ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

令和4年度最後の〝きらら俳句教室〟でした!

2023年03月19日 | 俳句

 今朝は昨日よりの雨の気配も全くなく朝の日差しも明るい…でも、何だかちょっと肌寒い!見れば朝の気温が4度まで下がっていたようなので…納得。

 昨日は朝9時30分から令和4年度最後の〝きらら俳句教室〟でした。参加者は私を含めて12人。朝の内はまだ小雨が降っていましたが、吟行に出かける10時頃はすっかり止んで、青空さえ見えていました。

 本当に時の経つのが早いこと!確か去年も言ったような気が…と思いつつ、昨日がちょうど「彼岸の入」でしたし、天気も悪くてやや寒さを感じていましたので、〈毎年よ彼岸の入に寒いのは〉という子規の句をまたまた取り上げて紹介してしまいました。ナントも進歩がないですね!

 さてこの教室も今回で3年が過ぎます。どこの教室でも同じで、〝いくらやっても俳句が上手くならない!〟と嘆く人がたくさんいるのですが、そんな時は、〝そんなことないわよ。上手くなっていないということが分かったということは上手くなっているからね!〟と、訳の分からないことを言って慰めています。でも、ホントですよね。俳句が難しいということが分かったということはそれが理解できるところまでレベルアップしてきたということ…即ち上達したからなんですよ。でしょ!アハハッ…

 時間になったので外へ出るとそんなに風もなく寒くもないので気持ちがいい。いつものコースをブラブラと…。するともうあちらこちらから鶯の声のオンパレード。そういえば〈鶯の樹木の中をオペラ歌手〉などという面白い句も出ましたものね。蘆原を見ると一面黒くなっていて…聞けば先日(3月4日)の土曜日に野焼が行われたんだそうです。すると誰かがこれは〝末黒野(すぐろの)〟と詠んでもいいんですかなどと質問。更にSレンジャーさんが〝あれは燕(つばめ)ですよ〟と指さす。見れば一羽二羽三羽…と飛び交っていました。私は今年初めて見ましたからこれは〝初燕〟だわと言うと、私も私もと…。

 次は土手の方へ…〝土筆(つくし)〟が出ていますと聞いていたのに、どこを探しても…ない!レンジャーさんが、そんなはずないですよ、僕探して見つけておいたんですから…と。(笑) すると、ああ、ありました!の声。草に紛れて見分けがつかなかったんですね。一度見つけると、ここにもあそこにもと、たくさん見つけて大喜び。人間の眼ってホントに節穴の時がありますよね。でも、鳥の目はスゴイ!どんな小さな虫でも即座に見つけてキャッチするんですから…。

 そうこうしているうちにビオトープへ。そこでは先月の〝蝌蚪(かと)の紐〟(蛙の玉子のこと)から孵化したお玉杓子がうじゃうじゃいる…と想像していたんですが、いくら探してもいない!やっと2、3匹見つけて、あのたくさんあった玉子はどうしたんでしょう。動物界でも玉子不足でみんな食べられた???なんて、ホント笑い話ではありませんが、自然界にも何か異変が起こっているんじゃないのでしょうか。だとするとコワイ!

 もう一つ、今回の発見です。ちょうど今頃黒木の花が見られるのですが、それがこんなふうに散ってその花びらの一つ一つがこんなにカワイイというのに今まで気がつきませんでした。これも発見です!いつもの同じ道を相変わらずワイワイ言いながらの吟行なんですが、どんな時でも何かちょっとした新しいものとの出会いがあって…だから吟行は楽しい!

 この下の写真の椿も今まで気がつかずにいて…今回八重の椿だったと知ったんですよ。

 そういえば、今朝黒田杏子さんの訃報を聞きました。氏はテレビなどでよくお見かけしましたし、以前に馬酔木同人研修会の講師として来られた時にお話も伺いましたので、全くの他人事とは思えませんでした。知人にも「藍生」の方がいらっしゃいますし、急逝ということのようですので、きっと皆さまショックを受けられていることでしょう。心からのご冥福をお祈り致します。 合掌

 その杏子氏が生涯を通じて拘られたのが「季語の現場」に立って詠むという姿勢でした。私たちがここでこうやって吟行をしながら詠んでいるのも〝季語の現場〟に立っているということ。だから〈草の中紛るる土筆探したり〉とか〈あれあれと指差す先の初燕〉などの句が生まれたんですよ。

 また〈ぽんぽんのほどけて小さき春の花〉という句も出ました。これは最高点の次の句だったのですが、ただこの句は問題ありなんです。それは今回の吟行に参加した人でないと、この「春の花」が黒木の花だとは分からないということ。そうなんです、吟行の最大の注意すべき点はこの〝行った、見た人でないと通じない〟という句を詠まないことです。その場で短い時間で作句しますので、つい見たままをそのまま句にしてしまいがち。そこをどう推敲して参加しなかった人にも通用する句を詠むかということが成否の分かれ目でしょうか。その点、今回の最高点句は〈いきなりの初音に会話とびにけり〉と、さすがにどこにでも通じる句でした。特に〈とぎれけり〉といわずに〈とびにけり〉といったところが面白いですね。なぜだか分かりますか?皆さんも考えて見て下さい。

 というわけで、令和4年度の最後の俳句教室も無事終了しました。皆さんは是非来年度へも進級されますように…とお願いして閉会。さて、令和5年度はどんな教室になるのかしら…レンジャーさんも新しい方に、それも若い方になるんですってよ…楽しみ!(笑)

コメント (6)
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