はじめに
初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。
既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。
2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて、俳句集「花鳥風月」と名付ける。
おでん、露 2007年11月06日
赤空に露風の蜻蛉追ひにけり
様々な悩みをつつきおでん鍋
露國(ろしあ)語と聞きつ掻き込むイクラ飯
NHKBS俳句大会に兄の協力(FAXが無い)を得て投稿したが、当然のごと惨敗。
全投稿数千枚、短時間撰句とならば目立たないとと童謡赤とんぼの作詞三木露風、ロシアの露など姑息な手段に出た。題「おでん」はさておき、「紅葉」、「露」は万葉集時代から歌われており新鮮味を感じるネタが思い浮かばなかった。
「おひ」は歌詞の負ひと追ひの懸詞
イクラはすっかり日本食になっているが語源は魚卵のロシア語。
よくサイトの質問コーナーでイクラがゴムマリの様に固いから偽物だと断言する方がおられますが、川の激流の中に産み落とされる卵が柔らかく破け易かったら何にもなりません。
確か過熟卵といって本物です。
蛇足ですが。
酉の市に時雨て 2007年11月11日
時雨けり
言い訳作り
雨宿り
浅草の場外で馬券を買い、酉の市があるので、ちょっと覗いて行こうと思い、人混の中を掻き分けていたら、突然の雨。
しょうがないので祭の臨時テントに駆け込み、煮込みで熱燗。
馬は駆けてくれなかったが、これも時雨の風情か…。
ロクデナシ
我が名呼ばれん
初しぐれ
時雨落葉 2007年12月24日
しぐれ跡階段を登った
あはれ
雨上がりの午後後楽園を散歩した。
落ち葉が、時雨に打たれて落ちたのか、今朝は掃除していないからか、来園者が少なく歩いた跡が無く、微妙に良い具合で敷き詰めてあった。
あはれとは、この様な事をいうのだろう。ちょっと滑り易かったが
初詣 2008年01月02日
欲のかは風に列びて初まうで
寒い中近くの神社に二日だから空いているだろうと詣でたが、長蛇の列。
後ろの家族が
子「何でこんなに列んでんの?」
親「願いごとがいっぱいあるからだよ」
子「家内安全だけで良いじゃん。欲の皮がつっぱってるな~」
言われてみればそうだな。この寒い中私も列んでいるのだから。
ちょっと最初にしては川柳ぽい。
上野駅 2008年01月14日
停車場の
時間を潰す厚コート
博物館で国宝を見た後、上野駅前の聚楽に入る。
啄木に敬意を示して古臭い詞を使ってみた。
季語がしっくりとこないので推敲の必要がありますがとりあえず。
今の携帯写真は色んな効果が使える。
白黒かセピアか迷ったが、聚楽には色鉛筆が似合う。隣の階段では、古くから似顔絵書きがいるので。
しかし聚楽の雰囲気は、何十年と変わっていない。
伝西行筆展 2008年02月24日
西行のすむ心にか春あらし
出光美術館の「西行の仮名」展を見て来ました。
西行真筆の国宝 1182年寿永元年三月成立の、一品経和歌懐紙も見、その他寂蓮、俊成、頼政、寂然、寂超、長明、定家らの書など。
断片ですが、散逸した兼実右大臣家百首も見られました。
そして俵屋宗達画「西行物語絵巻」もあり、知らない西住を試す話やちょっと脚色されているところなどあり楽しかったです。
それにしてもひどい嵐だ。
そんな嵐にも負けないで、帝劇で列んで待っている女の子達には敬服する。
読めもしないのに、又本を買ってしまうのも意地だからか…。
蛇足注
すむは西行が愛した月の澄むと住むの掛けています。
伝西行筆展2 2008年02月26日
冴え返るかぜ吹く中のかこち顔
なげけとて月やは物を思はするかこち顔なる我が涙かな(千載集 恋五 929 西行)
月前の恋という百人一首の歌の本歌取です。
託ち顔とは、恨めしそうな顔という事で、この風で梅の花が散って恨めしいと言う意味より、今冬何回目かの風邪を引き恨めしいと俳諧味の句です。歳を取ると風邪が引きやすく、治りにくいと聞いていたのですが、本当ですね。
定家は、西行の恋の歌を採ったのは不思議な気がします。
遁世者としての歌の方が似合いますから。
化粧 2008年02月29日
化粧といふ字が書けない
........春あらし
今日は気の重い案件がある。
上手く自分の心をコントロールできるだろうか?
心の化粧を常に心掛け、醜い自分の素顔は他人には見せたくない。
先週の春一番で梅の花は散ったのだろうか?
老梅 2008年03月02日
老木に一輪付いて水ぬるむ
茶屋の老木の梅が咲き初めました。
風はまださむいが、小川に柔らかな春日が反射しています。
袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つ今日の風やとくらむ
(古今 春上 2 紀貫之)
をふと思い出して。
六義園にて
句は古臭いですね。きっと同じ句を作った人はいますね。きっと。
マスク 2008年03月16日
人々のマスクの中に涙かな
マスクは冬の季語だそうですが、春の季語と言ってもおかしく無いほど沢山の人が花粉に苦しんでいます。
春という素敵な季節もこの病のため憂っとおしい嫌いなものとなってしまいました。
ふと繁華街に出てみてすごい事に気が付きました。
普段電車に乗っていると約3割以上の人がマスクを付けていますが、街にはマスクを付けた人がいない。つまりこんな晴れた日には町に出ていないという事。この経済損出はいかほどかと想像出来ません。3割以上が休日を楽しめず家の中にいるのですから。いずれエアシャワー空気清浄機付きの喫茶店が出ても可笑しく無いでしょう。
スギだけの責任では無いのですが。
夢二 2008年05月01日
新宿で夢二を買ふて春惜しみ
新宿の場末の古本屋で夢二の本を買って帰ります
あと一合のさけを買って帰ります
推敲
新宿で夢二を買ふて帰ります
注:「買ふて」を「こ~ぅて」と読んでください。夢二に西日本の訛りのイメージがありましたので。
夢二だけで余韻があり、季語の必要がありません
これをピカソ、漱石、新宿を神田、上野に変えたら違うイメージになってしまいました
季語とは何でしょうか?
座の共通認識の為に季語があるとすれば、夢二の美人画を思い浮ぶでしょうから、無季でと思います。
松尾芭蕉も必要ないと言っていました。
多摩森林科学園 2008年05月05日
葉桜をしるべに歩む迷ひ道
八王子市高尾駅から徒歩で10分の多摩森林科学園には、桜の品種約250種の保存林があるというので、野性種やソメイヨシノ以外の品種の開花時期を調べに行って参りました。
当然葉桜で、ナラノヤエザクラ1本だけ散っていました。
これが
いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな
で伊勢大輔が受け取ったものかと感心しました。
地図には品種名、木の下には品種名の看板があり、道に迷いそうな時は、それで確認と自然を満喫しました。
ラムネ 2008年06月01日
ラムネ玉
いつたりきたり
ひるさがり
浅草の帰りに向島百花園でラムネを飲む。
梅雨前のこの時期の午後はゆっくりしていて、とても好きです。
燕 2008年06月16日
草を刈るごとくに低くツバメ飛ぶ
ツバメが低く、まるで原っぱの草を刈るような飛行をしていた。
写真はとても早く捕られられなかった。
俳句の世界では、「ごとく」は慎重に使わなければならないと書いてありました。
別名「ごとく病」と言うそうです。
すぐ発想できるのは、使わないとすべきですかね。まあ悪い例としておきます。