「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

前園さんの言うとおり♪♪~

2014年12月26日 21時50分51秒 | テレビ番組
前園真聖さん、そう、1996年のアトランタ五輪に日本代表を導いた歴史的主人公。
その前園さんが、飲酒がらみの不祥事で、テレビのスポーツキャスターの仕事をすべて棒に振ったのが1年ちょっと前。

その時、私は、2013年10月14日の書き込みで「前園さんに届け、この激励メッセージよ」というタイトルをつけ、前園さんの捲土重来をお待ちしてますよ、というメッセージを送った。

特に、テレビの仕事を再開できる時は、必ず「さんざんいじられますよ」と、以下のような予測を立てておいた。

「メディアに呼ばれるとしたら、最初は、さんざん、いじられるバラエティだと思えばいい。あなたが、これまであまり経験がない「バラエティ」というジャンルは、人生で失敗したひとをトコトン弄ぶことを、驚くほど得意にしているから、いまのうちから、さんざん弄ばれ、いじられた時の自分のリアクションやコメントを考えておくといい。そういったことは事務所仲間にもアドバイスしてくれる人がいるに違いない。」

案の定、前園さんは、お笑いの大御所への階段を着々と上っている松本人志さんの「ワイドナショー」という番組に使ってもらっていた。

この番組に前園さんが出ていることを知ったのは、2014年11月9日の朝刊テレビ欄の「ワイドナショー」のところに「前園指原滝行に独占密着」という項目を発見したからだ。

私自身、この新聞の項目だけでは、なんのことかチンプンカンプンだったし、この番組をご存じない方のために、見てわかったことをご報告すると、指原というのはAKB48で人気タレントだった指原莉乃さん、この人が滝に打たれる滝行に挑戦するということで前園さんがレポーターとして派遣された様子が放送されたということだった。

番組では、松本人志さんをはじめコメンテーターの人たちが「結局、指原がソフトバンクのCM撮影するのに、うちの番組がまんまと利用された」と息巻いていたが、前園さんも出演者たちから「そんなことのためにわざわざレポートに行ったの?」という具合に、さんざん、いじられるハメになった。

そういう中で前園さんは、テキトーなトークでかわすといった、お笑い芸人のようなリアクションは無理なので、ただジーッと、いじり言葉の連打を浴びっぱなし。

ただ、救いは、前園さんの目が、アトランタ五輪の頃と全く変わりない、ギラギラと見据えるような生きた目つきだったことだ。

前園さんは、卑屈にもならず、かといって反抗的でもなく、ただ、ただ無心に番組に取り組んでいたように見えた。

番組でも話題になっていたが、前園さんは少年サッカー教室などの仕事を順調にこなしているようで、スポーツキャスターへの復帰も近いように思った。

その番組を見ながら私は、何かで躓いたタレントがメディア復帰を望む場合には、その儀式として、どうしたってバラエティ番組でのいじられ経験が避けられないんだなと、あらためて、ため息まじりに感じた。

それから、前園さんの目を見ていて、もう一つ思ったのは「これから先、日本サッカーが新たな歴史を作っていくとしたら、この前園さんのような『強い意思』を宿した目つきを持った選手がいる時だろう」ということだ。

1996年3月、日本サッカーとして24年ぶりとなるアトランタ五輪出場を決めた試合、ヒーローインタビューで見せた前園選手の、あのキラキラとした目つきは忘れられない。この戦いを勝ち抜く、何としても勝ってみせるという、誰よりも強い気持ちを持って試合に臨んだ選手の顔はこういう顔なんだと、私たちに見せてくれた、あの顔。

あの時以来、私は、あのような強烈な意思を宿した目をした選手に、まだ出会っていない。この先、ますます厳しくなるであろうアジアでの戦い、その中で、逆にアジアの対戦相手の中に、かつての前園さんのような意思を宿した目を持つ選手が出現したら、日本は危ないと思う。

最後になるが、今回、タイトルを「前園さんの言うとおり♪♪~」とした理由を少し。

あのアトランタ五輪の活躍以降、当然のことながら前園さんのCM出演が急増したが、その中に、これほど主役らしいCMはないと思わせるCMがこれ。

マンダムのCMで、前園さんが、赤いオープンカーの助手席の彼女に向かって「オトコの髪はナチュラルが一番さ」と言うと、彼女が「なにゆってんの、あんたぁ」と素っ頓狂な声、すると前園さんの背後から数人の男女が突然「前園さんの言うとおり♪♪~」と2回連呼、そして締めは前園さんが渋い声で「言うとおり!」

バカバカしいほどベタなCMなのに「前園さんの言うとおり♪♪~」がインパクトの強いフレーズだったようで、多くの人たちの記憶に残っている。

私にとっても「応援歌」的なフレーズで、前園さんの話題の時は、これでいきたいと思っている。



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