冠心逐瘀丹・かんしんちくおたんの構成薬物
丹参・芍薬・川芎(せんきゅう)・紅花・木香・香附子
の臨床応用、作用
丹参・たんじん クラシエ冠心逐瘀丹・かんしんちくおたん・エキス顆粒 優れた活血力!丹参のチカラ
丹参
性味は苦・涼。心・肝経に入る。効能は活血祛瘀、安神寧心。
臨床応用は
①月経不順、閉経、産後瘀滞腹痛、冠動脈性心臓病狭心症、癥瘕積聚、風湿痺痛、心悸、不眠症を治す。
②乳腺炎、癰腫には内服すると同時に搗き砕いて貼付する。
注射剤は血圧を降下し、冠動脈血流量を増加し、心拍数を減少し、実験性心筋虚血の持続時間を短縮しうる。なお、血小板の凝集を抑制し、抗凝血作用がある。実験性急性心筋塞による病変を軽減する。中枢神経系にたいして鎮静作用がある。
またウサギの血糖を低下させる。
冠心逐瘀丹・かんしんちくおたんに用いられる 芍薬 赤芍薬(せきしゃくやく) 出典は「本草経集註」。(渡辺武著平成薬証論では出典は神農本草経・名医別録、芍薬のみの記載、白芍薬、赤芍薬の区別はない)
赤芍薬(せきしゃくやく)
性味は苦・微寒。肝・脾経に入る。
効能は清熱涼血、活血祛瘀。
臨床応用は
①熱病発疹、止血、衄血、血痢、腸風下血治す。
②経閉、痛経、瘀血腹痛、胸脇疼痛、目赤、癰腫、打撲傷を治す。
paeoniflorinは実験動物の胃・腸及び子宮の平滑筋に対し鎮痙作用があり、鎮痛、鎮静、解熱、抗炎症、抗潰瘍作用もある。
白芍薬(はくしゃくやく) 出典は「本草経集註」。(渡辺武著平成薬証論では出典は神農本草経・名医別録、芍薬のみの記載、白芍薬、赤芍薬の区別はない)
白芍薬(はくしゃくやく)
性味は苦・酸.微寒。肝・脾経に入る。
効能は養血斂陰、柔肝止痛。
臨床応用は
①頭痛、胸腹脇肋疼痛、瀉痢腹痛、腓腸肌痙攣、手足拘攣疼痛、自汗盗汗を治す。
②月経不順、月経痛、崩漏、滞下を治す。
Paeoconiflorinはマウスに対して鎮静、鎮痛・抗驚厥の作用を有し、ラットに対して抗炎症作用がある。また、ストレス性胃潰瘍を予防し、胃液分泌と胃腸運動を抑制し、子宮をも抑制する。
イヌの冠動脈と後肢血管を拡張させる。
本品は甘草の有効成分Fm100と多方面に亘って協同作用があり、従って“芍薬甘草湯”の組み合わせの合理性が実証された。
芍薬(しゃくやく) 冠心逐瘀丹・かんしんちくおたんに含まれる生薬 渡辺武著平成薬証論より 芍薬 シャクヤク 芍薬 〔薬味薬性 苦平 水剤〕
芍薬(しゃくやく) 冠心逐瘀丹・かんしんちくおたんに含まれる生薬
渡辺武著平成薬証論より
芍薬 シャクヤク 芍薬 〔薬味薬性 苦平 水剤〕
本経
味苦平。邪気○気、腹痛○気を主る、血痺(*ケッピ)を除き○血、堅積○血、寒熱○気、疝瘕○血を破り、痛を止め○気、小便を利し○水、気を益す○気。
神農本草経
味苦平。主邪氣、腹痛、除血痺、破堅積、寒熱、疝瘕、止痛、利小便、益氣。
別録
味酸微寒、小毒有り。血脈を通順し○血、中を緩め○脾、悪血を散じ○血、賊血を逐い○血、水気を去り○水、膀胱(*ボウコウ)○水大○水小腸○血を利し、癰腫を消し○血、時行の寒熱○気、中悪○気、腹痛○気、腰痛○気を主る。
名医別録
味酸、微寒、有小毒。主通順血脈、緩中、散悪血、逐賊血、去水気、利膀胱、大小腸、消癰腫、時行寒熱、中悪、腹痛、腰痛。
苦は血症にも対応でき、水剤と規定することで、本経、別録の病症はすべて解消できますから、芍薬の薬味薬性は別録の酸微寒ではなく、本経の苦平とすべきです。
「芍薬は大小腸の水滞を小水で排泄する苦平の水剤である。」と規定することによって初めて、本経、別録の芍薬の薬能を最大公約数的に解明する薬証となりうるのです。
芍薬の薬証の決定は、漢方の合理性の基本となるものであり、極めて重要ですから総論に論考をまとめてあります。
〔基源〕キンポウゲ科
シャクヤクの根、中国東北、シベリア原産の宿根草。薬用には根を鎮痙・鎮痛薬とし、頭痛・胃痙攣・腹痛・神経痛・月経痛などに家庭薬として多く用いる。
漢方では収斂・緩和・鎮痙・鎮痛剤・筋肉ことに直腹筋に凝結充実の感覚があって拘攣するものを緩解し、腹痛・腹満・身体疼痛・下痢・化膿性腫物を治癒する効果がある。
川芎(せんきゅう・芎はくさかんむりに弓) 冠心逐瘀丹・かんしんちくおたんに含まれる生薬 出典は「湯液本草」。(渡辺武著平成薬証論では「神農本草経」「名医別録」)
川芎(せんきゅう・芎はくさかんむりに弓)
性味は辛、温。肝・胆・心包経に入る。
効能は活血行気、散風止痛。
臨床応用は
①月経不順、産後瘀滞腹痛、通経、閉経、胸脇脹痛、冠動脈性心臓病狭心症を治す。
②感冒風寒、偏正頭痛、風寒痹痛、癰疽瘡瘍、打撲傷を治す
煎剤と精油は動物の中枢神経に対して鎮静作用があり、水浸出液とエチルアルコール浸出液は麻酔動物に対して血圧降下作用がある。tetramethylpyrazineも血圧を降下し、冠状動脈の血流量を増加し、冠状動脈の抵抗を低下し、血栓形成と血小板の凝聚を抑制することができ、すでに形成された凝固塊に対して溶解作用がある。アルカロイドは急性心筋虚血と酸素不足に対抗する作用があり、酸素不足にたいする耐性を高めることができる。エキス剤はウサギの子宮にたいして収縮作用があり、小腸にたいして抑制作用がある。ferulic acid と cnidium lactone は平滑筋にたいして鎮痙作用がある。
行気=利気法の1つで、気滞証を示す場合に気滞をめぐらせて散ずる方法、化気、通気、破気、利気ともいう
通経=月経不通を通じさせる方法
風寒=風邪(有熱性炎衝性病変)と寒邪(麻痺性萎縮性病変)とが結合した病邪のこと
七十二候通信 次候5/26~ 紅花栄 べにばなさく (紅花が咲きほこるころ)
紅花(こうか)
性味は辛、温。心・肝経に入る。
効能は活血通経、祛瘀鎮痛。
臨床応用は
①経閉、痛経、産后瘀滞腹痛、癥瘕積聚、冠脈不全による狭心症、打撲傷を治す。
②50%紅花の浸出液10~15mlに10%ブドウ糖液250mlを加えて1日1回ずつ静脈点滴注射を行うと、脳栓塞を治す。紅花の煎剤は各種の動物の子宮と腸管に対し、興奮作用を呈する。又は降圧作用を有する。
木香(もっこう)冠心逐瘀丹・かんしんちくおたんに含まれる生薬 出典は「神農本草経」。 別名は広木香。 キク科植物モッコウ Aucklandia costus Falconer の根である。
木香(もっこう)
性味は辛・苦、温。肝・脾・胃・大腸経に入る。
効能は行気止痛、温中和胃。
臨床応用は中寒気滞、胸腹脹痛、嘔吐、反胃、下痢、赤痢渋り腹を治す。行気止痛には生のままで用いる。止瀉にはあぶって用いる。
根の油のなかから抽出したラクトンと脱ラクトン油も平滑筋の痙攣をしずめ、気管支を拡張し、血圧を降下させる作用がある。
行気=利気法の1つで、気滞証を示す場合に気滞をめぐらせて散ずる方法、化気、通気、破気、利気ともいう
和胃=胃気の不和を治療する方法で、和中ともいう
中寒=病理で寒邪にあたること、または病証で突然寒邪の侵入を受けて発するもの
気滞=気の運行が阻害され身体の一部分に停滞する病変
反胃=食後腹が充満し嘔吐を伴う胃の病気、胃反、翻胃(はんい、ほんい)と同じ
香附子(こうぶし) 冠心逐瘀丹に含まれる生薬 香附(こうぶ) 出典は「本草綱目・ほんぞうこうもく・明の李時珍(りじちん)の編著、薬物書、全52巻、1578年完成」。
香附(こうぶ) 香附子
性味は辛・微苦・甘、平。
肝経に入る。
効能は疏肝理気、調経止痛。臨床応用は肝鬱気滞、消化不良、胸脇脹痛、胃痛、腹痛、月経不調、月経痛を治す。
流エキスはモルモット、ウサギ、ネコ、イヌなどの動物の抽出子宮にたしてみな収縮を抑制する作用を有する。エチルアルコール浸出液はマウスに対して鎮痛作用を示す。又健胃と腸管ガス排泄との諸作用が認められる
疏肝理気=薬物を用い肝気が鬱結したものを疎散させて治療する方法で、疏肝ともいう
渡辺武著平成薬証論
後世方の使い方を見ると、軽い血症、ことに婦人の生理不順による血症、それに伴う気の症状を改善する気剤として、多くは当帰や川芎と配合して使われています。もうひとつは脾胃剤と配合して、香砂六君子湯という形でも使われています。
効能
中年以降又は高血圧の傾向のあるものの次の諸症:
頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸
血流改善
血液の流れが滞ると
動悸、頭重、肩こり、頭痛、めまい
などが自覚症状として表れます。
高血圧、心疾患、肝臓疾患、糖尿病
血液の老化が原因で起こる生活習慣病について、当店にてご相談承ります。