3日前からスーパーマーケット等で購入した具材がすべてそろった。マグロの短冊切と卵焼きは予約していたものが昨日手に入り、海苔も自宅から歩いて5分のところにある海苔の問屋があるので、そこで購入した。住宅地に問屋があることも不思議であるが、小売りも手掛けている。午前9時から仕込みを行い、炊飯窯が5合炊きであるので、昨年同様2回に分けて炊飯を行った。ガス釜での炊飯は時間的にも早く、満足いくご飯が炊き上がる。これといった故障もなく、保温などの機能はないが、シンプルで、優れモノの器具の一つである。
1升の酢飯から作った巻きずしは、特大3、太巻き9、細巻き10本である。時間は2時前には終わったので、5時間弱であった。特大は海苔を縦向きに使い、のの字巻きをしたので、海苔の半分にシャリを加えて、二重にして巻くので、太さも太くなる。切り口が丁度、のの字になるので、この名がある。太巻きは普通の巻き方で、長手方向に海苔一枚をす巻きの上に乗せ、シャリを敷き詰め、巻くものである。細巻きは海苔の半分を使う。納豆4、かんぴょう2、キュウリ2、鉄火2本である。どんぶりに約1杯分のシャリが残った。
手酢を使うと海苔の上にシャリを載せ広げる際にシャリが手につかなくなる。手酢は酢と水を半々にしたもので、使うとよいと思う。すし職人は、毎日寿司を握る際にも使っている。比較したことはないが、永年水仕事をしていると一般の人より、手のひらの保湿成分が多くなっているのかもしれない。
千葉県には古くから家庭で「祭り寿司」を作る。創作寿司の部類に入るかもしれないが、色を付けた米(赤飯や雑穀を使う)を海苔で巻き、イメージに合わせて配置して、太巻きを作る。切り口はまるで金太郎あめのような模様が出現する。これも伝統の継承が難しいようである。
作った恵方巻は近所の知人や友人に配る。調布市に住む娘夫婦や孫にも、配達である。毎年のこととはいえ、寒い台所での立ち作業は、結構、身に応える。この日を待っていてくれるのはうれしいことであるが、いつまで続くかも頭をよぎる。節分の行事に恵方巻が加わり、新たな消費を起こしている。とにかく春先は寿司がうまい。