初夏の風に乗って、遠い日に過ごした町にタイムスリップ。
畑の南にあった山桜、久しく訪れていないが今年も多くの
花を付けたのだろう。
母が自家用の野菜をせっせと育てている。泊まりこみの山仕事に
出かけている父の留守を守り、食べ盛りの私たち姉兄弟の為に。
愚痴の一つもこぼさず、毎日、精を出す。
ため息の一つも付きたかっただろうにと今想う。
ひたすら日々を山裾を駆けずり回っていた頃が眩しい。
母の様に、我は二人の娘に想いを抱かせたのか。
甚だ心もとない。
合掌