映画「少年H」を観た。(「ぽっぽや」を撮った降籏監督です)
劇場でも観たし、何度も観ている。
この映画のH少年は、激動の時代の中でいろんな価値観を見る。
「他宗を邪宗」というクリスチャンの母親と、それを「そんなふうに言っちゃいけない」とたしなめる父親。
思想によって「犯罪者」になって追われる人。
都合のいい新聞記事で惑わす人、惑わされる人。
出征を拒んで自死を選ぶ人。
ただ異国の絵葉書の一枚もっているだけで、レコードを聴くだけで、スパイと糾弾されて拷問や差別を受ける理不尽。
「正義」に駆られて、年端もいかない少年を何発も狂ったように殴りつける大人。
「君は天皇のために玉砕できるか!!」と、軍国精神に酔いしれるちょっとだけ年上の子どもが叫ぶ。
終戦後、「お国のために」と怒鳴っていた軍曹がコロッと共産主義に転じた。
それを見て、いつか海中で見た右左に揺れるワカメのようだと思う…
様々な正義や欺瞞や偽善をまざまざと見ながらも、H少年は何にも傾倒せず、病まずへたれず、自分本来の強く生きていく価値観だけは失わない。
その姿がどんな思想より、私には圧巻に思えるよ。
劇場でも観たし、何度も観ている。
この映画のH少年は、激動の時代の中でいろんな価値観を見る。
「他宗を邪宗」というクリスチャンの母親と、それを「そんなふうに言っちゃいけない」とたしなめる父親。
思想によって「犯罪者」になって追われる人。
都合のいい新聞記事で惑わす人、惑わされる人。
出征を拒んで自死を選ぶ人。
ただ異国の絵葉書の一枚もっているだけで、レコードを聴くだけで、スパイと糾弾されて拷問や差別を受ける理不尽。
「正義」に駆られて、年端もいかない少年を何発も狂ったように殴りつける大人。
「君は天皇のために玉砕できるか!!」と、軍国精神に酔いしれるちょっとだけ年上の子どもが叫ぶ。
終戦後、「お国のために」と怒鳴っていた軍曹がコロッと共産主義に転じた。
それを見て、いつか海中で見た右左に揺れるワカメのようだと思う…
様々な正義や欺瞞や偽善をまざまざと見ながらも、H少年は何にも傾倒せず、病まずへたれず、自分本来の強く生きていく価値観だけは失わない。
その姿がどんな思想より、私には圧巻に思えるよ。