とても残念な話なのである。キレンゲショウマといえば、宮尾登美子の『天涯の花』でも、剣山の象徴として描かれた絶滅危惧植物の一つである。
そのつぼみを齧りまくった罰当たりな虫(?)がおった。もう、十日ほど前の話である。う~んっ、「かっこクエスチョンマーク」付きにしたのは、にっくき対象害虫を確認できていないから。
でも、虫じゃないわけはないよな。葉ではない。つぼみを真横からズドンと齧りやがったのだ。
頭に血が上り。つぼみというつぼみに、いま手元にある殺虫剤を次々とぶっかけ、根元にはオルトランをこれでもかと振りかけまくった。
今朝(7/20)、その甲斐あってか、キレイに紡錘形へと膨らみつつあるつぼみをいくつか確認できた。
気温は高い。すでに真夏日の指標を突破している。だが、幸いにして風が流れている。猫の額を行ったり来たりする分にはまだまだ我慢できるほどだ。
いかんせん、キレンゲショウマのつぼみを撮ろうとすると、風に翻弄されているオブジェクトを補足するには技量が未熟に過ぎる。
ふと見ると、ムクゲの枝陰で黄色の点が蠢いた。うわっ、キレンゲショウマの花だ。昨年は、7月10日に開花を確認していたから、別に驚くにはあたらない。
それではと、対象を切り替えて撮ろうとした。ここで、その虫害のことを思い出した。可哀そうに、花びらの一枚がひしゃげている。隣りのつぼみにも食痕が痛々しく残っていた。な~んてこったい、一番花がこんな姿、あまりにも可哀そう過ぎるでないかい。

📷2022年7月20日:食痕の跡が痛々しいキレンゲショウマ。

📷2022年7月20日:まだまだつぼみはたくさん出ている。この子たちに期待しよう。
年々、少しずつではあるが花茎が増えてきている。びっくりし、がっかりしたが、めげることはない。まだまだつぼみはいくつも上がっているのだから。

📷2022年7月20日:ヘビイチゴの中でも極小の部類に入る屋久島姫ヘビイチゴ。
バラ科キジムシロ属の多年草、屋久島姫ヘビイチゴである。花径は、5ミリほどと小さい。
画面右側には花後の果実が見えている。こちらも3ミリほどと極小だ。

📷2022年7月20日:同じキジムシロ属の濃色紅色キンバイ、三輪目が開花した。
こちらは、先日ご紹介した新規参入組の濃色紅色キンバイである。
同じバラ科キジムシロ属の多年草だから、花の色や大きさは異なれどその形状はとても良く似ているように思う。

📷2022年7月20日:こぼれ種から芽生えた銀銭花があちこちで咲いている。
銀銭花(ギンセンカ)と呼ぶより、朝露草(チョウロソウ)の方がこの花の雰囲気に合っていると思うよ。
いや、いや、やはりこれはハイビスカス・トリオナムと呼ぶべくだろう。
花の名前の呼び方は、折に触れ物議を醸すことがある。
ことに残念な名前や多数の別名がある場合などは、ことさらに厄介だ。
思い違いでなければ、まぁ、どう呼ぼうと勝手というもので、他人にとやかくいわれる筋合いの話ではない。
花の方にしてからが、どう呼ぼうと返事を返してくれるわけではないのだから。