不規則な覚醒と眠りのなかで
緩やかに形を失ってゆく
私という 思考と存在
これは 現実か 幻なのか
私を置き去りに
時は刻まれてゆく
私はまだ
ここにいることを
許されているのか
手に触れるものすべてを取り上げられ
頭に描くすべてを先回りして奪い去られる
窓に張り付く蛾を見下ろし
私を監視しているのかと
真夜中にひとり 苦笑する
ああ このまま
壊れてゆくのか
人としての在りようを保てなくなってゆく恐怖
堕ちてゆく快楽に目醒めゆく狂気
あの日までの私は
もう どこにもいない
今 ここにいるのは
もっとも嫌悪する類の
生を貪る 肉の塊
やがて 魂を放棄し
制御の効かぬ肉体の奴隷と化し
生きる屍となり果てる己の姿を
白く煤けた頭蓋の裏に
赤黒く刻印してゆく
無機質に 無感覚に
無情なる世界との 訣別──
緩やかに形を失ってゆく
私という 思考と存在
これは 現実か 幻なのか
私を置き去りに
時は刻まれてゆく
私はまだ
ここにいることを
許されているのか
手に触れるものすべてを取り上げられ
頭に描くすべてを先回りして奪い去られる
窓に張り付く蛾を見下ろし
私を監視しているのかと
真夜中にひとり 苦笑する
ああ このまま
壊れてゆくのか
人としての在りようを保てなくなってゆく恐怖
堕ちてゆく快楽に目醒めゆく狂気
あの日までの私は
もう どこにもいない
今 ここにいるのは
もっとも嫌悪する類の
生を貪る 肉の塊
やがて 魂を放棄し
制御の効かぬ肉体の奴隷と化し
生きる屍となり果てる己の姿を
白く煤けた頭蓋の裏に
赤黒く刻印してゆく
無機質に 無感覚に
無情なる世界との 訣別──