夕べの最低気温は零下5度とありましたが、本当だったんでしょうか。今日は祭日ですのでラジオ体操は休み。なので外の様子がよく分りませんでしたが、今はとてもいいお天気!昼間は16度まで上がるらしい…。でも今夜も最低気温は0度ですよ。最近のこの温度差は体には堪えますね。
昨日の朝のことです。久し振りの冷たさで、草や地面は霜で真っ白。ラジオ体操に行くと、いつもの顔ぶれが揃っていましたが、その中の一人がスマホを持って来て、〝これ、これ!〟といって、見せてくれた画面。歌手が唄っています…〝この唄の歌詞を聞いてみてよ。ほら、あれよ!もう、大笑いしちゃった…〟と。〝エエッ、誰の歌?〟〝森山良子よ。全く今の私たちそのものよ!〟と言われて聞いてみると、ナルホドと主人と大笑いしました。
体操が終わって家に帰り、早速YouTubeで検索。最初から最後まで全部聞くと…もう言う言葉がありません。よくもまあ、ここまで考えて曲にしたもんだわと、脱帽!まさにこの歌の通りなんですが、でも、こうもズバリとそのままを歌にされると…ちょっと…笑ってばかりはいられない感じでもあります。
ご存じない方は是非聞いてみて下さい。このブログを読んで下さっている方々には大凡当てはまるのでは?(笑) 森山良子さんの「Ale Ale Ale(あれ あれ あれ)」ですよ。
他の方のブログだったらURLをここに載せればすぐに開いて見られるのでしょうが、そのやり方が私には分からないんです。だから興味のある方はYouTubeで検索してお聞き下さいね。スミマセン。
ところで、先日の句会の兼題は〝春の雪〟でした。もちろん春の季語ですが、冬の雪とは違って溶けやすく、降る傍から消えて積ることがないので〝淡雪(あわゆき)〟ともいいます。また、〝牡丹雪(ぼたんゆき)〟といったりしますので、雪とはいえ、晴れやかな感じのする雪なんです。
北国のまだ春が遠い地方での雪は、きっとイメージが違うのではと思うのですが…。これは住んでみないことにはなんとも言えません。やはり立春過ぎてからの雪は真冬の雪とは感じが違うんでしょうか?もしよろしければ、北国(東北や北海道の方)の方教えて下さい。ただ、最近はどこもかしこも異常気象ですから一概には言えないかも知れませんけどね。
こちらでもまだ零下になる時があるので、雪になる可能性はありますが予報は出ていません。確か昨年は暖冬で、立春を過ぎてから〝春の雪〟が降ったような気がしますが…どうだったでしょうか。
春雪三日祭の如く過ぎにけり 石田波郷
この句は、昭和42年の「鶴」4月号に発表され、第19回芸術選奨文部大臣賞受賞の句集『酒中花』に所収されています。昭和44年に亡くなった石田波郷は、この頃は清瀬の療養所への入退院を繰り返していて、この句も彼が入院している時に詠まれた句として知られています。その入院時に弟子の山田みづえさんは師を見舞い、短日のうちに消えてしまった春雪を波郷との話題にしたと仰っています。また、かつて波郷は「(入院中の患者にとっては)雪は天からの慰問使のやうに舞ひ降るのである」とも書き残しているようですよ。
春の雪が三日間も降ったというのは、波郷にとってはまさに〈祭の如く〉に感じられたのでしょう。子供の頃を思い出して少年のように心をワクワクさせて、ただひたすら春の雪を眺めていたのでは…。この時期波郷はもう歩くどころか起き上がることさえ出来ないほど衰弱していたんだとか。だから、目が覚めている間のベットでの楽しみは病室の窓から見える風景だけ…毎日見飽きた風景が、この日は雪で刻々と変化していく…もちろんそれも愉しいことでしょう。が、それよりも波郷は天からひっきりなしに尋ねて来てくれる慰問使と昔のことなどいろいろと話して過ごしたのかも知れませんね。そんな滅多にない日が三日も続いたんですから…降らなくなったときの淋しさ心の虚ろさ、そのガッカリした気持ち。それが、〈過ぎにけり〉の詠嘆になったのだと思います。
波郷も生まれは四国の人ですもの。雪に対しては私たちと同じような感覚を持っていたんでしょう。雪国の方々には本当に申し訳ないのですが、余程のドカ雪が降らない限りは、〝雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ 降っては降っては…〟と唄いたくなるような、そんなウレシイものなんですよ、雪は。ゴメンナサイ!
さて、教室では、高点句の〈春の雪船上繋ぐ紙テープ〉の句のやり取りが面白かったですね。採った人の鑑賞…〝見送りに来ている人と旅立つ人とが紙テープで繋がれて…いよいよ出航するという場面がよく見えます〟と。〝どんな船だと思うの?〟〝そりゃあ、外国航路の豪華客船…ほら、あのプリンセス・ダイアモンド号のような…〟〝そうよね。紙テープの色に春の雪がまるで花びらみたいに…美しい句です。もしかしたら、よく海外旅行へ行っていたMさんの句では?〟と言うと、他の所から手が上がり、〝違います。私の句です〟と。(笑)〝実は島の先生が離任するので生徒たちが見送りに来ているところなんです〟と。ヘエッと、みんなビックリ!
まさかそんな場面だったとは…。〝じゃあこれでは無理よ。殆どの人が豪華客船を想像するもの。〟〝島の小さな連絡船なんか誰も…、これはあなたの体験?〟と聞くと、創作なんですって。
じゃあどう直しましょうか。ここはやっぱり「島」が必要ですね。そうすると船は大体想像が付きます。次は先生と生徒を紙テープで繋がなくっちゃ…。そこで思案の末、〈春雪や船の師送る紙テープ〉か〈船に師を送るテープや春の雪〉かもと。すると誰かが〝先生、テープを投げるのはどっちですかね?〟と。〝そりゃあ、船の上からでしょう。下からじゃ届かないかも…〟などと、一頻りみんなで船旅の話などをして…。最後は、ああ一日も早く旅へ出掛けられるようになりたあ~い! というところで落ちつきました。ハイ、これでオシマイ!
写真は、我が家の梅。やっと咲きました。本当に〈梅一輪一輪ほどの…〉でしたね。