しんぶん「赤旗」では、連日取上げられていたが、その功あってか、今日の朝日新聞に『JCが歴史教育アニメ 授業での上映依頼』という記事が掲載され、問題提起もしている。
このJC=日本青年会議所が制作したアニメの内容は、かつて、日本がアジアを軍事侵略し、2千万人もの戦争犠牲者を出した戦争(第二次世界大戦・太平洋戦争)は、アジアを白人の支配から解放し、道路や学校などの施設をアジア諸国に作ってあげた立派な活動だった、というものである。
自虐史観からの解放を呼びかける右翼「日本会議」の運動と軌を一にするものに他ならない。
こういう洗脳ビデオでの教育に危機感をもつ親や市民が教育委員会などを訪れ「上映しないように」要請する運動を繰り広げている。
関連リンク
JCが歴史教育アニメ 授業での上映依頼 (asahi.com) 2007年06月08日07時38分
推進の日本青年会議所会頭 審査機関メンバーに 2007年6月7日(木)
「靖国DVD」使わない 群馬県教育長が党県委に 2007年6月5日(火)
教育再生会議第2次報告 特定の価値観を子どもに押しつけるもの 2007年6月2日(土)
“靖国DVD”学校に持ち込むな 2007年6月1日(金)
おはようニュース問答『侵略正当化のDVDに 国がお墨付きだなんて』 2007年6月1日(金)
靖国DVD持ち込むな 各地で要請 2007年5月31日(木)
「靖国DVD」使うな 党が申し入れ 2007年5月29日(火)
“靖国DVD”ここが問題 石井議員の質問から 2007年5月27日(日)
靖国DVD 教育への持ち込みを許さない 2007年5月19日(土)
“靖国DVD”で授業 青年会議所作製 文科省が採用 2007年5月18日(金)
侵略正当化へ“洗脳” 文科省採用の“靖国DVD” 2007年5月18日(金)
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以下、asahi.com JCが歴史教育アニメ 授業での上映依頼 から転載
(朝日新聞紙面では結構大きな扱いだった)
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2007年06月08日07時38分
「日本青年会議所」(日本JC、会員約4万人)が制作し、戦後の「贖罪(しょくざい)意識」を批判的に取り上げたアニメDVDを使った上映会が各地で進められ、中学校1校で授業として実施されていたことが分かった。アニメは「いまの教科書の近現代史は自虐的すぎる」として、日清・日露戦争から東京裁判までの過程を検証する内容。日本JCの取り組みは、今年度の文部科学省の教育プログラムのひとつに選ばれている。しかし、教育現場からは「一面的な内容で違和感を持った」といった声があがっている。
アニメは「誇り~伝えようこの日本(くに)のあゆみ~」の題名で28分の短編。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が「戦争で残虐行為を働いた凶悪な日本兵というイメージを日本国民に植えつけた」といったセリフが登場。こうした「洗脳教育」が「日本人から自信と誇りを奪った」と訴えている。
今年2月27日、島根県出雲市内の中学校の5、6時間目を使った社会科の授業で、2年生58人を対象にこのアニメが上映された。生徒らは上映後、配られたアンケート用紙に、「今までずっと日本が悪いと思っていましたが、違いました」「今までは『何で日本は戦争なんかしたのか』と、とても悪いイメージを持っていました。でも、日本がすべて悪いわけではないと思いました」といった感想を書き込んだ。
同校の校長によると、昨年12月、地元のJCから授業について強い要望があり、事前にアニメを見て「内容は一面的なところがあって多少違和感を持ったが、地元のJCは大切な存在だ」として受け入れたという。今では、アジアに与えた被害が扱われていなかったアニメを授業でそのまま流したことについて「深く反省している」とし、今後について学校は「生徒が戦争の惨禍をどう受け止めているか、アンケートをして、認識が不十分であれば授業で補いたい」としている。
日本JCによると、アニメは06年に制作。会員らでつくる「近現代史検証委員会」が歴史を検証し、シナリオを書いたという。
日本JCは今年1月から全国のJCに呼びかけ、つき合いのある中学の校長に内容を説明し、授業に使うよう働きかけているという。年内に約90カ所で上映を検討しているが、中学校の授業での上映計画は3カ所で、実施したのは同校のみ。大半は、中学生や保護者を対象に公民館など地域施設での開催になる予定だという。
日本JCはこうした取り組みについて、校外の人材活用などについて調査・研究を委託する文科省の事業「新教育システム開発プログラム」に申請。同省は、授業の後に実施するアンケートの回収、分析に対し、約130万円の予算を認めたが、正式な委託契約は結んでいない。
同省の澤川和宏企画官は、このアニメについて「日本JCがつくった補助教材を使うと聞いていたが、教材は審査の対象ではなく、内容は知らなかった。お墨付きを与えたわけではない」と話す。
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■アニメDVDのあらすじ
女子高校生の中根こころ(17)は近現代史を勉強している遠山雄太(19)と出会い、「大東亜戦争」に至った歴史について聞く。雄太はこころを靖国神社へ誘い、東京裁判の概要、GHQの占領政策を話した後、消えてしまう。その後、こころは、特攻隊員として戦死した、祖母の長兄の写真を見つけ、それが雄太だと気づく。
雄太は、朝鮮半島などの植民地について「近代化するために道路を整備し、学校を建設した。それぞれの国の水準を引き上げる努力もしたんだ」と述懐。戦争の位置づけについて「310万人の国民を犠牲にし、アジア諸国の人々を苦しめただけの侵略戦争だったのだろうか?」と疑問を投げかけ、「自衛のための戦争だった」「愛する自分の国を守りたい、アジアの人々を白人から解放したい――日本の戦いにはいつもその気持ちが根底にあった」と主張する。戦後の日本について、「『悪いのは日本』という教育が大人にも子どもにも施され、日本人から自信と誇りを奪っている」と訴えている。
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引用終わり