拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

最近考えさせられていること

2015-04-10 | 旅人のひとりごと


2015年3月24日、バルセロナ発デュッセルドルフ行きの、ジャーマンウイングス9525便が墜落しました。

当初は事故と考えられていましたが、調査の結果、副操縦士による意図的な墜落だと言われています。


なお同機には、自分のドイツ時代の元同僚(先輩)が搭乗していました。

欧州の生活と旅が好きな気さくなおじさんで、定年退職後ふとオフィスに顔を出し「これから旅行なんだよ」と楽しそうに笑う姿をみながら、こんな生き方もあるのだなと当時そんな事を思っていました。


はじめてギター片手に世界を旅しようと思い立ったのは、自分と向き合い、自分の道を見つけたいと思ったから。

世界一周の旅を終えた後しばらくして、約10年の月日をかけ、再びギター片手に世界の半分以上の国に足を運んだのは、ギリギリの局面を生き抜いていく為に、もっと視野を広げ、自分の引き出しを増やしたいと思ったから。


そうやって1つずつ築きあげてきた経験は、日々海外と一緒に仕事をする中で、今も大きな助けになっています。

しかしやはり日本での生活は、他のそれとはスピードが違うのでしょうか。
ずっと全速力で走ってきて、ふと立ち止まり辺りを見渡すと、自分がどこにいるのか、わからなくなる時があります。

人生最後の日に、自分は自身が歩んできた道をどのように振り返るのだろうかと、最近あらためてそんな事を考えさせられています。


海外の現場で日本人だけが孤独に頑張っている、かつての自分のような人々の手助けになるような“武器(ツール)”を普及させて、日本から海外の現場を後方支援できる土壌を作ろうと、帰国後はそんな活動も続けていますが、“多くの日本人にとって世界はまだ遠い”のだと、日々そんな現実を突きつけられたりもしています。
(目の前の顧客から言われる「ありがとう」は、今も救いではありますが、アプローチを変えないといけないとも感じています)



突然、まだ見ぬ国を巡る旅を、もう少しだけ続けてみようかと、最近そんな気持ちになりつつあります。
(ビザ不要の国を巡るだけでも、まだ20ヶ国以上あるので)

人生をかけて何か1つの事をやり抜く。

たとえその行為自体に何の意味が無いとしても、そこから生まれる新たな何かがあるような、そんな気がしています。


※写真:渡独間もない頃に訪れた大聖堂の入口(Köln)