奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

青空の効用

2011-04-04 | 心詩~こころうた・己
まだ冷たい風を受けながら
青すぎる青空を
うらめしい思いで見上げた

  あんたはいいね
  そんなふうに一点の曇りもなく

明日が待ち遠しかったのは
いつのことだったろう
空の青さに心躍らせた
あれは いかなるエネルギーだったか

  なにがそんなに羨ましい?
  たとえ 晴れだろうと曇りだろうと
  わたしには 今この瞬間だけがすべてだ

そんな声が
聞こえたような気がした

  今だけじゃ生きられない
  人間は そんなに簡単じゃないんだよ

私は
そう答えてみた

  ふうん たいへんだね
  もっと楽な生き方があるだろうに

そう言うと
青空は そっぽを向いてしまった

薄情な青空を見つめながら
私はいつしか クスリと笑っていた

  敵わないなぁ……

なぜだか 少しだけ
気持ちが晴れたような気がした

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