知柏地黄丸に含まれる生薬
渡辺武著平成薬証論より
黄柏 オウバク 黄柏 〔薬味薬性 苦寒 血剤〕 檗木 檀桓(だんかん)
〔基源〕 ミカン科
キハダ、日本各地の山地に自生する落葉高木。夏の土用前後に樹皮をはぎコルク層を除いて乾燥したもの。
苦味健胃剤に一日三~五gを煎剤又は粉末薬として用いる。
キハダエキスは奈良の陀羅尼助、山陰の練熊、木曽の百草など腹痛や下痢の妙薬として家庭薬に盛んに用いられる。
またベルベリンは殺菌・抗菌・消炎作用が顕著で新薬の整腸剤の原料としての需要も多い。
民間では煎剤を眼病の洗眼料とし、果実をしぼり種子を除いたものに砂糖を加えたものを練り薬として用いた。
黄柏を使った薬は、東北の「熊の胆(イ)」、木曽の御岳山の「百草」、関西の「陀羅尼(ダラニ)助(スケ)」「陀(ダ)羅(ラ)助(スケ)」などがあります。
熊の胆は真っ黒で苦く熊胆に似ているところから、その名が付けられました。
これは黄柏を煮詰めた真っ黒なエキスを竹の皮で包み乾かしたものです。
陀羅尼助は大和の当麻(タイマ)寺(デラ)で昔から売り出されていたもので、陀羅尼経を読みながら大きな鍋で黄柏をグツグツ煮て濃縮させたものです。
大峰山の山中では農民がやはり黄柏の濃縮物を作って、登山者や行者に陀羅助、陀羅尼助として売っていたのです。
大岡越前が奉行の時に、陀羅尼経を読んで薬を作るものだから当麻寺で作るものが本物で、大峰山の方で紛らわしい名称で勝手に売られては困ると訴訟が起こされたのです。
この時、大岡越前は陀羅尼を読んで作る当麻寺のものは陀羅尼助とし、お経を読まない大峰山のものは陀羅助としなさいと、裁きをつけたといわれています。
京都では古い看板を保存しようという動きがあるのですが、陀羅尼助の立派な金看板を見かけることがあります。
それは昔の薬屋の看板だったものです。
日本人は腸が長いので腸管に水が溜まりやすく、炎症を起こすことが多いのですが、黄柏はその腸管の炎症をとる薬です。
黄柏の帰経は大腸経で、直接腸に働き、腸炎など腸に熱症をもった時に有効です。
このように黄柏は、消化管の熱症や皮膚の内出血などに、広範囲に使われる薬です。
黄柏の採取は信州では、キハダが最も水を吸い揚げる七月頃行われ、夏の風物詩だったものです。
コルク層と木部とあま皮を上手に分離するには、この時節でないとできないのです。
黄柏は幹が太くてあま皮が厚く、色素が濃厚に溜るものを良質品とします。
本文補追
中国には中国産のキハダがあります。
日本ではキハダは消炎剤として使われています。
ことに外傷や打撲の際に炎症をとるために湿布剤として使われたり、非常に普遍的な生薬です。
本文補追
江戸時代に殿様が武士に与える石高を定めた契約書は、黄柏で染めた黄色い紙でした。
黄柏で染めた紙は虫が付かないのです。
また黄柏で染めた衣類を身に着けると虫が付かないし、ケガをしても早く治ります。
これは分子運動による共鳴現象で、たとえば苦寒の生薬を身に着けると痒くならないし、熱もとれるということがあります。
黄柏の他にも紅花や藍、紫根などで染めたものを着るのは、みな薬理的な意味もあります。
本文補追
禅宗の一派に黄檗宗(おうばくしゅう)というのがありますが、上海の少し南に本山があり、黄檗宗万福寺といいます。
そこに大きな黄柏の大木があります。
京都宇治の万福寺は、黄檗宗の僧であった明人の隠元を開祖としています。
口が渇く、疲れ、むくみなどの諸症状にクラシエ薬品知柏地黄丸 腎の衰えからくる諸症状には、知母(ちも)、黄柏(おうばく)を配合した「知柏地黄丸」
知柏地黄丸に含まれる
黄柏と知母
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