現在週に8コマ 私立高校2年生と3年生に「情報I」および「パソコン研究」
という授業で「入力練習・ワード、エクセル全般」を教えています。
そこで感じることを不定期にお伝えしていきたいと思います。
今回は、そもそも「情報I」という新教科がどういうものかというお話しです。
1.まずは、学校のカリキュラムと共通テストとの関係から
高校での履修が必修化したのは、昨年(2022年)から。
小学校、中学校、高校と五月雨式に必修化が進んできました。
2023年現在、現高校2年生から直接に影響を受けます。
それ以前にも「情報」という教科での授業はありましたが、
あくまで選択科目であり、大学入試で必須ではありませんでした。
それが、現高校2年生から、国立大学に入学するために
共通テストで新科目「情報I」の受験が必修になるのです。
国立は受験しないという方もいると思いますが、
私立も当然のごとく影響を受けます。
かなりの私立大学で「情報I」での受験を導入することがアナウンスされています。
共通テストのことばかりが話題になるので、
これにはびっくりする方も多いのではないでしょうか・・・
このへんの情報はこちらにまとまっています。
【令和5年4月23日更新】2025年度(令和7年度)大学入試 大学入学共通テスト 教科「情報」(科目「情報I」)を課す大学 入学者選抜・入試要項・配点等の公表一覧|ELDI事務局〜情報教育支援プラットフォーム〜 (note.com)
しかもよくよく見てみると、
① 共通テスト利用の受験のときだけ使う大学と
② 一般選抜でも「情報I」だけ、共通テスト利用する大学などのバリエーションがあるようです。(この辺のことはまた、別途記事にしたいと思います)
2.さて、この共通テスト「情報I」はどんな内容でしょうか
過去に本家「大学入試センター」や、「情報処理学会」で
何回か試行テストが公開されています。
私自身もその試行テストをやってみましたが、今回はその時の感想です。
第一印象としては
①「プログラミング、プログラミングと騒いでいるけれど、
プログラミング自体の問題は多くない」という事実。
②「私自身が新入社員時代に受験した国家資格の情報処理2種に
(一つ一つの深みはないが)かなり近い内容でびっくり」
こんなことを学生のうちにやらなくてはならないの? と何度も感じました。
③ 「未来を担っていく若者には、
ベースになる技術を学生のうちから知る必要がある」
という国の意思を感じました。それが前提であればこの内容も納得できます。
この比較対象をしている「第2種情報処理試験」に関して
知らない方も多いと思いますので、少々説明しておきます。
かつて、システム開発会社の力量を示す一つの指標として、
国家資格を保有している人数を競い合っていた時代がありました。
「第2種情報処理試験」は入社してから3年ぐらいまでの間に
取得するべきものとされた国家資格です。
時代なりに再編され、今では「基本情報技術者試験」という名称に変わりましたが、
それに伴い難易度も変わったようです。
かつては学生時の取得はほぼ無理で(おそらくちんぷんかんぷん)、
難易度は、合格率およそ10~20%前後。
(なお、現在ある基本情報技術者試験は、3割程度までが合格できるとか。
易しくなったイメージです。試験の役割も変わったのでしょう)
当時から英検2級の合格率が25%程度といわれているので、
「第2種情報処理試験」はあきらかに「英検2級」より難しいイメージでした。
3.改めて、令和7年度大学入学共通テスト 試作問題を見て
(参考)試作問題等令和4年度までの検討状況 | 独立行政法人 大学入試センター (dnc.ac.jp)
第2種情報処理試験とおもいの外、似通っているとはいえ、
さすがに技術自体は今風に変わっているので直接は比較できません。
しかし、大きく危惧することがあります。
子供向けのプログラミング教室を運営している身としては
非常に言いにくいことなのですが、
「世の中のプログラミング教室が教えていることでは、このテストに対応できない」
それが率直な感想です。
(今、当教室に通っている方は、それを踏まえて授業を進めているのでご安心を!)
簡単に言うと、
① お遊びでゲームをいくつ作っても、共通テストで必要とされる、
プログラミング能力に役立てることは難しい
(これは相当昔からの問題で今に始まったことではありませんが・・・)
② エクセルによるデータ分析は、もはや必須である。
いったいこれを子供たちはいつ習うことができるのか・・・
「情報I」の教科書を見ていると、「データの分析=エクセルでの分析」
といえるほどだと思います。
③ プログラミング以外に必要な知識がたくさんある
さて、この現実を受けて、私たちはどうするべきなのか・・・
次回に続く・・・
もうちょっと試行問題を分析していきたいと思います。
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