やねうら日記

~日常の中にある幸福

◆『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』

2016年04月27日 | 映画
◆2016 MOVIES2◆

『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』 2016 遠藤ミチロウ

僕が初めて憧れた男、遠藤ミチロウの初監督映画作品。もうミチロウとは30年以上の付き合いになる。明後日までの公開ということで、会社をフレックスで早く上がって、京都へ見に行った。廃校を改造したとてもおどろおどろしい映画館だった。


福島県出身のミチロウは、東日本大震災、そして福島原発の事故に特別な思いもあるのだろう。震災直前から数か月のドキュメンタリー映画だった。
映画としてはまとまりがなく、作品という感じはなかったが、それを差し引いても目を見張る圧倒的な映画だった。エンディングロールが流れると立って拍手したいぐらいだった。
60歳を超えた男の生き様を見て、生きるとは何だろう、幸せとはなんだろう、生きる意義とはなんだろうと思わずにはいられない。


今思えば、ということだが、まだ僕が若く幼い頃、生き方には「かっこいい人生」と「かっこ悪い人生」に分けられると思っていた(ように思う)。もちろんかっこいい人生を歩みたいと。でも40を越えてぐらいからこの2択にひとつ追加された。「どうでもいい人生」だ。そして「どうでもいい人生」を選択することになる。
かっこいい人生とは、夢中になれること、誇れること、自分に納得できること、他人の評価より自分の評価を優先すること。今、どれからも遠い。いつからか、それに対し嫌悪感や挫折感も薄れてしまった。「どうでもいい人生」
線を引き直せ、まだまだやれる。そんなふうに思った。