渡辺武著わかりやすい漢方薬
第二章漢方薬はどう診断するか
2 氣のやまい(気毒症-氣滞症)
香辛料という薬味の効用
戦後、正倉院の宝物を調査したとき、ある唐櫃に入った千二百年前の文書が、昔のままに紙の色も変らず保存されていたのです。
虫ひとつ食っていないのですから、我々調査団はおどろいたのですが、それは中に入っていた一袋の〝匂い袋〟のおかげであったのです。
源氏物語のなかに「えびの香」という薫香料が出てきますが、そのえびの香はどんなものか千二百年間も不明のままだったのです。
そのえびの香が、実は正倉院の御物の中に入っていた〝匂い袋〟であったのです。
香りが千二百年間もカビやシミを寄せつけなかったのだから、高い香りは大変な抗菌、抗カビ、殺虫の効力をもっているということが証明されたわけで、香り高い、辛い香辛料にも同じことがいえます。
香辛料は、ほとんど植物性であり、動物性はほんの一部です。
この香辛料の成分を科学的に分析してみると、病原菌を繁殖させない抗菌作用のある成分を含んでいるのです。
日本人は香辛料といえば、七味唐辛子、ワサビ、ショウガぐらいしか頭に浮んできません。
せいぜい、洋辛子と胡椒を入れたら、もう答えられる香辛料は備えていないのではないでしょうか。
唐辛子のようなものだけが香辛料ではありません。
手近なところで、食品として利用している肉桂、月桂樹、紫蘇、ニンニク、ラッキョウ、ニラなど、マイルドな香辛料はいくらでもあります。
みかんの皮とか、ゆずとか山椒とかいろいろあります。
これを食品として活用することが第一です。
スパイスというと、インドのカリーの話が出てきます。
伊丹十三氏はカリーの辛さを「sitaを握って踊りだしたくなる辛さ」といっていますが、それに使われる香辛料はニッケイとかサフラン、カルダモム、茴香、ニクヅク、ウコン、ショウガなど八、九種類もあるのです。
インドは一年中暑い地方、皮膚からの水分の発散がはげしく、皮膚表面ばかりに血液が流れていたら、内臓は機能を果たせなくなり、食欲不振になるのです。
だから内蔵機能を高めるためには、舌を握って踊りたいほどの辛さが必要なのです。
この辛さが胃腸の働きを助けているわけです。
インドで高蛋白、高脂肪の食事を摂っても処理ができません。
スムースに消化吸収していく食事というのはカリーだということです。
インドのような土地柄では、漢方薬でいう〝辛〟の薬、大腸と呼吸器と皮膚に働く香辛料を、毎朝七、八種類は食べているということです。
香辛料というと、胃腸の話ばかりになりましたが、また呼吸器である肺や気管にも深い関係があります。
人間は肺からも水分を呼吸しながら気体で出しています。
水では出せないのですから、胸がつまったり、憂うつになります。
鼻がつまるのも、水分が多くて気体として出きらないからです。
香辛料を食べたり、薬物として飲むことは、この発散を助けてくれることなのです。
日本人は、香辛料を刺激物として、なるべく食べないのが常識とされていますが、実はそれは〝腎臓が悪くなるから塩分を摂るな〟というウソと同じく、常識のウソなのです。
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