ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝銀杏〟は〝銀杏の実〟?

2021年10月30日 | 俳句

 明日で10月も終りですね。こんなに時の流れが早くては到底付いていけませんので、私なんか〝置いてきぼり〟にしてくれたらいいのに。そうしたら年を取らないかも…なんて虫のいいことを考えたりして、ばかですね。いつもいつも時間と追いかけっこしてるんだから、却って息切れがして早く〝くたばる〟のでは…なんちゃって。

 こんなこと書いていたら…思い出しました。「くたばる」というのは〝「死ぬ」ことをののしっていう語〟なんですよね。

 何年か前、水原春郎先生がお亡くなりになった時、葬儀へ出られませんでしたので、新年俳句大会の帰りに水原家のお墓がある染井霊園へ寄って来たことがありました。ここにはたくさんの有名人のお墓がありましたが、時間が無くて…。その中で明治の小説家・「二葉亭四迷」の墓がちょっと大きくて目立ちましたので、よく覚えています。もちろん本名での墓でしたが。写真はお借りしました。ゴメンナサイ!

イメージ 1

 この二葉亭四迷の本名は長谷川辰之助なんですが、なぜこのような名前を付けたのかという筆名の由来は有名ですよね。父親が文学のようなものを志すぐらいなら〝くたばって仕舞え!〟と言ったとか。しかし、Wikipediaでは、〝処女作『浮雲』に対する卑下、特に坪内逍遙の名を借りて出版したことに対して、自身を罵ったことによる。文学に理解のなかった父に言われたというのは俗説である。〟と。

 こんな話を生徒達にすると、すぐに名前を覚えてくれましたね。そりゃ私だってそうでしたもの。(笑)

 ところで、その前に使った「置いてきぼり」という言葉も、本来は「置いてけぼり」が正しいんですって。なぜかというと、その語源が昔江戸本所(墨田区石原四丁目)にあった堀の伝説からだったんです。知らなかった!

 本所七不思議の一つで、この堀で釣をすると、水中から「置いてけ、置いてけ」と呼ぶ声がし、魚を全部返すまでこの声がやまないという話。もちろん東京の方々はよくご存じなんでしょうが…。改めて、私にはヘエッ…でした。このように無意識に私たちが使っている言葉には、その語源を知らずに使っているものがきっとたくさんあるでしょう。知れば知るほど言葉って面白い!

 さて、先日の句会の兼題は「銀杏」でした。これは銀杏の実のこと。この「銀杏」という字も気をつけないといけません。〝いちょう〟とも〝ぎんなん〟とも読むからです。〝ぎんなん〟と読めば秋の季語になりますが、〝いちょう〟と読むときは、〝銀杏散る〟とか〝銀杏の実〟〝銀杏黄葉(もみじ)〟などと言わなければ季語にはなりませんから気をつけましょう。

  銀杏を焼きてもてなすまだぬくし  星野立子

 この句にはいろんな意見が出ました。〝もてなすのに銀杏ぐらいじゃおかしいのでは?〟とか〝昔は電子レンジがないから手間が掛かって貴重だったからと違う?〟〝まだぬくしというのは焼きたてじゃないということよね。なぜそんなこと言ったのかしら…〟などなど…。これはきっと気の置けない者同士で一杯飲もうということでは?それで酒のつまみに銀杏を焼いてもてなそうということを詠んだのだと思うんですが…、違ってたらごめんなさい。

 特にこの句をよく分るといって採ったのが酒好きのFさん。そのFさんの句は〈小料理屋のあてに銀杏十粒ほど〉という句でした。サスガです(笑) 写真は、貰った銀杏を剥いて撮ってみました。もちろん〈まだぬくし〉ですよ。( ^_^)

 実はこの教室では初心者が多いので勉強のため、句稿に歳時記掲載の名句をいくつか混ぜて投句してあるんです。また、これは選句眼を養うためでもあるんですけど。

 写真は、Nさんが自宅の庭にある銀杏を拾って、持ってきてくれた物。彼女の句に〈拾ふうち匂ひに慣れぬ銀杏の実〉があって、大笑い。でも彼女が言うには〝私は拾うだけで、後の始末は主人なの〟と。それで、またまた大笑い。もちろんNさんご夫妻に…ありがとうございますと言って食べましたよ。

 そういえば〈銀杏のひすい色成し労忘る〉という句も出ていました。でもこれには〈ぎんなんをむいてひすいをたなごごろ〉という森澄雄の先行句があるからダメですよって…ね。写真は白魚のような手じゃなくて…ボケました。スミマセン! 

 でも、これは焼いたのではなく、封筒に入れて電子レンジでチンしたものですから超簡単。こんなにキレイな色でも置いておくと上の写真のようにさめるんです。ところで、Nさんが言うには、銀杏は10個以上食べると身体に良くないんですって。どうしてと聞くと、血液がどろどろになって心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすいんだと。エッ、ヤバイ!私大好きだからいつも10個以上食べてるし…おまけに血液さらさらの薬を飲んでるんですよ… 


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11 コメント

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Unknown (Unknown)
2021-10-31 05:43:29
お早うございます!
 ギンナンは子供のころ、燃えているカマドに投げ込みで、ポンとはじかせ食べた思い出があります。少し焦げ目がついて香ばしく頂きました。懐かしい思い出です。
 ギンナンについて
https://blog.goo.ne.jp/eiyou-km/e/b87ecfe629bf55f0fb52d2f522843879
参考になるかどうかわかりませんが調べて掲載しています。  K.M 
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本所と言う所 (ころころ)
2021-10-31 07:51:16
ちわきさん、おはようございます

ブログに墨田区亀沢四丁目と見つけ早々書き込みさせていただきます
ころころの生まれ育ちが亀沢三丁目
自分には自慢するところが有りませんがこの町には大いに誇れますよ

子供の頃には「いつまでも遊んでいるとカッパに連れていかれるよ」なんて脅かされていました

亀沢は葛飾北斎の生まれ住んだ所、国技館や吉良邸までは15分歩けば行けます、芥川龍之介も小学校は両国でした

なにより近くの震災記念公園で子供たちがぎんなん拾いをしたことが懐かしいです
長々 お邪魔致しました
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銀杏・ギンナン (ミルク)
2021-10-31 15:42:23
銀杏とかいて、イチョウとも読みますね。
どうして、日本語はこんなに難しいのかしら~と思います。
〝銀杏散る〟とか〝銀杏の実〟〝銀杏黄葉〟としなければ、季語にならない。う~んです。
それにしても、食べては美味しいですが、あの匂いはたまりませんね。
血液ドロドロになるって@@知りませんでした。
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Unknown (ちわき)
2021-10-31 17:53:49
K.Mさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
〝かまど〟も懐かしい言葉ですね。
子供の頃は煮炊きがかまどでしたから上手く火が燃えなくて困ったこともありました。羽釜でご飯を炊いていましたから。
それで澳や灰の中に藷を入れたり栗や銀杏も焼いて…今では考えられない暮しでしたね。
銀杏についての記事をありがとうございます。
銀杏を沢山食べるといけないとは何度も聞いたことがあるのですが、言う人それぞれで…確実なことは調べたことがありませんでした。
見れば、正反対でしたね。血液がサラサラになると…ということは血栓ができにくくなると言うことですね。
とても参考になりました。有り難うございました。
またいろいろ教えて下さいね。
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Unknown (ちわき)
2021-10-31 18:45:32
ころころさん、こんばんは!
コメント有り難うございました。
ころころさんの生まれ育ったところは本所なんですか?…といっても、東京は右も左も分りませんので、同じようなものですが…
〝本所七不思議〟という言葉は聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。
でもいろんな史跡や北斎の生まれ住んだ所とか…両国は相撲の町でしょう?国技館が吉良邸も…この吉良邸が忠臣蔵の討ち入りがあったところですか?
何年か前泉岳寺には行きましたよ。
まあ、東京へ行くたびにどこかを回って帰るのですが、いつも近ければ…と思います。歴史的な跡が至る所に残っていますものね。羨ましいです。
今もころころさんはこの辺りに住んでおられるのですか?
銀杏は拾って持って帰って…どうしてましたか?お母さんへのお土産だったのかしら…
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Unknown (ちわき)
2021-10-31 19:00:01
ミルクさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
銀杏は食べると美味しいからみな好きだと言いますが、拾うとなると…嫌がる人が多い。それに手などがかぶれたりするから。
街路樹でたわわに落ちているのを見ても、わざわざ拾いに行こうとは思わないんです。以前拾ってきて困りましたから、懲りました。
ところで、銀杏を食べると血液がどろどろになると書きましたが、あれは間違いで、正反対ですって。ゴメンナサイ!K.Mさんのブログ記事をクリックしてみて…よく分りますよ。
まあ身体にいいというものは、毒もあると…よくいいますから、薬など服用している人は何にでも気をつけた方がいいですね。
ミルクさんもいろいろ薬飲んでいるのでは?気をつけてね。
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たびたびご免なさい (ころころ)
2021-10-31 19:28:21
ぎんなんのお話の続きです

拾ってきたぎんなんはお婆ちゃんが
手ぬぐい二枚を縫い合わせた袋に入れ
土中に埋めました
要するにまわりを腐らせて中身を取りやすくしたのでしょう
そのぶよぶよも臭い❣(笑)
そして最後は外流しで(井戸水)そのぶよぶよを洗い流しました
それから笊で陰干し一週間で完了でした
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Unknown (ちわき)
2021-10-31 22:16:10
ころころさん、お返事ありがとうございます。
やっぱりおばあちゃんでしたか。
昔のお年寄りは何でも大事にして、食べられる物はいろいろ工夫して食べていたんですよね。
私も土に埋めておいたらいいと聞いて、一度してみたことがあったんですが、…袋に入れなくてそのままだったから真っ黒になって食べられる物じゃなかったんですよ。ナルホドです。私は子供の時は銀杏余り好きじゃなかったけど、ころころさんは?…これ大人の味ですよね。
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Unknown (信州人)
2021-11-03 21:22:52
ちわきさま、こんばんは。

眼圧も一応点眼で下がり、ことなきを得ました。
しかし老眼もあるし、右目、白内障きてるよと。
眼病は落ち込みます。
ご心配おかけいたしました。

銀杏を土中に埋めました、うちも祖母がそうしてました。
「結構手間隙かかるぞい、いっぱいおたべ」
しかし、大人の味で当時はうーんでした。今では好物です。
作ってくれた揚げ饅頭が一番好きでした。
<さみどりのぎんなん祖母の油垢>
師匠からの指摘された俳句の再考もせねばです。
俳句はいいですね。
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Unknown (ちわき)
2021-11-04 02:21:07
信州人さん、お久しぶりですね。
眼の調子がよくないので病院へ…とありましたので、心配していました。
事なきを得てよかったですね。でも、白内障とは…少し早いのでは?
しかし、これは余り恐れなくてもいいような病気ですので…といっても私はまだですが…(*^▽^*)
ぎんなん、これは子供の時お祖母様の言うようにいっぱい食べてたら…大変なことになってたかもですよ。
K・Mさまの記事を読んでみて下さい。
でも〝作ってくれた揚げ饅頭が一番好きでした〟とは、どんなものかしら?ぎんなんが中に入ってるんですか。
<さみどりのぎんなん祖母の油垢>…
笑いましたよ!〈油垢〉とは?お祖母様カワイソウ…きっと可愛がっておられたでしょうに。もっと温かく慈愛あふれるように詠んであげて下さい。
また、無理をせずにガンバッテね。
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