奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

rebirth

2012-08-12 | 心詩~こころうた・己
不規則な覚醒と眠りのなかで
緩やかに形を失ってゆく
私という 思考と存在

これは 現実か 幻なのか
私を置き去りに
時は刻まれてゆく


私はまだ
ここにいることを
許されているのか

手に触れるものすべてを取り上げられ
頭に描くすべてを先回りして奪い去られる

窓に張り付く蛾を見下ろし
私を監視しているのかと
真夜中にひとり 苦笑する


ああ このまま
壊れてゆくのか
人としての在りようを保てなくなってゆく恐怖
堕ちてゆく快楽に目醒めゆく狂気

あの日までの私は
もう どこにもいない
今 ここにいるのは
もっとも嫌悪する類の
生を貪る 肉の塊

やがて 魂を放棄し
制御の効かぬ肉体の奴隷と化し
生きる屍となり果てる己の姿を
白く煤けた頭蓋の裏に
赤黒く刻印してゆく

無機質に 無感覚に


無情なる世界との 訣別──


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