渡辺武著 わかりやすい漢方薬
第二章 漢方薬はどう診断するか
3.血の道症 (血毒症―気滞証)
P123 大腸と呼吸器と皮膚の関係
香りがある、いい匂いだ、ということは、人間にとっては薬物として大変な効果をもっているわけです。
香りといえば、代表的なものに女性が日夜つけている香水、香油があります。
なぜ、人間は皮膚や頭に香り高いものをつけるのか。
この慣習を調べてみると、西洋ではギリシャ・アテネ時代から、東洋では唐・宋のころから、身につけてきました。
これには三つの効用があるからです。
まず、カビの繁殖を抑える作用です。
人間が皮膚から水分を出していることは、バケツ一杯の水というような多量ではありません。
四六時中皮膚は汗や気体として水分を出しています。
汗は体内の蛋白質の分解物や塩分なども、一緒に体外に排泄しているわけなのです。
微量な蛋白質の混ざった水分は、腐敗発酵もします。
発酵した皮膚に微生物がたまれば皮膚病ですし、カビが巣くえば水虫をいうことになるのです。
ところが、香りの高いものは微生物の繁殖を抑える作用があるのです。
二つには刺激をするということ―唐辛子をなめると口の中がカッとしますが、カッとするのは血行を高めていることであり、発散作用を助けることになるのです。
女性は中年になると小ジワが増えるといいますが、シワが増えるのは血行が悪くなった証拠です。
抵抗力をつけて血行がよくなれば、皮膚はスベスベしてくるのです。
三つ目の効用は、香りの高いものは液体を発散してくれるということです。
たとえば、水虫というカビは、皮膚にジクジク水分があって、蛋白質という栄養がふくまれていて、体温という適度な温度があれば、どんどん繁殖します。
乾燥した皮膚は微生物にとっては苦手なのだから、皮膚表面を乾かしてやればいいのです。
香りの高いもの、香水などを手につけると、つけた皮膚がスッとします。
水分が気体になって気化熱を奪うから、スッと涼しくなるのです。
それと同じく、香りの高いものは水分を発散させる作用があるのです。
昔から香水・香油は、この三つの効用をちゃんと備えてきたわけです。
中国では二千数百年前、神農さんという神様が、草根木皮を飲んで人体実験をしてきたといわれますが、人間の内部はどうなっているかということなど、大変な興味であったわけです。
漢方の本を読んでみますと、皮膚の裏返ったのがくちびるで、この裏側が肛門までつながって、いわゆる裏が成り立っているとしています。
いいかえると、辛い唐辛子をなめて口の中がカッとすれば、胃も腸もそうなると信じて、薬の効力を確かめてきたのです。
人間は食物を食べると、大体二十四時間は体内にあるのが普通です。
新鮮な魚でも二十四時間も三十七、八度の温かいところにあったら腐ります。
胃酸は発酵を防ぎますが、暴飲暴食で水をジャンジャン飲まれては、いかなる胃酸も水割り同然です。
この腐敗を防ぐためにも香り高い香辛料が必要になってくるのです。
ピリッとした香りの高いものは、内臓の粘膜に触れると、皮膚表面と同じ効力を発揮するのです。
肉食のヨーロッパ人にスパイスが発達したというのも早くいえば、肉という腐りやすい食物を摂るための人間の英知であったといえるのです。
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