シベリア北東のコリマ川の永久凍土で、4万6千年間にわたり「クリプトビオシス」(cryptobiosis)と呼ばれる仮死状態で過ごしたとみられる線虫が、
発見時には全く代謝が検出できない状態だったのが、シャーレのうえで動き出し、みごとに復活したことを
ドイツやロシアなどの研究チームが発表したとの驚くべきニュースが報じられました。
動き出した線虫は単為生殖で増えるため、次々に繁殖をくり返して、100世代以上もの繁殖に成功し、数千匹に増えたとのこと。
DNAの解析から新種であることも判明し、「パナグロライムス・コリマエンシス」(Panagrolaimus kolymaensis)と名づけられたとのことです。
もちろん、水や酸素がなかったり、極端な温度にさらされたりする厳しい環境になると、長期間にわたり仮死状態になって耐える生物は、
これまでもクマムシやワムシなどが知られていますが、今回の線虫の仮死状態の期間ははるかに長いとのことです。
脊椎動物が背側迷走神経複合体で行なう不動化の反応の、無脊椎動物における極限的な形での表現ということができましょう。
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