晩冬に〝三寒四温〟という季語がありますが、今日は最高気温13度と、風もなく穏やかな…本当に「四温日和」でしたね。歳時記には〝三日ほど寒い日が続くと、その後四日ほどは暖かい日が続くという…(中略)…こうした寒暖の変化を繰り返しながら春の足音が聞こえてくる〟と。
四温かなペン胼胝(たこ)一つ芽のかたち 成田千空
歳時記に上のような例句がありました。私も教師の頃に長くガリ版を使っていましたので、確かに胼胝ができていました。でも…その頃は俳句をしていなかったから〝芽のかたち〟なんて全く思いもしませんでしたが、あの膨らみをそう思って眺めると…なんとも愛おしいですね。私が詠んだのは〈鉄筆の胼胝を未だにつづれさせ〉(平成18年)という句でしたが…。今はもうそれも分からないぐらいになりました。だってガリ版使ってたのは何十年前でしょう。あれ以後の印刷技術や筆記用具の進歩は目を見張るものがありますもの。この〝胼胝〟という字も今の若い人は読めないし意味も分からないでしょうからね。
さて、昨日は第3土曜日でしたので「きらら俳句教室」でした。毎月実施していたのですが、夏からの体調の悪さに忙しさが加わって報告をしないまま、とうとう今回は第10回目になっていました。ゴメンナサイ!
きらら浜自然観察公園にていつもの如く9時30分に開始。この日は最高気温10度と低くかったものの風はなく穏やかで…やはり〝四温晴〟でした。吟行に出る前に、今は「寒中」と言って、〝小寒〟すなわち〝寒の入り〟の1月5日から〝大寒〟の20日を経て、〝立春〟前日の〝節分〟(2月2日)をもって、〝寒明け〟ということになるのだということを説明。また、一年のうちで最も寒さが厳しい時期にあたるので、この〝寒〟という字を用いれば、寒中のものということになって多くのものが冬の季語になるのだということも。
さて、それでは今回も湖畔巡りをしました。私は先日の雪の日にも吟行会で来ていますので、目新しいものは殆どありませんでしたが、皆さんは熱心に観察して…〈そこここに浮きつ沈みつ鴨の尻〉という句がトップでした。採った人はみな〝鴨の尻〟が良かったと。そうですね。あのまるで起上り小法師のようにクルリクルリとひっくり返るところはとても可愛らしくて、誰でも詠みたくなりますよね。最後にこの句の作者は?…と聞くと、ナントレンジャーのHさん!さすがでした。写真は私のスマホではとても撮れませんので、お借りしました。スミマセン!
吟行を終えて戻ってきた時、入口に〝足長蜂〟が一匹よたよたとして動けなくなっていました。Мさんが〝こんなとこにいたら踏みつぶされるわよ〟と言って、レンジャーさんを呼びに行こうとしたので、私が〝ここに入れてあげたらいいのよ〟と、計器盤の蓋を開けて返してあげました。実は先日の吟行会で、ここに足長蜂が冬眠しているのだと教えてもらっていたからなんですよ。いつの間に出たのかしら…ちょっと暖かかったからつい気の早いのが飛び出したのかも。でもまだ力がないから飛べなかったし、巣へも帰ることができなくなっていたのでしょう。ヨカッタ!だって〝一寸の虫にも五分の魂〟といいますものね。
それにしても今年最初の句会…これを〝初句会〟というのですが、全員の句に点が入り、めでたしめでたしで幸先の良いスタートがきれました。皆様お疲れさまでした。
予定通り12時過ぎに無事終わって、私は家に戻り、また午後からは宇部馬酔木句会へと…、忙しい一日でした。オシマイ。