昨日は午後から俳句教室、今日は朝から吟行会でした。
昨日の教室が終って外に出ると、久し振りの青空に眩しい日差しまで。これぞまさしく梅雨晴間、明日の吟行会は大丈夫かもねと…
ところが、今一つの天候でした。一応午前中は曇りという予報でしたのに、少しパラパラと…でもたいしたことはなくまあまあの吟行が出来ました。
まだコロナが落ち着いていない状況ですから今回は近いところでということで、宇部市内の宗隣寺とその近くの護国神社への吟行でした。どちらも何度も行っていますので、みんな見飽きているところ。その見慣れた情景から新しい句材を見つけ出すというのが今日のテーマですよと言うと、早速〝今日は絶対古刹という言葉を使わずに詠んでみようと思っていま~す〟という人が…。なかなか良い心がけですね。これでみんなも刺戟を受けて、さあそれでは句材探しへ…出発!
以前にもこの〝宗隣寺〟については紹介しましたが、山口県ではまあ有名なお寺なんですよ。
この寺は、奈良時代の777年(宝亀8年)、唐より来朝した為光和尚によって松江山普済寺として創建されたと伝えられる古刹で、江戸時代の1670年(寛文10年)、長州藩永代家老で宇部領主であった福原広俊(15代)が菩提寺として再興した禅宗(臨済宗)の名刹です。1983年(昭和58年)には国指定名勝を受けました。
特に有名なのは本堂の北側にある築山泉水庭で、「龍心庭」と呼ばれている県下一の古庭園。池の浅瀬は干潟様、池中の8個の立石は夜泊石(よどまりいし)と称されていて、「東の毛越寺(平泉)と西の宗隣寺」のみに現存するという鎌倉(南北朝)時代の遺構をのこす貴重な書院庭園なんです。
立石を2列に配置したこの〝夜泊石〟は、蓬莱へ向かう集団船(宝船)が夜のうちに船溜まりに停泊している姿を抽象的に表現したものといわれています。他にこの夜泊石が見られる庭園では、世界遺産・特別名勝になっている金閣寺や西芳寺などだと。
また、〝干潟様〟というのは、池畔に小石を敷いて、池の水位により干潟が見え隠れする潮の干満を表現したもの。これが日本に現存するのは、この宗隣寺と世界遺産で特別名勝・特別史跡の毛越寺だけだと。スゴイでしょ!(この写真はブレていたので、お借りしました。スミマセン!)
私も最初この庭園の良さが分らず、初めて見に来たとき〝ふ~うん〟という程度でした。私が結婚してここに来た頃の知識では、宇部といえば石炭の町、それで栄えて一躍村から市へ昇格したところだということぐらい。地元でもそれほど宗隣寺のことを自慢げに言う人もなかったような…。
要するに、山口県といえば萩にある吉田松陰の松下村塾をはじめとする明治維新に関わる史跡や平家物語で有名な壇ノ浦など、日本の歴史を大きく変えた史跡がありますので、宇部などに関心を持つ人などは殆どいなかったのです。更に山口県には秋吉台とか錦帯橋とか他に見るべきところはたくさんありますので。
いつか東京で出身地を聞かれたことがありました。〝山口県の宇部です〟というと、〝ああ、あの宇部商があるところ…〟と。ちょうど無名の宇部商が甲子園に出場し、全国の人々の予想を外してあれよあれよと勝ち進んで、〝ミラクル宇部商!〟とまでいわれ、準優勝した頃のことだったかしら。まあそれぐらいしか知名度のないところでしたものね。
もし、宇部が立派な歴史的遺産のあるようなところだったなら、また、宗隣寺が萩の近くにあったとしたらこの庭園も、世界遺産とまではいかなくとも特別名勝ぐらいにはなったかも。規模は少し小さいですが、それぐらいの価値は十分にあるのではと思います。最近は観光バスも来て、少し宣伝しているようですが。でも、観光地化されて喧噪になるよりは、こういう鄙びてひっそりとしたところが却っていいのかも…。
ところが、その素晴らしい価値を一番分ってないのが宇部市民なのかもしれません。アハハ… 要するに宝の持ち腐れですね。しかし、私も今回じっくりと拝見していると、その良さがしみじみと感じられ、だんだん心が安らいでいくようなそんな気分になりました。ここではもうコロナのことなんか全く関係な~い……でも、みんなしっかりマスクをしていましたが。(笑)
その後、もう少し時間がありましたので、護国神社までぶらぶらと…田圃の中の小道を歩いて行くと、やっぱり何かみんな拾ったようですよ。吟行は決して目新しいところばかりでなくてもいいんです。ほら〝犬も歩けば棒に当たる〟というでしょう。でも、このことわざには二通りの意味があって、本来は災難に遭うという悪い意味だったらしいのですが、吟行では、もちろん思いがけずいいものに出会うということね。
さて、みんなどんな句材を拾ったのかしら…楽しみ!
他にも写真や話などがありますが長くなりますので、それはまた次に…。今日はここまでね。
頭垂れ朝の出会いの子とダリア に、ご指導ありがとうございました。
やはり子が言い過ぎたでしょうか。
頭垂れ朝の出会いのダリアかな からこう変わりました。
頭垂れ朝のあいさつダリアかな からでした。
再度ご指導いただけるとありがたいです。
頑張ってますね!
さて〈頭垂れ朝の出会いの子とダリア〉の句について…
最初は〈頭垂れ朝のあいさつダリアかな〉で、次に〈頭垂れ朝の出会いのダリアかな〉になったと。
ここにもう三面相さんが力んでいるところが分りますね。〈頭垂れ〉の語を動かしていないでしょう。ここが問題!誰が誰に頭を垂れているのでしょうか?
初句に〈朝のあいさつ〉とあるから、ダリアが作者へ?作者がダリアへ?どちらか分りにくいでしょう。この句からするとダリアがでしょうから、そうすれば擬人法になりますね。挨拶の語を使えば当り前で…不要ということ。最後は子が登場…ますます複雑になりましたね。とにかく比喩はやめて、誰が誰にというポイントを押さえること。
例えば、子どもなら〈ダリアにも挨拶をして登校す〉また作者なら〈ダリアにも声かけ朝のウオーキング〉とでもすれば景がよく見えてくるはず。これからは視点を一つに絞ることを覚えて下さいね。
以上、俳句のミニ講座でした!
山口と言えば、津和の、錦帯橋、松下村塾、・・・宇部商のあれよあれよの読み進み。
旅に行きましたので馴染みでした。
尚も進むと異郷の境地へ、夜泊石、干潟様と全く知らぬ存ぜぬの・・・・フウ、フウと読み終えた。
はじめてお目に掛かりました、大変学びになりました。
1句
蓮の花夜泊石や間の向こう
≫兼題は〝梅雨晴〟と〝梅雨明〟の添削有難うございました。
中味の濃いご指導有難う~~でした。
、
先生のご解説でよく理解できました。
何もかも書きたがる文章力のなさです。
この後出来るかどうかそこが問題ですが頑張ります。
宇部市って、どんなところか本当に知りませんでした。
文中にもありました、秋吉台や、錦帯橋は有名ですから知っていましたが。
意外と地元の良さは、知らないものですね。
いつも、俳句に関係ないよもやま話でごめんなさいね。
ところで、津和野は山口に近いですが島根県なんですよ。アハハ…
新山口駅から津和野駅までSLの〝貴婦人号〟が走るので有名かしら。他に宇部というと……会社員の人なら「宇部興産」を思い浮かべるかもしれませんね。
〈蓮の花夜泊石や間の向こう〉の句、三段切れになりましたね。それに池には蓮の花ではなく睡蓮でしたので、〈睡蓮や夜泊石の向こうにて〉ぐらいになりますか…。
私だってミルクさんの住んでいるところ…秋田ということしか知らないものね。秋田といっても広いんでしょうからどこに何市があって…ということ知りませんもの。
去年の夏見に行った「竿灯」で秋田市を少し…後は何処をどう走って山形県へ抜けて行ったのかさっぱりですもの。
狭い日本なのに、人が一生で知り得る所なんてたかが知れていますね。世界になればもう無限なのに…
よもやま話大好きです。これからもよろしく。