まだ咲くまいと思っていた。油断だ。昨日か? はたまた今朝か?
かつて、何度か通りすがりのお宅に咲く江戸絞りを撮らせていただいたことがあり、いずれは自分でも育ててみたいものと思っていた。
昨年、縁があって取り寄せることができたが、小さな株であったため6号鉢に植えておいたのだが、水枯れで瀕死の状態なんてことが一再ならずあった。
ハギは乾燥に強いという。だからなのか、土壌は<水はけがよく、水持ちがよい>モノが適するのだとか(この表現、よく目にするけど、相反する環境のようでどう塩梅すればいいのかいつも迷っている 汗)。
今年も、つい先日同じ過ちを犯し、大慌てで水遣りをしたものである。その甲斐あってか、梅雨らしからぬ土砂降りの雨の朝、葉や枝に守られるように咲く江戸絞りの花を見つけたのだった。
すべて落ちてしまったものと思っていた。ユキザサの実のことである。
もう何年となく咲いてくれてはいたのだが、一度たりとも、そして、一粒さえもその実を見たことがなかった。見事に、これほど完璧に、実を結んでくれないのが園芸種のユキザサなのだと諦めていた。
江戸絞りの開花を寿いだ朝、何気なくそのユキザサを見ると、小さな3ミリほどのグリーンの粒を発見した。これっ、ユキザサの実じゃないかえ。そうだとすれば、自宅の鉢で初めて目にした一粒ということになるのだが、この緑の一粒が赤らむまで見守ることができるのか・・・・・・、夢まぼろしとならぬようにと祈るばかりである。