空飛ぶ教授のY日記の 8/17 に,「生態学専門書の危機」という記事がある.
確かに,若い世代の「可処分所得」の配分が,昔とはちがっていて「通信費」の比率が大幅に上がった分,他の費目は圧迫を受けていることは間違いない.しかしそれだけが問題ではなはずだ.
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大学院生やポスドクは増えているはずなのに、いったいどうして売れないのだろう。日本生態学会大会で書籍を出店しても、かつての半分くらいしか売れないそうだ。どうやら、学生は本を買わなくなっているらしい。
思い当たるふしがなくはない。最近では、研究の進歩が早いので、勉強することがたくさんある。大学院生やポスドクは、自分の研究テーマに直接関係のある論文を読むのに忙しくて、少し専門から離れた本を読むゆとりがないのかもしれない。
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とあるが,これは,その学問分野そのものや,大学/大学院での指導方法にも問題があるのではないだろうか?
私の専門の一つである,ITの分野,コンピュータ,ソフトウェア,ネットワークなどの分野では,とても変化が激しい.書籍,論文,雑誌の前に,最新情報はいつもInternet上にある.しかし,重要な分野,注目されている分野では,新しい話題の教科書,参考書は,原書,翻訳,和書の書き下ろしに関わらず,ちゃんと売れている.分野によっては,ソフトウェアの販売よりも「儲かっている」本屋もある.
私は,一部の教育の現場で「ストックとなるような整理された知識はWebの情報や論文だけでは充分に得られない」ということがちゃんと浸透していおらず,そのことが専門書の売上低下の大きな原因であると考えている.
どんなに,変化の激しい分野でも,「外せない専門書」の数が増えることはあっても減ることはないはずだ.
また,「自分の研究テーマに直接関係のある論文を読むのに忙しくて」というのは,フローをおいかけているという意味でもある.そのような,フローの知識は,2-3年で陳腐化してしまう.
そもそも,先生方そのものが,「他人の書いた日本語の専門書」をちゃんと買って,読んでいるのだろうか?先生方が,論文や洋書の教科書だけを読んでいては,「(日本語の)専門書を読もう」という指導そのものが説得力がない.
もちろん,上述の話しとは別に,生物学関連の分野の中で「生態学」という学問そのものが,廃れて来ているという可能性もあるかもしれない.
確かに,若い世代の「可処分所得」の配分が,昔とはちがっていて「通信費」の比率が大幅に上がった分,他の費目は圧迫を受けていることは間違いない.しかしそれだけが問題ではなはずだ.
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大学院生やポスドクは増えているはずなのに、いったいどうして売れないのだろう。日本生態学会大会で書籍を出店しても、かつての半分くらいしか売れないそうだ。どうやら、学生は本を買わなくなっているらしい。
思い当たるふしがなくはない。最近では、研究の進歩が早いので、勉強することがたくさんある。大学院生やポスドクは、自分の研究テーマに直接関係のある論文を読むのに忙しくて、少し専門から離れた本を読むゆとりがないのかもしれない。
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とあるが,これは,その学問分野そのものや,大学/大学院での指導方法にも問題があるのではないだろうか?
私の専門の一つである,ITの分野,コンピュータ,ソフトウェア,ネットワークなどの分野では,とても変化が激しい.書籍,論文,雑誌の前に,最新情報はいつもInternet上にある.しかし,重要な分野,注目されている分野では,新しい話題の教科書,参考書は,原書,翻訳,和書の書き下ろしに関わらず,ちゃんと売れている.分野によっては,ソフトウェアの販売よりも「儲かっている」本屋もある.
私は,一部の教育の現場で「ストックとなるような整理された知識はWebの情報や論文だけでは充分に得られない」ということがちゃんと浸透していおらず,そのことが専門書の売上低下の大きな原因であると考えている.
どんなに,変化の激しい分野でも,「外せない専門書」の数が増えることはあっても減ることはないはずだ.
また,「自分の研究テーマに直接関係のある論文を読むのに忙しくて」というのは,フローをおいかけているという意味でもある.そのような,フローの知識は,2-3年で陳腐化してしまう.
そもそも,先生方そのものが,「他人の書いた日本語の専門書」をちゃんと買って,読んでいるのだろうか?先生方が,論文や洋書の教科書だけを読んでいては,「(日本語の)専門書を読もう」という指導そのものが説得力がない.
もちろん,上述の話しとは別に,生物学関連の分野の中で「生態学」という学問そのものが,廃れて来ているという可能性もあるかもしれない.