「部活の一年女子やばい。走りながら、皆悪口ばっかり言ってる」
「悪口?」
「小学校の時おとなしかった子が、キャラを変えて女子力高い子と付き合いだしたんだけど…」
「ああ、ナンタラちゃんが友達増えて、中学の方が楽しいって言ってるって、この間のママたちの集まりの時、お母さんがうれしそうに言ってたよ」
「うん。でも、もうハブられた」
「大変だねえ…」
いやしかし、このクソ暑い中ファイトー!!と叫びながら集団で走って、人の悪口を言い合うなんて、中学生のパワーがスゴイと思うわ。
ちなみにおばちゃんたちは椅子に座って、冷たいもの飲みながら言うんだけどね。
女の集団のあれこれなんて(男でもいるけど)、永遠に撲滅しない。
むしろ、撲滅なんかさせてはいけないのかもしれないと思う。
それがあってこそ、誰かにとっては救いだったり、ストレス発散だったり、必要な試練だったり、不思議なバランスがとれている気がする。
台所の窓にほんの小さな小さな蜘蛛の巣があって、私がそれをとったら
「お前は何もわかっていない」
と夫が怒った。
昨日、巣を壊された小さなクモがやってきて、またイチから巣を始めたのを見て、「よしガンバレ!俺はずっと見守るぞ」と言っている。
これもバランスなんだという。
難しい勉強も下世話な体験もよくわからなくても、毎日立つキッチンで、小さなクモの巣を見て考えることはある…