野のアザミ

日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。

砂浜無残!

2021-05-26 | 自然
むき出しになったサンドパップ(5月)


5月も半ばを過ぎるとアカウミガメの産卵シーズンになる。以前、産卵観察会を呼びかけていたこともあり、シーズンがくると浜の状態が気になる。ということで、先日浜に出かけた。産卵観察会をやっていたのは宮崎海岸の北部、一ツ瀬川と石崎川間の垂直護岸の部分を除く約2kmの区間だ。かつては、一晩に5頭のカメに出会ったこともある海岸だ。

まず一ツ瀬川の河口へ。地元言葉では二ツ立浜(ふたったてんはま)だ。浜では1組の家族連れと4人ほどの女子中学生グループが談笑中。その賑わいを耳にしながら浜を見渡せば、なんとか産卵できそうな場所が200mほど。だがまだ上陸の痕跡なし。なので、海岸に並行する道路に引き返し、KDDIマイクロ波通信タワー前の大炊田浜(おいだんはま)へ。ちょうど両河川の中間あたりだ。松林を抜けるとクルーザータイプの車が3台。サーファーの車だ。砂浜が広がっているのではと期待を持って砂浜へでると、あゝ無残。見えるは砂浜復元のために埋められた巨大なサンドパックが延々と剥き出し状態。これではアカウミガメは上陸できない。サンドパックの大きさは、一つが幅4.3m・高さ1.5m・長さ20mもある巨大なものだ。人間だって危険だ。それがずっと先まで剥き出しなのだ。1月初めに来た時も同様の状態だったので心配はしていたが、これではとてもダメ。産卵できそうな場所はまるでなし。少しでも可能性を求めて石崎川方向に足をのばしてみると、河口手前に何とか上陸できそうな場所が200mほど。そして嬉しいことに、すでに1頭上陸した様子の足跡。今シーズン、一ツ瀬川と石崎川の間で産卵出来そうなのは、そういうわずかな場所だ。

宮崎海岸の沖には黒潮が南から北へ流れている。しかし、沿岸部の流れは、反対に北から南だ。その流れに棹差して防波堤などをつくれば、ある所は侵食され、ある所には砂が溜まる。河川からの土砂の供給も、ダムやコンクリート護岸などで減っている。そういう中で、かつては幅100mもあった砂浜に防波堤や護岸などの人工物を作り続けてきた結果が今の姿だ。巨大なサンドパックを埋めたり、他所から土砂などを持ってくる養浜(ようひん)などが続けられているが、延々と金をつぎ込まなければならない負のスパイラルに陥っているように思う。






1月初めの海岸(上の3枚)


サンドパック工法の看板

平年より19日も早い梅雨入り

2021-05-13 | 田んぼと畑
綺麗だったジャガイモの花


気象台は5月11日、九州南部の梅雨入りを発表した。平年より19日も早く、統計史上2番目に早い梅雨入りという。困った!、3月末に植えたコシヒカリは今が分けつ最盛期。半ば過ぎると無効分けつ期だ。しっかりした茎をつくり、それから実を育てるというのが鉄則なのだが、雨が続けば茎も軟弱になりかねず、ちょっと心配だ。
畑のジャガイモも、まだ試し掘りしたばかり。天気が良くないと収穫するにも支障がでる。去年はセンチュウにやられたので、今年はにマリーゴールドの跡地に植えた。マリーゴールドはセンチュウ被害を防止してくれるのだ。その甲斐あって、4月中・下旬にかけて今まで見たこともないほどきれいな花を咲かせた。先日の試し掘りでは、肌の綺麗なジャガイモがゴロゴロ。このままいけば大豊作のようなのだが、雨が続くと収穫もしにくくなる。
それに加えて、梅雨前に済ませるはずだった皆での農道法面草刈りもまだ済んでいない。雨が続くと、法面の草刈りは滑りやすく事故につながりかねない。それでも、草刈りを怠れば草はどんどん伸びる。
どうも今年は、梅雨入りだけでなく、全てにおいて季節の巡りが早い感じだ。てるてる坊主でも下げておくと少しは違うのだろうか・・・。

シュンギク(春菊)

2021-05-04 | 田んぼと畑


肩を落とした朝の花びら

シュンギクは冬の鍋料理にはもってこいだ。虫もつかず手間いらずで、楽に育ってくれる。その上美味しい。ということで毎年植える。食する時期が終わると、次なる野菜のために引っこ抜くのが例年だ。しかし、今年は育ちの良かったものを1本だけ残しておいた。するとどんどん脇芽が出始め、たくさんの蕾がつき、やがて黄色い花が咲き誇り、畑の中でも一際目を引くようになった。
シュンギクは、ヨーロッパ南部の地中海沿岸が原産とされるが、そこではあまり食されずもっぱら観賞用のようだ。わがアジアでは品種改良が進み、ちょっと苦味のある独特の食材になったようだ。私の所では、葉に切れ込みの少ない肉厚の大葉だ。採っても採っても葉っぱが出てくる元気な野菜だ。花は、ヨーロッパで観賞用とされるだけあって本当に綺麗だ。黄色も色が濃い真っ黄色。葉の濃い緑色と競い合って、グラスに挿しただけで絵になる。このように目を引くシュンギクだが、何故だかミツバチはあまり寄り付かない。すぐそばのネギ坊主にはたくさんのミツバチが葉音を鳴らすのに、こちらには小さなハチばかり。それぞれ好みがあるのだろう等と思いながら、ある朝ふと気付くことがあった。黄色い花びらは開いているものばかりと思っていたら、朝見ると、全部の花びらが肩を落としているのだ。だが、しかしだ。10時ごろになると、肩をもたげるように真っ黄色の花びらを広げてくるのだった。そして虫たちが寄り付き始めるのだ。物ごと、見ていても見えていないことがあるということか。