今日は久し振りに朝からしとしとと…でもそんなに寒くはありません。却って生暖かいという感じです。
昨日の二俣瀬の文化祭が済んだ後、常盤公園で9月29日~11月24日まで開催中の「第28回UBEビエンナーレ」(現代日本彫刻展)を見て帰りました。
実はこのビエンナーレが2年毎の開催なので、それに合わせて宇部市芸術祭〝俳句の集い〟でも、「ときわ公園の部」の句を募集しているのです。それで投句された作品をみると野外彫刻などを詠み込んだものがたくさんありましたので、選句のために今年の受賞作を見に行ったのです。やはり彫刻などは説明だけでは分かりませんし、また実物を見ずに選句するのは作者の方々に失礼ですものね。
句に登場していたのは、「夢枕(石の枕)」や「虹色の椅子」、「くらげ」などが多かったんですが、実際に作品を見て、手で触れてみたり、座わってみたりと…。やはり吟行と同じですよ。テレビや写真で眺めていても、それは視覚だけですもの。気温や風や太陽の光…水や土の匂い、人の声も…子供たちが彫刻に乗ったり、潜ったりする姿も…ああ、赤ちゃんの泣き声や乳母車、車椅子など、などと…、ほら、み~んな頭で考えただけではダメでしょう。やっぱり出かけないと!
俳句というものは基本的には現場での実感を詠む方がいいと、私は思っていますが、でもそれが出来ないときも多いですよね。そういう時のために、行ける時にはあちらこちらへ行って、その見聞や体験、思い出などをい~っぱい詩囊(しのう・詩人が詩を作るもととなる詩想や感情をたくわえておく袋)に蓄えておくことです。そうすれば、もし動けなくなったとしてもそこから詩を紡いで作ることもできるんですからね。
まあ、人はそれぞれですから好きなように作っていいのですが、たくさん選句していると、これ何となく匂う??ので聞いてみますと、〝実はテレビで観ました〟と。そんなに上手に詠めなくってもいいから実感の籠った句の方に私は惹かれます。
では今年の〝UBEビエンナーレ〟の受賞作品をご紹介しましょうか。説明は省きますので、見て感じて下さ~い!
①「ク・ラ・ゲ・だぞー」 仲田 守 毎日新聞社賞
②「collecting view in the well」 四方謙一 山口銀行賞
③「Plantronica Ube」 岡田健太郎 宇部興産グループ賞
③「曲率のシンフォニー」 加藤 淳 宇部商工会議所賞
④「風路」 川村秀彦 島根県吉賀町賞
⑤「みんなで微笑む(虹色の椅子)」 志賀政夫 島根県立石見美術館賞
⑥「夢枕」 平田 茂 ※俳句に一番よく詠まれていましたが、残念ながら受賞作ではありませんでした。
⑦「森の掟 The law of the forest」 伊藤嘉英 ※これは「第27回UBEビエンナーレ」での宇部興産株式会社賞でした。子供たちが出たり入ったりしていましたので、私も中へ…まるで〝天の川〟を見るようでした。先日の吉部の彫刻、これも以前に賞をもらったものでしたが、〝じいちゃんの鼻の穴に宇宙があった〟を思い出してしまいました。
⑦「はじまりのはじまり」 三宅之功 大賞(宇部市賞)
この作品も見上げるほどに大きいですよ。高さは3メートル50センチ、重さ4トン。卵型の彫刻にステンレスのプレートとコケをあしらい、「生命の誕生とその始まり」を表現したものだと。作者の三宅さんは、「この会場に作品を設置してから、コケに飛来した植物の種が付き、もう育ち始めている。枯れてしまうのも成長するのも運命。今日から宇部の地で命が込められて作品が成長していけば」とも。
以上、受賞作品と私が気になった作品を載せましたが、撮り忘れているものがありました。山口県立美術館賞の「雲の上にあるもの」という関 玄達さんの作品です。ゴメンナサ~イ!また行った時に撮りますね。
でも彫刻というのは、見る角度によって全く違って見えたりしますし、大きさが分からないとその作品のメッセージも伝わらなかったりと…。私の下手な写真では作品の良さを十分伝えられていないと思います。やっぱり実物を見ることですね。是非興味のある方はおいで下さいませ。もうすぐ終りますが…、でもまた再来年もありますからね。入場無料ですよ。
ちなみに今年の「現代日本彫刻展」では、日本を含む42ヶ国318点(国内229点/海外89点)の応募の中から選ばれた15点が野外彫刻として展示され、入選の40点は「入選作品プラン展」として、ときわミュージアムに展示されています。やはりプランの模型だけでは作品の本当の価値は分からないような気がします。でも実作するとなると大変な作業になるんでしょうし、費用もかなり掛かるのでしょうからね。展覧会終了後、上位受賞作品はまちなかや公園・学校等に移設され、市内では常時200点の歴代出品作品を鑑賞することができるんですよ。
夕方まで日が照っていたのが急に翳って来て、風も冷たくなりましたので、早々に帰途につきました。出口への路の電線に、きっと鳩でしょうね…群れて止まっていました。人も疎らになって何だか寒そう…!
野外で出来た当座は脚光を浴びた
従来の彫刻と違うんだな
素材が違う
これからの彫刻は素材だなと感じた
ロダンの考える人がある
右手を左の足のひざに置いている
動作とすれば、不自然だな
しかし、ちょっと見には、不自然さはない
>宇部ビエンナーレもいわゆるア-トだな
彫刻などは版画と同じで、何体でも作れる
まあ素材だな
料理や調理も素材が肝心であるが、彫刻もその流れかな
>俳句というものは基本的には現場での実感を詠む方がいいと
その通りですな
俳句だけでなく、机に座ってるだけでなく、あらゆる物がそうだな
ジャ-ナリストもしかり、足で書かなくてはならないな
>矛杉の月をかかげて祭果つ
>どこかの神社の大きな一本杉に月がかかっている。あのむんむんするような祭も終って、今は人気も無くしいんと静まり返って、ただ月の光だけが皓々と…。季語は「祭」で、夏なんですよ。
ようやく情景が読めました
説明とは野暮なものかも知れない
蛇足とは悪くはないかも知れない
矛杉に惑わされた
矛杉とは杉の種類ではなく、何かなと思いつつ
しかし、杉とは針葉樹で尖っているんだな
何のことはない、矛のように尖ってる杉か
矛杉が季語かなとも思いつつ、季語とは難しい
祭りか
祭りは冬でもやるし、夏だけでなく、秋でもやるな
面白うて やがて悲しき 鵜飼かな
喧騒のあとは静寂が付き物だな
説明されて分かりました
もっとも説明されても分からんこともあるがの
>風の盆さんはおいくつ?天長節とか明治節とか…私は言葉は知っていますが、実感がありません。
「ちわき」さんより年齢は2歳若いな
小生は付き合っていたのが年配者が多いんだな
世代とか言われるが、俳句だけでなく、同じ光景をみても感じる感覚感性は人さまざまであるな
まして考えていることも異なってきますな
上智大学
あそこはカソリックとか、意外なんだな
そこに渡部昇一がいた
まあ、思想的には右翼、パリパリの右翼なんだな
彼は戦争中フランスに留学していたが、小噺がなぜ面白いのか分からなかったと
10年20年では分からなかったと
30年フランス語をやって、やっと小噺の面白さが分かったと
30年だな
〝小生〟の「小」は、きっと強調なんでしょうね。本当なら〝大生〟だと言うべきかしら…
箱根の森の美術館は聞いたことがありますが、行ったことはないです。だって箱根に行ったのも2,3回かな…ああ、そうだ、昔は修学旅行が東京で、芦ノ湖遊覧でその度にあの海賊船に乗ったけ。懐かしい!
俳句は短い分、多くの約束事が…というより暗黙の了解かも。
私は、季語は〝旬〟ですよと教えています。そのものが一番美味しいとき、一番きれいなとき、いちばん盛んで旺盛なときなどを考えれば、それが季語なんです。
月は年がら年中ありますが、一番美しいのは秋だから、秋の季語。
祭ももともとは、京都の葵祭を言っていましたから夏(初夏)だったんですが、それが夏にはやる疫病や災厄などを払うための祭としても言われるようになって、だから夏なんです。秋祭や春祭は農業での祭で、春は豊作を祈願し、秋は収穫を感謝する神へのもの。
でも、情景が読めてよかったです。
あの句は、明から暗ヘ、動から静への人と自然の関わりを詠んだつもりなんですが。
さて、さて、納得できるまでに30年と…何ごともそうでしょうが、俳句は50年やっても分からないんですって…私ももう30年は過ぎてしまいましたものね。イヤ~