おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
紫根の入った紫雲膏しうんこうと十味敗毒湯じゅうみはいどくとう
〝小町娘と皮膚病〟
華岡青洲はなおかせいしゅう・1760-1835・の父
小説や映画、舞台で有名な華岡青洲にこんなエピソードがあります。
青洲は和歌山の外科医の息子ですが、その父は手術の際に鎮静が重要であるのに着目して、何とか全身麻酔のいい方法はないものかと研究しておりました。
しかし、これは一代ではとても、完成しない。全身麻酔を完成させるために立派な跡継ぎをつくろう。
それにはまず、いい妻をめとることだと捜していましたところ、近在の旧家の小町娘で皮膚病にかかったのがいたのです。
世間の噂では「たとえ治ってもアバタだらけだろう」というのを彼はその家へ乗込んでいって、娘の病気を全治するかわりに妻に貰い受けたいと申し入れ、これを見事に治したのです。
青洲の「十味敗毒散じゅうみはいどくさん」「十味敗毒湯じゅうみはいどくとう」
この薬が中国で作られた皮膚病の内服薬「荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん):荊芥・防風・羗活・独活・柴胡・前胡・枳実・川芎・桔梗・茯苓・連翹・忍冬・甘草・金銀花各1.5;乾生姜1.0」です。息子の青洲がのちにこの薬を日本人に合うように改良したのが「
十味敗毒散:柴胡・前胡・川芎・枳殻・羌活・独活・茯苓・桔梗・人参各30;甘草15
(散薬なので285gになり、約2gが一回分になります)
クラシエ薬品の
十味敗毒湯:柴胡・桜皮・桔梗・川芎・茯苓・防風各1.25g独活・甘草・荊芥各0.75g
(エキスで一回分一包1.2g)」です
小説「華岡青洲の妻」が映画化される時、主演の高峰秀子さんと若尾文子さんが訪ねてきて、「ぜひ漢方の話を聞きたい」というので話しました。
その時「十味敗毒散」の名前が二人の口から飛び出したので、こちらが驚いたようなわけです。
小説には詳しく出ていないので、二人は撮影に入る前に当時にどんな漢方薬があったかいろいろ調べたんですね。
その折り高峰さんが「私は丈夫なんですけれど松山(夫君松山善三監督)が痔に悩んで困っています。何かいい薬はないでしょうか」というので膏薬の「紫雲膏(しうんこう)」をすすめました。
すると四、五日して「非常に調子が良い」という礼状を貰いました。
これも華岡青洲が漢方に蘭方を取入れて改良した薬なんです。
青洲は内服薬「十味敗毒散」のほか「紫雲膏」や「白雲膏(はくうんこう):胡麻油100.0ml;白蝋380.0;鉛白300.0;椰子油・軽粉・樟脳各7.5」といった独特の膏薬も創製しています。
内から治す傷ぐすり
これらの膏薬は皮膚病でも、化膿した傷や切り傷を痕形なくきれいに治すのに卓効があります。
元来、皮膚病、湿疹は皮膚の血行障害と発汗の過多による皮膚の損傷なんですね。
汗が出て老廃物が皮膚の表面にたまって表皮を損傷することから起こります。
こうした皮膚の異常負担を内部から大小便で排除し、肝臓機能を助けて解毒作用を促進するのが「十味敗毒散」で、「紫雲膏」は皮膚の外部から肉芽の発生を早め、膿を取除く働きをします。
とくに皮膚に化膿の痕が残らないのが大きな特徴です。
よくある股ずれや靴ずれ、火傷などにも卓効があります。
華岡青洲は西洋式に外部からと漢方で内部からの両方の治療を考えたわけですが、これを漢方では折衷派とか折衷方と呼んでいます。
華岡青洲は、とにかくすぐれた先覚者ですね。
旧カネボウ漢方講座テキスト 薬学博士渡辺武
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