拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

セッション15/シンジのパート「火事場で消える人、蓋をする人」

2012-02-08 | ニッポンジン!



拝啓、カズさん。シンジです。

3ヶ月前にお話していたメールシステムの移行プロジェクトですが、やっぱりというか、残念なことに大炎上しています。

日本に移行したメールシステムがうまく動作せず、この2日間は電話がじゃんじゃんなりっぱなし。

僕達の部屋の前にも、クレームを言うお客さん達の長い行列ができて、もう大変。


これまでのシステムはドイツ側にあり、僕達が管理者権限を持っていたのですが、今回の日本のメールシステムは、僕達に管理者権限が与えられておらず、プロジェクトからも外されているので、日本側に確認しますとしか言えず、ただの苦情受付窓口状態で、どうしようもできないんです。

おまけに今このプロジェクトを仕切っている、日本からの長期出張者の増田さんが、欧州社長のいるパリへ出張していて、ドイツにいないんです。


増田さん経由で日本のシステム業者へ問い合わせてもらい、最低限のメールの送受信や、アドレス帳機能は復旧したものの、スケジュール共有機能がまだ復旧しておらず、おまけに日本語と英語端末以外で、一部のメールが文字化けする不具合も出ています。

しかし日本側のシステム業者曰く、スケジュール共有機能の移行は、増田さんからの要件に入っていなかったらしく、ドイツ語端末等で発生している文字化け不具合も、日本語と英語以外の端末サポートは対象外と、予め契約でうたっていたらしくて、まともに対応してくれません。(でも日本語と英語の端末って、全体の半分以下なんですよ)


おまけに新しい同僚のバウムさんが、システム移行の翌日からシックリーブ(病欠)で、会社に出てこなくなっちゃいました。(ハミングどころの話じゃありません。涙)

まずは自社の担当営業の赤井さんに相談したのですが、「ウチの請負範囲では無いので」と言われ、バウムさんの病欠についても、「ドイツ人ワーカーにはよくあることですし、契約上は1名オフィスにいれば良い事になっているので」と、まるで他人事です。

赤井さんからは「一営業の権限で、何とかなるレベルの話ではなくて」とも言われ、それもそうかと思い、自社の技術部長の肩書きを持つ、矢部さんという人に応援を要請したのですが、入社直後に1度しか会っていないということもあってか、「ウチも人手不足で、契約範囲外なら手出しできないし、今キミが困っているのは苦情の受付なのだから、それは増田さんに直接聞いてくれと言うしか無いでしょう」と言われてオシマイ。

「でも現地のお客さん達は困っていて、日本側の業者も対応してくれず、増田さんからも日本側に確認中と言われ、何も進展しないんです。欧州側のITはウチの会社が請け負っているので、僕達は知らないとは言えないと思いますが」と、矢部さんに話したんです。

そうしたら、「現場は回らないかもしれないけれど、ウチのせいじゃないなら、無理にまわそうとしなくてもよいんだよ」と言われ、挙句に「あんまりバカ正直にやっているとこっちが持たないし、下手に首を突っ込むと逆にこっちに飛び火して、もしかすると案件を失くすことになるかもしれないから、そういう時はうまく立ち振る舞って、深入りしないことだよ」と、ご丁寧な助言まで戴く始末。


でもよく考えてみてください。

500人以上が利用してる基幹システムがちゃんと動いておらず、お客さんの業務が止まっている状況で、お客さんから1日100件以上、クレーム対応に追われているのに、その人達を前にして「僕のせいじゃないので知りません」って言えますか?
(新しい同僚のバウムさんは逃げちゃいましたけれど。怒)


ある意味、矢部さんの言う事が正論なのかもしれませんが、現場はそれでは勤まりません。


そういえば、会社をクビになった前任者と引継ぎが無かったと言いましたが、実は1日だけ常駐開始前に、赤井さんの好意で、携帯電話番号を教えてもらい、日曜日の夜にフランクフルトの中華インビスで、2人だけで食事をしたことがあるんです。

その前任者の戸川さんは、見た目が所謂"秋葉系"のIT技術者なんですけど、常駐案件のことは、「田川さんならシステムにログオンすればわかると思いますから」とロクに引継ぎをしてくれなかったものの、1年間の彼の常駐期間での不満話を延々と聞かされたんです。

その時は「ふーん」ぐらいにしか思っていなかったのですが、彼の話の中にこんな内容がありました。


彼曰く、僕の会社の現地法人には、「駐在員」、「現地採用のドイツ人」、「現地採用の日本人」という3つの身分制度があり、僕達のような現地採用の日本人は最下層に位置していて、殆ど使い捨てなんだそうです。

特に3~5年で日本へ帰ることが前提の駐在員は、減点が恐いので日本の上役の目ばかり気にして、ろくに現場のことを見ようとしない、上だけに目がついた魚の"ヒラメ"みたいだと話していたことを、今回の矢部さんの言葉を聞いて思い出しちゃいました。


戸川さんも僕と同じく、日本で面接を受けて現地社員として入社し、そのままお客さん先に常駐していたみたいですが、単身者の彼は殆どプライベートな会話もない中、慣れない約1年間のドイツ生活で鬱状態となり、自分でもよくわからないウチに馬鹿な問題を起こしてしまったのだと話していました。


僕には何が真実なのかよくわかりませんが、ただ今言えるのは、このままじゃいけないっていう事です。

エライ人達は、臭いものに蓋をするだけで良いのかもしれませんが、現場の人間である僕は、そんな訳にはいきません。

今回の日本側のメールシステムは、日本語環境らしいので、ドイツ人が対応するのは無理ですが、管理者権限さえもらえれば、僕である程度の切り分けもできるかもしれないので、まずはそれをアメリカで駐在経験もある、日本の情報システム部の畠山さんに相談してみようと思います。

他の全員が「知らない」と言って逃げ出しても、僕は逃げるつもりはありませんよ。

だって僕は他の人達みたいなエリートじゃない、大学中退の雑草ですから。

雑草の意地を見せたいと思います。


自社の人達からはバカだと言われるかもしれませんが、カズさんはきっと応援してくれますよね???



P.S.
12月となり、南ドイツでは雪が降り積もっています。

家の窓から見える森の木にも、樹氷ができていました。

写真のように寒々しい外の景色とは裏腹に、現場は燃えまくっています。(涙)


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セッション14/カズさんのパート「森と言えば"逆転の発想"?」

2012-02-07 | ニッポンジン!


シンジへ。

お疲れ~、カズです。

ゲッツェがフランクフルトに帰っちゃったのは残念だね。
仲間が去るのは寂しいよな。

しかし新しい同僚が、"森のくまさん"っていうのが笑える。


そうそう、森と言えば、中米のコスタリカを旅した時に聞いた話が、印象に残っているな。

コスタリカは1940年代に、国土の75%が森林に覆われていたそうだけど、農地開拓や建材向けの森林伐採が進み、1980年代後半には2割程度まで、森林が減少してしまったんだ。


このままではコスタリカの未来が危ないと、政府がコスタリカ独自の生態系に目をつけ、そこから森林伐採をやめ、木々の栽培に努めて、火の鳥のモデルにもなった、世界でも希少な美しい鳥、"ケツァール"等のバードウォッチングや、ネイチャートレッキングを目玉に、"森と自然"を売り物にした観光開発を進めたんだ。


今では森林面積が5割以上まで回復し、それまで森林を伐採して農業を営んでいた人達も、"森と自然"を売り物にした観光ビジネスに関わって、以前よりも収入が増えたのだとか。

まさに"逆転の発想"だよな。


日本からの長期主張者も、ちょっと手ごわそうだけれど、コスタリカの例のように何が幸いするかわからないから、少し様子を見てみるのがいいんじゃないかな。



P.S.
今日はコスタリカのハチドリの写真です。

英語では"ハミングバード"って言うそうだ。

シンジも、森のくまさんの前で、この鳥みたいにハミングしてみたらどうだろう。(笑)


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セッション14/シンジのパート「去る人、来る人」

2012-02-06 | ニッポンジン!


拝啓、カズさん。シンジです。

ちょっと聞いて下さいよ。

戦友と呼んでもいい僕の同僚、ゲッツェが常駐先を卒業して、自社のフランクフルト・オフィスに戻ることになったんです。

元々彼は自社から1年の期限つきで常駐に来ていたので、1年半いてくれたのはかなり助かったのですが、現地社員として同時期入社で、すごくいい奴だったので、寂しい限りです。
(ちなみに僕も自社から当初1~2年と言われていましたが、当分後任は見つからない雰囲気です)


後任は南ドイツのジモピーのバウムさんで、年はまだ40過ぎなんですが、何だかお年寄りみたいに、ボーっとしているおじさんなんです。

まずはコミュニケーションしなきゃということで、趣味は何?って聞いてみたんですが、"蛇を飼うこと"らしく、休日は家で蛇達と、くつろいでいるそうです。

バウムさんに朝挨拶すると、数秒の間が空いた後、「ヘーローー」とゆっくり返してくれるんですが、どうやら彼は僕と違う時間の中で生きている人みたいなんです。
(お笑いのボケ担当なら、その"間"は天性のものかもしれませんが)

イケメン20代のフレンドリーなゲッツェは、さすがに片っ端からお客さんの受付や、秘書のドイチェ・ガールズ達をナンパしまくっていただけあって、いつも明るく「ハーイ、マイフレーンド」と挨拶を返してくれていたのですが(僕の中で彼は、ちび○子ちゃんの花輪君のイメージです)、これからバウムさんとうまくやっていけるのか、少し心配です。(汗)


日本人ならボケた相手に突っ込むところですが、いつも遠い目をしている彼に、思いっきり突っ込んでいいものか迷っています。

ドイツ語でバウムは"木"を意味するらしく、ひょっとして彼、森に帰りたいのかもしれません。
(確かにここシュトゥットガルトは、ドイツで"黒い森地方"と呼ばれていますが)


それよりも大変なのは、今度始まるメールシステム移行プロジェクトの為、お客さんの日本人担当者が長期出張でやってきたんですが、それがまたスゴイ人なんです。

増田さんというその長期出張者は、僕より5歳も年下(26歳)なのに、自分の事を"ワシ"と言い、僕のことを"ワレ"って呼びます。

ホントはすごく若いのに、昔風の色のついたサングラスっぽいメガネをかけていて、何だか滅茶苦茶おっさん臭い人なんです。
(でもなぜか髪型は、ソフトモヒカンなんですけれど)


朝挨拶しても無視されるし、僕達のこと「業者~業者~」と呼びます。
(でも訛っているので、僕の耳には時々"餃子"って聞こえます。)

同じお客さんでも、家族ぐるみでお付き合いをしていて、いつも公私にわたって色々と気遣いをして下さるシュトゥットガルトの古谷さんや、日本の情報システム部でもアメリカに駐在のご経験があり、いつも「ありがとうございます。本当に助かっています」と言って下さる、畠山さんとは大違いです。


僕の前任者は問題を起こしクビになったものの、僕とゲッツェはこの1年間、システム保守や昨年のセキュリティ導入プロジェクトで成果をあげ、欧州のお客さん達から信頼を得ていたんです。

でも増田さんは「ドイツなんかにおるエンジニアは使い物にならへんから、全部ワシの知っている日本の業者でやるんや」と言っているらしく、僕達はメールシステム移行プロジェクトから外されてしまったんです。

今回はシュトゥットガルトにある古いメールサーバを、日本のデータセンターに新しく導入するメールシステムへ移行するプロジェクトなんですけれど、「欧州は多言語の問題もあるので、日本だけで全てを行うのは、止められた方がいいです」とご助言しているのですが、「もう全部決まったことなので」と言われて、こちらの話を聞いてくれません。


自社の担当営業の赤井さんにも、このままでは大変なことになるから、再考戴くようお願いして下さいと話したのですが、「それは大変ですねですね、何とかしないと」と一旦は聞いてくれたものの、玉砕したらしく、「お客さんが決めたことですので」と翌日に言われ、簡単に撃沈してしまいました。

本当に大丈夫なんだろうか。心配だなあ、、、。


P.S.
ドイツも"ゴールデン・オクトーバー"と呼ばれる、紅葉の季節になりました。

紅葉といっても黄金色になる木が多いので、ゴールデンなんでしょうけれど。

バウムさん、森に帰りたいのかなあ。(そのキャラづけ、押し過ぎですか?笑)


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セッション13/カズさんのパート「レゲエの国での休日」

2012-02-05 | ニッポンジン!


シンジへ。

お疲れ~、カズです。

ギリシャのエーゲ海の島々での休日かあ。

日本からは遠いけど、ドイツからは直行便も出ていて気軽にいけるから、すごくいいよな。

サントリーニのイアの景色もそうだけれど、素晴らしい景色をぼーっと眺めて過ごすというのは、今の日本人にとって、すごく贅沢な事だと思うよ。


素晴らしい景色を眺めて過ごすと言えば、以前に自分が旅したカリブ海も良いところだよ。

1年中泳げて、人々もラテン系でフレンドリーで、メキシコやキューバ等の中南米を歌いながら旅した時は、本当に楽しかったな。


その中でも特に印象に残っているのが、ジャマイカのモンテゴ・ベイ空港から車で10分位の所にある、ドクターズ・ケーブ・ビーチを訪れた時かな。

英語が公用語のジャマイカも、欧米人にとってメジャーなバケーション先で、オール・インクルーシブの、ホテルでゆったりという休日の過ごし方があるよ。


ただオレは貧乏旅が専門だから、安宿に泊まって、公共ビーチであるドクターズ・ケーブ・ビーチで、朝から晩までのんびりと過ごしたことがあった。

透き通ったキレイな海と青い空、白い砂浜のコントラストが最高に美しくて、いい気分だったから、ギターを取り出して歌っていたんだ。するとビーチに来ている客や、そこで働いているジモピーが集まってきて、砂浜でちょっとしたミニライブになったよ。

やっぱりレゲエの国だけあって皆、音楽が大好きだから、ジャンルが違っても、音楽人に対してすごく温かいんだ。

キレイな海があって、音楽があって、温かい人達がオレの歌を聞いてくれて、本当に最高だった。


日本人、とりわけ日本人男性は、仕事に人生の充実を求める傾向があるけれど、シンジが言うように、ドイツ等のヨーロッパの人達が、仕事よりも休日に人生の充実を求めるというのは、とても興味深い話だと思う。

確かに多くの日本人がなかなか長期の休みがとれないから、ヨーロッパの人達のように長い休みがとれる仕組みがあったら良いよな。

ドイツのように、国が法律で有給消化を義務付けるというのも、1つの良いヒントなのかもしれないな。
(有給消化率の低い会社員の為に、政府が法制度化したら、支持率がアップするかも???)


ただし、何が幸せかは1人1人違うと思うから、日本人的な生き方と、ヨーロッパ風の生き方のどちらが良いかというのは、きっと別の話なんだと思う。

色んな生き方、選択肢があって、自分が良いって思える生き方を"選べる"のが1番だと、オレは思うんだ。


旅人としては、長期休暇が沢山とれて、何歳になっても世界中を旅できるのが良いにきまっているけれど、ミュージシャンとしての視点で言えば、例え休暇が殆どとれない多忙な日々でも、音楽家として充実した日々が過ごせて、自分の音楽を沢山の人達に聴いてもらえる生活は、きっととても幸せな生活だとも思うから。


人間はいつか必ず死ぬし、そろそろオレは生まれてから今日までに、人生の半分位の時間を過ごしたんじゃないか?って考えると、その限られた時間の中で出来ることは、そんなに多くないなって感じているんだ。

大切なことは、いつか迎える人生最後の日に、自分が過ごした日々を振り返って、"幸せだったな"と思える生き方が、できるかどうかなんだと、オレは思っているよ。

"笑顔で死んでいく"

それが、オレが目指しているモノなのかもしれない。




P.S.
今日の写真は、ジャマイカのドクターズ・ケーブ・ビーチの写真だよ。

一緒に写っているのは、今も現役の旅ギターなのだけれど、確か5代目位かな。

約10年間で世界の半分位を回ったオレの貧乏旅は、オレのギター達にとって、ちょっとばかり過酷な旅だったからね。



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セッション13/シンジのパート「"プチ"・ロング・ヴァケーション体験?」

2012-02-04 | ニッポンジン!



拝啓、カズさん。シンジです。

ドイツに来て1年が過ぎ、2度目の夏を迎えました。

有給もすっかり溜っているので、1週間だけ夏休みをとって、家族でギリシャのクレタ島に来ています。

同僚のゲッツェはドイツ人だけあって、来月3週間の夏休みをとる予定ですが、お客さん先の常駐の身で日本人なので、「1週間の休暇を戴きます」と言うのがやっとでした。

(ドイツでは通常最低2週間は休暇をとるらしく、ゲッツェに「なぜシンジのワラーブ(ヴァケーションのこと)は1週間だけなの?お金が無いの?」と、何度も繰り返し聞かれました。苦笑)

それでも日本の職場の時と比べたら、祝日1日をプラスした10日間のギリシャ旅行は、人生初のロング・ヴァケーションです。(笑)


ドイツの休暇は1箇所滞在型で、ビーチやプールサイドでのんびりと過ごすのが基本なのだそうです。

またドイツから訪れる欧州内のヴァケーションでは、AI(オール・インクルーシブ)の旅行プランが広く普及しており、これには往復の航空券とホテル代、3食の食事と滞在中のホテル内のドリンク代、ホテル内のイベント費用等が含まれています。


一昨日までは妻の麻友と翼と3人で、プールサイドやビーチでのんびりしていたのですが、常駐先マネージャーの古谷さんから教えて戴いた、サントリーニ島北端の町イアに、クレタ島から日帰りで行ってきました。

イアの展望台からの風景は、ギリシャらしい白い建物が立ち並び、青いエーゲ海との調和が素晴らしく、まさに絶景でした。


しかし肝心の夕日はと言うと、6月中旬で日没が8時半と遅く、ホテルで日帰りの船とタクシーをあらかじめアレンジしてもらっており、日没を見れぬままクレタ島に戻るはめに。

古谷さんがサントリー二に行ったのは、日没がそれ程遅くない春のイースターの時期で、しかもイアに1泊されたと言っていたのをすっかり忘れていました。(イアに着いてから麻友に「そういえば日没って何時だっけ」と言われ、初めて気がつきました。涙)

それでもイアの景色と、クレタへ戻る船上で見た水平線に沈む夕日は、とても素晴らしかったです。


ドイツに駐在している日本人の中には、長い休暇をとるドイツのヴァケーション文化に否定的な人達もいますが、例え1週間でも、彼らの価値観、文化に飛び込んで体験してみて、少しその良さが分かった気がします。

ドイツの人達は、休暇の為に働いているといっても過言でないそうですが、個人的にメリハリは大切だと思いますし、休める時にはしっかりと体を休め、プライベートも充実させて、それを仕事に生かせれば良いのだと、今回強く思いました。


日本だと"協調性"が重視されるので、周りが誰も休みをとらないと、空気を読んで休めないのでしょうが、ドイツは法律で企業に対し、社員へ有給消化させることを義務付けており、有給消化させない企業への罰則もある為、僕達日本人でも休暇をとりやすいというのがあります。

良いところはうまく取り入れ、悪い部分はカイゼンするというのも日本の良い文化なのでしょうから、人生に疲れきっている人が増えていると言われる日本も、ドイツ式バケーションの仕組みを少し真似してみたら良いのに~と思うのは、僕だけでしょうか。
(これもカズさんが言ってくれたように、ドイツの良い所が見えるようになってきたから、そう感じるのでしょうか)

カズさんはどう思います???



P.S.
今日の写真はイアで撮った1枚です。

できればここで世界三大サンセット?とも言われる、絶景の夕日を見たかった、、、。(涙)


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セッション12/カズさんのパート「You`ll Never Walk Alone」

2012-02-02 | ニッポンジン!


シンジへ。

お疲れ~、カズです。

ミラノのサンシーロ・スタジアムでの試合観戦かあ。
おまけにパルマでの美食旅付き。羨ましすぎる!!!

ヨーロッパの良い所は、ちょっと一足伸ばせば、文化も言葉も全然違う国へ、簡単に行けるところ、そして世界最高レベルのサッカーをみられるところだよな。


日本でいうところの国内と同じ位の距離に、異なる民族、言語、文化がギュッと詰まっているから、きっとヨーロッパでは自分達の国籍や文化、アイデンティティをより強く意識するんだろうな。


島国で単一民族の日本国内で生活していると、自分が日本人であることをあまり意識しないけれど、オレも海外を旅をしていると、「オー!ジャパニーズ!」って頻繁に声をかけられるものだから、「ああ、オレは日本人なんだ」って強く意識させられるよ。

シンジもドイツで生活して1年も経つと、それ以前と比べてきっと、自分が日本人であることをより強く意識するようになっているんじゃないかな。


ドイツに行ったばかりの頃は、日本と比べてその国の悪いところばかりが見えていたと思うけれど、最近のFacebookでのシンジとのやりとりをみると、少しずつドイツの良い所も見え始めてきているんじゃないかって感じるよ。

もしそれが本当なら、普段ドイツで生活していると気づかないことが、他のヨーロッパの国々を訪れると、その国との比較で、ドイツという国を客観的に見ることができるからなのかもしれないね。


同時に、日本の中だけで生活していた頃には気づかなかった、日本の良いところや、悪いところも見えてきているんじゃないかと思う。


俺達旅人は、その国の一部分だけを見て、すぐに通り過ぎてしまうけれど、そんな短い旅の中でも、その国と、自分達が生まれ育った日本とを比較して、普段暮らしていると気づかない発見があったりするから、よくわかるよ。


"外に出てみて初めてわかる"っていうのは、人類が宇宙に出て初めて、自分達の住んでいる地球が、青く美しい星だと知ったことと、同じなのかもしれないな。


どんな人間にも、良いところと悪いところがあるのと同じように、世界のどの国にも、良いところと、悪いところがあると思う。

自分が一番好きな町でずっと生きて行ければよいのだろうけれど、多くの場合は、きっと目に見えない運命みたいなものがあって、自分が望む・望まないかを別にして、自分が住む場所がその時々で変わったりするのだと思う。

でもオレは思うんだよ。

人生はひとりじゃない。

生きていれば良いこと、悪いこと、楽しいこと、哀しいこと色々あるけれど、家族や仲間がいてくれるから、大切な人達がいてくれるから、オレはきっと大丈夫って。


ドイツでの生活1周年、おめでとう。
オレはこれからもシンジの事、応援しているよ。



P.S.
今日の写真は、我らがボルシア・ドルトムント名物、ゴール裏のサポーターの写真だよ。
シンジのサンシーロに対抗できるのは、この写真ぐらいだな。

オレもヨーロッパのサッカーで最初に好きになったのは、イタリアのセリエAだったけれど、旅で訪れたドルトムントで、"世界一熱い"とも言われるこのサポーター達と一緒に、黄色いマフラーを掲げて試合開始前に歌った、"You`ll Never Walk Alone"に、これ以上無いぐらい感動して、オレは今もドルトムントのサポーターをやっているんだ。


日本語で"人生はひとりではない"という意味のこの歌は、シンジも知っての通り、世界の多くのサッカークラブのAnthemとして歌われているけれど、ドルトムントサポーター達とうたったこの歌は、今までのどの"ユルネバ"よりも、文句なしに最高だった。

いつかシンジと一緒に、ドルトムントで"You`ll Never Walk Alone"を歌いたいな。



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セッション12/シンジのパート「春だ!イースターだ!欧州版ゴールデンウィークの家族旅行」

2012-02-01 | ニッポンジン!



拝啓、カズさん。シンジです。

4月になり随分とドイツも暖かくなりました。

3月最終日曜日に冬時間から夏時間に変わった時は、1時間時計の針が進むので(日本との時差が8時間から7時間へ短縮)、危うく遅刻しそうになりました。
(その前の金曜日に、同僚のゲッツェが教えてくれなかったら、間違いなく遅刻していました。月曜日の朝に気づいたので、1日遅れで家中の時計を慌てて1時間戻したんですよ。苦笑)

そして早いものでもうすぐドイツに来て1年が経とうとしています。


さて今週は春の到来を告げる、イースター(復活祭)です。

せっかくの4連休だからと、ネットで飛行機とホテルを予約して、家族でミラノに来ています。

僕的に言うと、せっかくの休みは家でゴロゴロしていたかったのですが、家族ぐるみでお付き合いのある、常駐先マネージャの古谷さんのお宅はギリシャに出かけるのだから、ウチもどこかへ行きたいと妻の麻友が言うので、面倒くさいと思いながらも、インターネットで全部手配しました。


行き先をミラノにしたのは、カズさんならもうお分かりだと思いますが、もちろんセリエAの試合をみる為です。

家族サービスは気が重いですが、大好きなサッカーの為ならいくらでも頑張れちゃいますよ。(笑)

で、現地で当日券をゲットして、インテル・ミラノの試合を観戦しちゃいました。人生初セリエA観戦です!

シーズン終盤にスクデット(優勝)争いをしているインテル戦なので、当日券が駄目だったら最悪ダフ屋狙いか?と思いつつ、家族をホテルに置いてかなり早くから1人でスタジアムのチケット売り場に並んだところ、わりと簡単にチケットが買えたので、少し拍子抜けしちゃいました。(スタジアムがデカイからですかね)


そして初のサンシーロでの試合観戦は、やっぱり凄かったです!!!

昨年カンプノウでバルサの試合をみた時もそうでしたが、やっぱり欧州のサッカーはスタジアムの雰囲気はもちろんのこと、玉際のせめぎ合いが厳しく、メンバーも世界のスーパースターがずらりと並んでいるだけあって本当にスゴイですね。

南ドイツのシュトゥットガルトからは遠いのでなかなか実現していませんが、僕達が応援するドルトムントの試合も生で見たいと思っています。
(電車賃が高いからとなかなか麻友がOKしてくれませんが、頑張って説得中です。
ちなみに麻友はサッカーに全然興味がないらしく、一緒に試合観戦しながら、いちいちルールを説明するのが大変で、とうとう試合が終わるまでオフサイドを理解してくれず、4歳のツバサは途中で寝ちゃうしで大変でした。汗)


麻友はイタリアの美食グルメが楽しみだったらしく、家族で1時間ちょっと電車に乗ってパルマで生ハムやら、かぼちゃのラビオリやら、牛フィレ肉のバローロワインソースやらを食べたのですが、麻友いわくイタリアNo.1という美食の町の料理は、ほっぺたが落ちるぐらい旨かったです。


特にそぎたての生ハムが最高で、そいですぐ食べた時は涙がちょちょ切れる位旨かったのに、ホテルの冷蔵庫で半日置いておいたら、酸化してフツーの生ハム(それでも充分ウマイですが)になっていたのはビックリでした。

そぎたて生ハムは日本で食べていたコンビ二のハムサンド(僕の食のレベルがバレますが)から想像ができない味で、またイタリアに来たくなっちゃいました。


P.S.
今日の写真はもちろんサンシーロ・スタジアムです。
カズさんと一緒に、ヨーロッパでサッカーの試合をみたいです。
いつか休みをとってドイツに遊びに来れませんか?


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セッション11/カズさんのパート「ローマ遺跡が転がる温泉」

2012-01-29 | ニッポンジン!



シンジへ。

お疲れ~、カズです。

南ドイツは雪なのか。さすがアルプスが近いだけあるね。
横浜は1月後半に雪が1回降ったきりだなあ。


さて、ドイツに男女が裸で語り合う、素敵な混浴温泉があるとは知らなかった。
オレも温泉大好きだから、それを聞いてぜひドイツの温泉に行ってみたくなったよ。

でもバレたら、嫁のみさ子に袋叩きにあいそうだから、やっぱり止めておこう。
(よく麻友ちゃんは許してくれたなあ。オレなら後が恐くてまっすぐ家に帰れないけれど)


オレが旅で訪れた中で、珍しい温泉と言えば、トルコのパムッカレかな。

石灰棚で有名なパムッカレの上には、ローマ時代の遺跡がゴロゴロ転がる温泉があるんだよ。

ドイツと違って、水着を着て入るのだけれど(宗教上の理由からか、女性客は殆ど欧米人だけど)、遺跡が温水プールの中に沈んでいるみたいな感じなんだよな。


でも温泉等の観光開発が進みすぎて、最近はめっきり水が減って、今やパムッカレも危機的な状況にあるって聞いたよ。

観光客が増え、生活が潤って便利になった反面、世界屈指の美しい石灰棚が、水不足で干上がって、危機的な状況とは皮肉だよな。


オレも旅から日本へ帰国して、深夜に東京の街を歩いていると、すごくキラキラと光り輝いてキレイなんだけれど、なんだか酷い違和感を感じることがある。

特にオレは基本的に貧乏旅だから、必然的に行き先は発展途上国が多いのだけれど、治安等の問題も含め、「夜は暗くて恐いもの」という意識があるから、よけいにね。

すごく便利で快適な街なのだけれど、いつか東京も、パムッカレのようにしっぺ返しが来るんじゃないかって、不安になることがある。

しょせん人間の力には限界があるのだから、そろそろ日本や他の先進国も、自然とうまく共存することを、ちゃんと考えなくてはいけない時期だと、オレは思うのだけれど。



P.S.
今日の写真は昔行ったパムッカレだよ。

石灰棚の上のローマ遺跡温泉も、ドイツみたいにウホウホだったらよかったのに、、、。
(そんな場合じゃないって。苦笑)



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セッション11/シンジのパート「ドイツの温泉は混浴で真っ裸???」

2012-01-28 | ニッポンジン!



拝啓、カズさん。シンジです。

2月になり、アルプスに近い南ドイツでは、どっさりと雪が降り積もっています。


ウチの家の裏山はスキー場ならぬ、そりすべり場となり、バウハウス(日本でいうところのホームセンター)でプラスチックのそりを買って、翼と一緒にそりすべりをしました。
(雪深い南ドイツでは、一家に1台そりが必需品なのだとか)

他にも翼と同じ幼稚園のドイツの子供達が沢山来ていて、その子供達と翼がドイツ語で会話をしているのを聞いてびっくり。

ドイツに来て間もなく10ヶ月ですが、相変わらずドイツ語が上達しない僕と違って、幼稚園児の翼の方がずっとドイツに順応しているみたいです。


こんなに雪が沢山振ると、日本人としては温泉にでも行きたくなりますが、つい先週末に車を飛ばし、家族で、有名な温泉街のバーデンバーデンに日帰りで訪れました。


びっくりしたのですが、ここは混浴でしかも皆真っ裸なんです。

妻の麻友と翼は、女性専用の温泉(といってもローマ風呂みたいな温水プールに近いものです)に入りましたが、男性専用というのはなくて、通常の混浴と女性専用に分かれているみたいです。

さすがに若い女性は入っていないだろうと思いきや、カップルの若い男女が数人、混浴で入っており、中には温泉の中で抱き合っているカップルもいたりして、ちょっと目のやり場に困りました。(汗)


ヨーロッパでは、温泉は水着を着ての入浴が一般的ですが、ドイツでは温泉が水着着用でも、それに付属するサウナはやはり混浴で、真っ裸が基本みたいです。

日本ならせいぜいおばあちゃん世代しか混浴には入っていないみたいですが、ドイツでは結構若い女性でも入っていたりするので、まるで未知の世界に迷い込んだかのような衝撃でした。(苦笑)


でも真っ裸で入っているカップルってどんな気持ちなんでしょうね。
僕だったら恋人や奥さんの裸を、他の男達に見られるのは嫌ですけどねえ。

男同士なら、裸の付き合いで同僚と温泉に入ったりする文化が日本にもありますが、同僚や友人レベルで、男女で裸の付き合いってありえなくないですか?(今どきそんな付き合いがあるのか、恥ずかしくて同僚のゲッツェには聞けませんが。汗)

カズさんはどう思います???




P.S.
写真はバーデン・バーデンの公共温泉の入り口です。

外からみると欧風な施設ですが、中身は混浴温泉です。

いや、こちらでは別にイカガワシイお店とかではなく、フツーの温泉なんですけどね。(笑)



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セッション10/カズさんのパート「Xmasにケーキを食べ大晦日に除夜の鐘をつき新年に初詣をする日本人」

2012-01-27 | ニッポンジン!



シンジへ。

お疲れ~、カズです。

ドイツのクリスマスマーケットや、年末のカウントダウンの花火、楽しそうだね。


オレは日本人らしく、クリスマスイブに丸いケーキを食べて、大晦日にお寺で鐘をつき、正月に神社で初詣をしたよ。

外国人から見たら、「お前は何教の信者なんだ?」って驚かれそうだよな。


そういえば、正月早々にアパートの自宅の部屋が漏電して、風呂場の電気が使えなくなったんだ。

築20年だから仕方が無いのだろうけれど、結構複雑な配線だったらしく、修理してもらうのに正月明けまで5日間位かかって、その間銭湯通いだったよ。
(日本だからまだこれ位で済んだのかもしれないけれど)

正月明け早々に修理業者が来てくれて、漏電箇所をみてくれたのだけれど、通常はあんまり壊れない場所らしくて、結構不具合の箇所を探すのに手間取ってた。


業者の人からその話を聞いたウチの嫁、みさ子が、「あんたの厄年のせいじゃない?」って言うんだ。

よくよく考えてみたら、"オレ今年本厄だった!"ってことになって、今あわてて厄除けで有名な近くの神社・仏閣を調べているところ。

元旦に初詣の混雑が嫌で、近場の地元の神社で済ませて、しかもお賽銭が10円だったのがいけなかったのだろうか、、、???


厄除けの神社やお寺をネットで探していら、なんと"チベット"というキーワードも出てきてびっくり。

中にはチベット産の"厄除け効果のある石"で作った数珠なんてのもあるらしい。
(どれほど効果があるかはわからないけれど)


そういえば昔チベットに行った時に、色んな石(宝石っていう程高価ではないけど、琥珀+アルファ位のモノ)をくっつけたネックレスを皆首からぶら下げて、マニコロ(マニ車)というお経が書かれた、でんでん太鼓みたいな宗教道具を、時計回りに回していた覚えがある。

自分がチベットに行った時に、その色んな石をくっつけたネックレスを買って、首からさげて歌っていた覚えがあって、ひょっとしてアレがあれば厄除けになるか?って思って探しているのだけれど、もう結構昔の事だから見つからず。


でも同じ時に買った、チベットのお守り(日本の神社で売っているお守りそっくりのやつ)は出てきたのだけれど、お守りって有効期限無いんだっけ?


あまり宗教に熱心ではない標準的な日本人のオレは、その辺疎いんだけれど、1年ごとにお炊き上げとかするんだったっけ?

チベットのお守りの密教パワーで厄払い!って思ったのだけれど、有効期限切れだったらちょっと悲しい、、、。



P.S.

そのチベットでの色んな石をくっつけて歌っている写真だよ。

写真は見つけたのだけれど、実物が見つからないまま。 やっぱり昔住んでた川崎あたりまで厄払いに行くか???

そもそも信者じゃなくても効果があるのか?って話もあるのだが。

我ながら、ニッポンジンって変な民族だよな。(苦笑)


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