13~14世紀に建てられたリューベックのマリエン教会です。
8512本のパイプを持つ世界最大級のパイプオルガンがあることで有名で、かの若き日のJ.S.バッハ(1685~1750年)が、この教会のオルガン奏者だった(1668年4月から亡くなる1707年までの約40年間)ディートリヒ・ブクステフーデの情熱的なオルガンに感動し、無断で休暇を延長してまでこの教会に通ったという逸話が残っています。
バッハがこの教会を訪れた1705年11月から2年程遡った1703年には、あのヘンデルがブクステフーデの後任オルガン奏者候補としてこの教会を訪問したものの、当時30歳近かったブクステフーデの娘との結婚が条件と聞かされると、その話を断りハンブルグへ帰ってしまったのだとか。
一方、その当時娘はブクステフーデの弟子だったヨハン・クリスティアン・シーファーデッカーと恋仲で、ヘンデル等(他にも候補がいたとか)との話は親が勝手に進めたらしく(そういう時代なのでしょうが)、その後娘と無事結ばれたシーファーデッカーが後任オルガン奏者となりました。
そんなバロック時代の巨匠達の逸話に思いをはせながら、この教会を訪れたのでとても感慨深いものがありました。