📷2022年8月31日:
8月が終わろうかという晦日の朝のことである。ハンショウヅル 雪おこしが、小糠雨の降るなかに咲いていた。
いろいろなことがあったハンショウヅルだけに、一入の喜びを感じ、しばしの間、その花を見つめていた。
「雪おこし」という名のハンショウヅルである。名前からして春まだ浅き頃、他に先駆けて花を付けるものだと思っていた。
ところが、一般的な開花期は5~9月頃なのだそうな。「なんで、今頃つぼみを付けるの?」と思ったものだが、まさに、いまが、適期なのであった。
📷2022年8月21日:その小さなつぼみを認めたのは8月21日のことだった(再掲)。
📷2022年8月24日:柔らかなひだを纏ったかのように萼片が変化していく。
📷2022年8月25日:日ごとに膨らんでいくつぼみ。
📷2022年8月26日:雪おろしは八重咲きである。このつぼみの状態でも、幾重にも重なる様が見て取れる。
📷2022年8月28日:外花被(?)、一番外側の萼片に大きな変化が見られる。
📷2022年8月30日:内側に行くほど萼片の白さが際立っている。
📷2022年8月31日:この日、ベランダに出て右側を見ると、開花した雪おろしの横顔が見えた。
📷2022年8月31日:一番外側の花被片は、まるで葉のようだね。
この雪おこしとの出会いは、ハンショウヅルを三種、通販で取り寄せたところから始まった。その顛末は、5月21日の日記「ハンショウヅルの仲間を育てよう!」で記述した。
交換してもらった株も、葉には元気がなく、もうこの株の花は終わったものと理解し、たくさんの葉を茂らせ、十分に株を太らせてもらいたいと思っていた。
あれから三か月である。嬉しい誤算というか、この花を熟知していらっしゃる方からすれば、至極自然なことなのだよと仰るかもしれないが、ごくごく単純に今日斯くの如く咲いてくれたことに対して有難うの一言が口を突いて出た。
📷2022年8月31日:雪おろしの傍らには、タマノカンザシが様子が見守っていた。
すぐ隣りで事の成り行きを見守っていたタマノカンザシは、ことさらに首をもたげてその歳若な雪おろしの花を凝視し、
「あなたもなかなかやるじゃない。差し詰め、美の競演ってところかしら・・・。」
などと囁いてる。その言葉の裏には、
「花の華麗さといい、かぐわしい花の香りといい、まだまだ私の足元にも及ばないわね!」
なんていう矜持が透けて見えている。一瞬、花たちが散らす火花が目の前をよぎったような気がしたものだ。
📷2022年8月31日:数えきれないほどの花を育んだミヤマハンショウヅルのいま。
そう、そう、あの折に取り寄せたハンショウヅル三姉妹のうちコウヤハンショウヅルは、ひと時盛んに花を付けた後、いまは静かに時の流れに身を任せている。
もう一つ、何度も花を付けたと日記に上げているミヤマハンショウヅルは、今でもしきりと蔓を伸ばし、小さなつぼみを育んではこれ見よがしに花開いている。