やねうら日記

~日常の中にある幸福

新宗教ビジネス

2012年03月19日 | 
2012 BOOKS 6 ◆

「新宗教ビジネス 」 島田 裕巳

非常に面白い本だった。
新宗教を「悪」という前提なしに論じているところに公平さを感じる。オウム真理教以降、「新宗教は悪」であり、で、どうなっていったのかの切り口が多くちょっと食傷気味だった。この本は宗教のビジネスモデルに絞って、主題が明確で示唆も多かった。


まとめの部分が印象的だった。
宗教は金余りで堕落、没落していく。創価学会は金余りしないシステムを作り上げている。従って、分派も内紛もない。<なるほど>
金余りを解消すべき役割は宗教が担ってきた。金余りが生じると、遙か昔から立派な宗教施設(お寺や神社だ)を建立していった。<なるほど>
次の金余りの解消方法は戦争だ。戦争で莫大な軍事費を消費していく。<なるほど>
でも今は、宗教でも戦争でもない。投機だ。投機で金余りを解消していく。<なるほど>

投機や戦争で解消していくより、宗教の方がよっぽど健全でまともな気がした。少なくとも、救われる人もいるのだ。

宗教の教義や意味より、宗教の成り立ちや存在意義が面白い。カルトのワイドショー的な側面も井戸端的に興味深いが。