野のアザミ

日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。

「厳島神社」大鳥居のうち、一本はわが宮崎県産

2024-03-18 | 郷土史



ここに行ったのは、もう10年近く前だが、この時は全く知らなかった。知っていれば、写真だけでなく手を合わせていたかもしれない。実は、世界遺産「厳島神社」の大鳥居の柱の内、一本は宮崎産というのだ。誰もが知る海の中に立つあの朱塗りの大鳥居だ。鳥居自体は9代目、木造としては国内最大で、国の重要文化財に指定されている。東の柱が宮崎県産、西の柱は香川県産だそうだ。材質は樹齢約900年のクスノキで、主柱の周りは9.9mというから巨木だ。
宮崎県産とはいえ、伐り出されたのは1863年(文久3)。宮崎県ができたのは1873年(明治6)なので、この頃の呼び方では、日向国岡富村産だ。旧・岡富村は、現在の地名では、わが住まいに近い西都市岡富だ。かつて一ツ瀬川左岸丘陵地にあった住吉神社境内の御神木を伐採し、一ツ瀬川に落とし、筏に載せて2ヶ月かけて河口まで運び、日向灘から瀬戸内海経由で1年6ヶ月かけて運んだのだという。東柱になったのは1875年(明治8)なので、その時は宮崎県だ。その頃に生まれていれば、一ツ瀬川を下るクスノキをきっと見に出かけたはずだ。

宮崎県自体は、その後1876年(明治9)に鹿児島県と合併、その後西南戦争(明治10)をへて1883年(明治16)に再び宮崎県となった。