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新古今和歌集の部屋

式子内親王集 雖入勅撰不見家集歌 続千載 続後拾遺 風雅 新千載 新拾遺 新後拾遺 新続古今

361 花を待つ面影見ゆる曙は四方の梢に薫る白雲
はなをまつおもかけみゆるあけほのはよものこすゑにかをるしらくも 続千載

362 荒れにけり伏見の里の浅茅原虚しき露の掛かる袖かな
あれにけるふしみのさとのあさちはらむなしきつゆのかかるそてかな 続千載

363 冬来ては幾日になりぬ槙の屋に木の葉時雨の絶ゆる夜ぞ無き
ふゆきてはいくかになりぬまきのやにこのはしくれのたゆるよそなき 続後拾遺

364 寂しさは慣れぬる物ぞ柴の戸を甚くな訪ひぞ峰の木枯らし
さひしさはなれぬるものそしはのとをいたくなとひそみねのこからし 続後拾遺

365 打ち払ひ小野の浅茅に刈る草の茂みが下に鶉立つなり
うちはらひをののあさちにかるくさのしけみかすゑにうつらたつなり 風雅集 重複 しけみかすゑに→269しけみかしたに

366 著きかな浅茅色付く庭の面に人目枯るべき冬の近さは
しるきかなあさちいろつくにはのおもにひとめかるへきふゆのちかさは  252重複

367 山風は峰の木の葉に競ひつつ雲より降ろす小牡鹿の声
やまかせはみねのこのはにきほひつつくもよりおろすさをしかのこゑ 風雅集 初句のみ異なる重複

368 君故に始めも果ても限りなき浮き世を廻る身とも成りなむ
きみゆゑやはしめもはてもかきりなきうきよをめくるみともなりなむ 新千載集

369 我の身は哀れとも言はじ誰も見よ夕露掛かる大和撫子
われのみはあはれともいはしたれもみよゆふつゆかかるやまとなてしこ 新拾遺

370 我が宿の籬に籠むる秋の色をさながら霜に知られずもがな
わかやとのまかきにこむるあきのいろをさなからしもにしられすもかな 新拾遺

371 玉の井の氷の上に見ぬ人や月をば秋の物と言ひけむ
たまのゐのこほりのうへにみぬひとやつきをはあきのものといひけむ 新後拾遺

372 自づから逢ふ人有らば言伝よ宇津の山辺を越え侘びぬとも
おのつからあふひとあらはことつてようつのやまへをこえわひぬとも 新後拾遺

373 眺むれば見ぬ古の春までも面影薫る宿の梅枝
なかむれはみぬいにしへのはるまてもおもかけかをるやとのむめかえ 新続古今

374 此も又有りて無き世と思ふをぞ憂き折節の慰めにする
これもまたありてなきよとおもふをそうきをりふしのなくさめにする 新続古今

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