小浜湾の奥でなんてタイトルだったらいつもならサヨリやアオリイカの釣りの楽しい話を書くはずである。
が、今回は重々しいことを書こう。
地村保志さんが拉致事件発覚から20年目を迎えるにあたってメッセージを発したというニュースを目にした。
私にとって地村さんの拉致事件は非常にインパクトのあるものだった。越前海岸や新潟の外海に面した海岸線で起こった出来事ではない。湾内の奥深いところで同朋が攫われたというショッキングな事件であった。
今では柵がしてあって小浜新港でのサヨリ釣りもしてないけど、以前はサヨリ釣りの定番の場所だった。サヨリの群れが現れる突堤の対岸の山上に地村さんが拉致された小浜公園展望台はある。
小浜新港で釣りをすると何がいいってすぐ近くに濱の湯があってリフレッシュしてから帰路に就く。入浴が終わると大抵夜になっていて、最上階から小浜湾の入り口を眺めることが出来る。赤礁と蘇洞門の間は狭くなっていて両側に山が迫り間の隙間から漁火が見える。
そんな狭い小浜湾の入り口から北朝鮮の工作員は湾の奥深くまで入り込み同胞を拐していったのだ。
越前海岸に乗り捨てられたゴムボートは珍しくなく、警察が情報提供を拉致事件が発覚する前から呼びかけていた。然るにまさか入り口が極度に狭く、内側に大きく広がって海岸線に都市や集落が点在する小浜湾の中に入り込んでいたとは・・・
少なくとも拉致事件が発覚する前からそんなこんなで噂のレベルで北朝鮮の工作員が我が国を伺っていることは知っていたが、公安警察が秘密裡に捕縛、処分して核施設の黄色いドラム缶がいつの間にか1本増えているなぁwぐらいの対処はしてくれていると甘い幻想を抱いていた。実際は裸城同然でやられっぱなしだったとはね。。。
これが舞鶴湾になるとこの手の話を聞かない。かつての軍港に自衛隊の基地があり、海上保安庁も居を構えている。北朝鮮の小型の貿易船は良く出入りするがそこから日本人が攫われる話は聞いたことがない。こうした街のアホの一つ覚えのように「基地のない平和な街を」なんて呆けた内容の看板を出している市民団体があったりするが、基地が存在することで同朋が守られているという現実を前に説得力のない看板なんですなぁ・・・
本来、同胞が一人でも拐されたなら、軍隊を送り込んで奪回すべき案件なのだ。数人の拉致被害者のために平和を脅かすなんて!などといっている連中は国家の主権を守るということがどういうことなのかまるで解ってないと言っていい。一国の独立と主権を軍事力抜きに守り抜けるはずがなく、かつその軍事力は必要に応じて行使できるようにしておく必要がある。
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