院選挙を待たずに、雪崩れを打って分裂に向かっている。
◆かたや自民党側では、民主党分裂を見越して、再結束の動きを強めている。自民党を離党した「たちあがれ日本」の与謝野馨元財務相や平沼赳夫元経済産業相らに加えて、「みんなの党」の渡辺喜美元行政改革担当相ら、いわゆる「家出組」が復党、つまりは「元の鞘」に納まり、民主党から分裂してくる小沢派、羽田派、横路派などと、公明党の市川雄一派が思い切って大合流し、心機一転、新しい自民党として再スタートすることになる。何のことはない、かつて「55年体制」の下で対立した「自民党VS社会党」が、一まとめになるという不可思議な大政党ができ上がるのである。これに対して、民主党主流派の中核である菅首相らは、これも一転して「左翼色」を濃厚にして、自民党と対立する政党として生きて行くことになる。こうしたなかで、小沢前幹事長が期待してきた前原誠司国土交通相の去就が注目されているという。
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菅直人首相、枝野幸男幹事長らが選挙後の連携視野に第3極へ秋波を送るのは、敵前逃亡に等しい

2010年07月06日 13時40分09秒 | 政治
◆「参院選2010 民主 第3極へ秋波-選挙後の連携視野」(読売新聞7月6日付け朝刊4面)、「菅がたくらむ一石二鳥「『11月総選挙』-次は『問答無用解散』だ」(サンデー毎日7月18日号)などと新聞、週刊誌は賑やかである。どれもこれも現在の民主党の分裂選挙を計算外においている。もちろん、一番勘違いしているのは、マスコミよりも菅直人首相、枝野幸男幹事長であることが、余計な混乱と憶測を招いている。
◆民主党の反主流派である小沢派とこれに同調する派閥が、参院選挙後、何も言わずに黙って菅直人首相、枝野幸男幹事長らに従っていくことが確実であるのならともかく、そんな生易しいものではない少なくとも小沢派が、ごっそり民主党から抜けたらどうなるか。民主党衆院議員は307人のうち小沢派は130人(42・3%)、参院議員は選挙後増減するが、改選前は116人のうち小沢派は37人(31・9%)という勢力を保有しているので、全員が小沢一郎前幹事長に従うとは限らないものの、民主党が分裂すれば、菅政権はたちまち瓦解してしまう。いきなり分列しないとしても、9月末の代表選挙で菅首相が再選されるという保証は何もない。
◆仮に菅首相が再選されたとして、「菅がたくらむ一石二鳥「『11月総選挙』-次は『問答無用解散』だ」というように、菅首相が決断し、伝家の宝刀を抜けるかといえば、空想にはあり得ても、現実は自殺行為になる。衆院議員142人が、一年生議員(100人近くは、小沢派)である。よほど頑張らなくては再選は難しい。それは「小泉チルドレン」の惨状を見れば明らかである。菅首相が小沢派を減らそうと意図して、現実に思い通りになったとしても、返り血を浴びて、民主党が過半数割れして、菅政権は、瞬く間に潰れてしまうだろう。
◆つまり、菅直人首相、枝野幸男幹事長ら主流派は、消費税アップなどの政策論議にかまけて、参院選挙後の政局にまったくと言っていいほど、ノー天気に見える。それは、連立与党の国民新党はもとより第3極勢力を目指している小政党に対して、実に「非礼」の限りを尽くしているからである。たとえ小なりと言えども、それぞれの党首は、いずれも一国一城の主である。枝野幹事長は、「大政党の懐の深さを示す」という姿勢で、「秋波」を送っている。しかし、これは傲慢というものである。しかし、それ以前に参院選の真っ最中であり、全国各地で候補者がドンパチ、死闘を繰り返している最中に、最高指揮官が負け戦に尻込みして、敵前逃亡するかのような発言をしたのでは、士気が粗相してしまう。とくに「みんなの党」などと戦っている候補者にとっては、最高指揮官の手で背後から鉄砲の弾を打ち込まれるようなものである。「連立」を前提とした発言は、まだ早いのである。
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菅直人首相は、「ギリシャのようになる」と危機を煽らず、ヘッジファンドへの「空売り規制」を米国に求めよ

2010年07月05日 16時45分10秒 | 政治
◆NHK総合テレビが7月2日(金) 午後10時から10時49分の間、「狙われた国債~ギリシャ発・世界への衝撃」というタイトルで、ギリシャの財政破綻問題を機に、一気に吹き出した「国債」の危機について取り上げ、この問題の本質をみごとに解明してくれていたのには、感動した。進行は、「その時歴史が動いた」で高名を馳せた松平定知キャスターが担当、「リーマンショック」で明らかにされた「強欲なマネー資本主義」に続き、現在進行中の事件でありながら、さながら壮大な歴史ドラマを見るようで圧巻だった。まずは、この番組の概要を引用しておこう。
「それはギリシャだけの問題でもヨーロッパだけの問題でもない。マネー資本主義に成長を委ねざるを得ない世界経済の根本が、今まさに問われている。2年前大手投資銀行リーマンブラザーズの破綻で始まった金融危機。奈落の底に落ちるのを防ぐため世界の国々は巨額の公的資金をつぎ込み、そのリスクを『国家のリスク』として引き受けた。しかしそれによって蘇ったマネーは今、あろうことかその『国家のリスク』を揺さぶり、巨額の利益を引き出し始めている。CDSと呼ばれる複雑な金融商品も操りながら行われる、国債へのマネーの攻撃。ギリシャだけでなくポルトガル、スペインといった同じユーロを通貨とし、深刻な財政赤字を抱える国々は危機感を募らせている。巨額の国債発行に財政を依存する日本もこの問題と無縁ではない。震源となったギリシャ、対策に奔走するドイツやEU各国、ニューヨーク・ウォール街のヘッジファンドなど現場を同時進行で追いながら、問題の本質と、我々が直面する危険な状況を明らかにしていく」
◆CDSとは、クレジット・デフォルト・スワップ (Credit default swap) というのは、クレジットデリバティブの一種で、債権自体を移転することなく信用リスクのみを移転する取引である。最も取引が盛んなクレジットデリバティブのひとつ。銀行の自己資本比率を高める対策の一環として利用されるケースも多いという。番組では、ヘッジファンドがこのCDSが高騰するのを見越して低い価格のときに大量に買い込み、高値で売り逃げるばかりか、暴落を予想して「空売り」も浴びせつつ、巨利を得て、国債を紙くず同然にし、ギリシャなど国家を破滅に追い込むカラクリを丁寧に分析、解説していた。
◆ヘッジファンドは、かつて名うての投機家、ジョージ・ソロスがポンドを売り浴びせてイングランド銀行を倒産の危機に追い込んで有名になった。その後、タイ、インドネシア、フィリピン、香港、韓国などに通貨攻撃して、国家倒産の危機をもたらした。アジア通貨危機である。しかし、リーマンショックの際は、ゴールドマンサッククス社が「サブプライムローンが組み込まれた証券」を保有していながら、その大半が「空売りの権利付き証券」であったことから大儲けし、決算において史上最高利益を手にしたケースを例外に、大半のヘッジファンドが巨額の損失を出して存続の淵に立たされた。だが、ヘッジファンドは、ギリシャのような他国からの巨額の借金を抱えて赤字財政に苦しむ状況下、国債市場が「歪み」を起こしているところを見つけて、マネー攻撃を浴びせて、再び息を吹き返したのである。
 ところで、こうした国家までも危機に陥れるヘッジファンドの横暴を許し、放置していてよいのかという大問題がある。自由主義経済体制の下で強欲なマネー資本主義が許されているとはいえ、国家を倒産に追い込む自由までは許されていないはずである。それは自由主義経済体制そのものを破壊させてしまう危険があるからである。このことは、先進国首脳会議(G8)などで議論され、相応の対策、たとえば、「空売り規制」などの措置が講じられるべきであった。だが、EUなどが規制に賛成しているのに対して、米国が猛烈に反対しなかなか実現できないでいる。
◆菅直人首相は、「ギリシャのようになっていけない。そのためには、消費税アップが必要だ」と声高に喧伝しているけれど、いくら消費税をアップしたところで、獰猛なヘッジファンドに睨まれたら、ひとたまりもない。その意味で、消費税アップを叫ぶよりも、むしろ米国に対して「空売り規制」などの措置を講じるよう強く要求することの方が、先決である。
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参院選挙後、小沢一郎前幹事長の大逆襲が始まる

2010年07月04日 17時49分44秒 | 政治
◆民主党の小沢一郎前幹事長が、参院選挙運動が終盤に近付くにつれて、菅直人首相ら主流派との対決姿勢を強めている。小沢前幹事長は、選挙の結果、菅首相が掲げた「54議席」に届かず、事実上の敗北となった場合、菅首相ら主流派の責任を追及して、退陣を迫り、9月末の代表選挙に立候補して、自らの政権樹立に向かう構えだ。「54議席」以上を獲得し勝利した場合、小沢派を率いて離党し、自民党の一部や他党と連立して、新政権を樹立するという。いずれにしても、参院選挙後は、小沢前幹事長の「大逆襲」が始まる。
◆菅首相らの主流派は、菅政権があくまでも9月末の代表選挙までのいわゆる「選挙管理内閣」にすぎないことを忘れている。小沢前幹事長は、早くから「ポスト鳩山」を言っていたのであり、代表選挙を無投票にもできた。しかし、それでは民主的ではないとの考えから候補者を擁立させて自主投票にしている。これはあくまで演出であった。従って「選挙管理内閣」であれば、消費税アップといった大きな政策課題を打ち上げても、9月末の代表選挙の結果、新しく本格政権が誕生すれば、元も子もないにもかかわらず、いかにも長期安定政権になりそうに見せかけている。これは、大いなる錯覚である。
◆そこで、注目しなくてはならないのは、小沢前幹事長の息のかかった候補者が、選挙の結果、何人当選できるかである。前回参院選挙では、小沢派が増殖しており、今回の参院選挙で小沢派が増えれば、民主党は、参院議員に大きく振り回されることになる。法案が衆院を通過できても、参院で否決されれば成立しないからである。国会運営には、老獪な政治家が求められる所以である。
◆菅首相と仙谷由人官房長官らは、早速、普天間飛行場移設先である辺野古での滑走路建設の工法、着工時期などを決めなくてはならず、それには前提として沖縄県知事の許可を得なくてはならない。その際、反対住民と工事関係者、あるいは警官隊とが、激しくぶつかる恐れがある。ヘタをすれば、市民派首相が、反対住民を弾圧するという皮肉な結果を招きかねない。さらに、夏休み期間中、小沢前幹事長が、次の一手を考え、かたや菅首相側では、小沢派切り崩し工作に必死となる光景を見せつけられることになるかも知れない。
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