先日の万倉吟行の続きで~す!
芦河内の薬師堂を後にして、次は〝今富(いまとみ)ダム〟へ。このダムは、以前紅葉ウォーキングのイベントに参加して歩いたので、その時書いたことがあります。
ダムというものは規模の大きさに違いはあってもどこも似たり寄ったりですが、この今富ダムを簡単に説明しますと、山陽小野田市を流れる有帆(ありほ)川の支流、今富川にあるダムです。用水の確保と災害防止のために造られた県営治水ダム。公園には遊歩道や四阿(あずまや)などがあるほか、桜や菖蒲、秋の紅葉など四季を通じて楽しめる憩いの場となっています。
写真は、下見の時のもの。ダムの下は公園になっていて、ちょうど白梅の良い香りがしていました。傍の田圃が赤くなっているので…?…と近づいてみると〝仏の座〟の花盛りでした。
吟行の13日は桜にはまだ早かったし、下見の時の見事な白梅はもう殆ど散ってしまっていたし…さて、見るものは…椿と馬酔木ぐらいだったかしら…ああ、菫(すみれ)も咲いていましたね。
ひとしきり下からダムを眺めた後、ダムの上に上がってみました。するとしばらく止んでいた雨がまたショボショボと降りだし、これではもう見るものも無くなったことだし…そろそろ引き上げようかとしていたときのことです。
実は天から降って湧いたような…いいことがあったんですよ。目の前の上空を突然鳥の大群が…〝わあ、スゴイ、スゴイ!〟〝渡り鳥?いや、違う、違う、春なんだから帰る鳥よね~〟などと、ワイワイ言いながら見ていると、まるでダムの下から湧いてくるかのごとく次から次と、終りがないように鳥の群が過ぎて行きます。すると、今度はある一群が一斉に湖へバラバラッと急降下です。わあ、残念!望遠鏡を持って来れば良かった!肉眼ではハッキリとは分かりませんでしたが、結構大きめの鳥でしたから恐らく鴨類ではないかと思います。
写真を撮ろうと必死でシャッター押したんですよ。が、咄嗟のことでピントも望遠操作もメチャメチャで…ゴメンナサイ!でも何となくイメージは湧きませんか?
秋冬に渡ってきて日本で越冬した鳥たちが、春に北方の繁殖地に帰るのを、俳句では「鳥帰る」とか「鳥引く」などといいます。鳥には、鶴や白鳥、雁、鴨など大形のものから鶫(つぐみ)や花鶏(あとり)、鶸(ひわ)などの小鳥まで、種類は多いのですが、それらをまとめて「鳥帰る」という季語なんです。ただ大形になると、「鶴引く」や「白鳥帰る」「鴨帰る」などと鳥の種類でいう場合もあります。
俳句を詠む人なら、秋の「渡り鳥」や春の「鳥帰る」という季語は一般的で誰でも知っていますので、大抵何度かは詠んだことがあるでしょう。しかし、このような大群が次から次へと飛んで行くスケールの大きな情景は見たことがなかったのでは?
聞いてみると、やはり始めての人が多く、また見たことのある人でもこんなにスゴイのは始めてだと…。私もここまでの大規模な渡りを見たのは始めてでしたもの。こういう場面は一瞬のことですからそう易々とはお目にかかれないものなんですよ。場所や時間がちょっとでも違っていたら見られなかったんですから、本当にラッキーでした。
こういうものというのは一度見ておくと目に焼きつきますので、今後この季語を使う時は必ずこの映像が浮かんできます。だから見たことのある人と見たことのない人では作句をするのに大きな差が出てくるんです。本当に良い経験をしましたね。これもきっと参加された方々の心掛けの良さのお陰でしょう。アリガタイコト!
これで、もう句材はバッチリです。しかし、昼食までにはまだ少し時間がありましたので、もう一ヵ所寄ってから行くことにしました。というわけで、また今回も長くなりましたので、この続きは次にでも…ね。
良い吟行をされましたね
私もかなりあちこち吟行しましたが
鷹の渡りを見た景色がまだ瞼に残っています 非日常の景色でした
残る鴨 は日常なんですがね
お返事が遅くなりました。(m_m)
こういう印象の強い場面に出くわすと本当に映像が生涯残りますね。
私も鷹の渡りを長崎の佐世保まで観に行ったことがあるんですよ、そこで頭上を渡っていく鷹を間近に観察出来て感動しました。狭い山頂にカメラマンの方がとても多かったですが…
しかし、それを観てからは、こちらでも鷹の渡りの観察会があるので何度か行きましたが、やっぱり影が薄いですね。
でも東日本震災のような非日常は目に焼きついてほしくないけど…ねッ。